chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプの日本:フリン不起訴事件に至るタイムライン

"トランプのアメリカ"というテーマで好き勝手に書いているうちに日本には熱狂的トランプファン(=trumpers)が多いらしいのに驚かされた。"trumper" という新語はトランプ自身もツィートで頻繁に使っている。日本の"trumpers"には、トランプは彼らの大統領でもあるのだ。

 

そのせいで、日本では"オバマゲート"が大きく取り上げられ、これでトランプ再選は決まった、という政治解説者が多く表れている。

先月、フリン氏起訴取り下げをバー司法長官が裁判所に請求したのだが、それに呼応し

てトランプは、モラー捜査はオバマ氏の陰謀でフリンはFBIに嵌められ嘘を強要された、とツィートやTVで声高々に主張し、オバマゲートを自ら打ち上げた。

だが、この不起訴の請求は担当判事の"待った"で依然として宙ぶらりんのままだ。しかも判事はこの請求を拒否するつもりのようだ。

 

バー司法長官の起訴取り下げ請求に対して、元連邦検事及び裁判長達2000人以上がバー氏の司法長官辞任を要求している。

理由は、バー氏はトランプ大統領の要求通りにフリン氏を特別待遇することで、法の下の平等という米憲法の原則を破った、というのだ。

 

フリン事件は非常に複雑である。下はそのタイムライン。

 

日本の代表的トランパーこと及川幸久氏によればフリン氏は、事実は小説より奇なり、という言葉通りの人だそうだ。

 

まず、フリン氏とロシア疑惑の繋がりについてのタイムラインとナラティブが下です。

 

2016年5月、米民党本部議長ポデスタ氏のe-mailがハッキングされた。後にロシア軍部が犯人とCIAにより結論付けられた。その後、少しずつリークされたが、ウィキーリークスではなかった。

 

2016年10月7日、トランプの"ハリウッドアクセス動画"が公開。これは10年以上前のものだが、トランプは、"ワシのようなセレブになれば女はどんどんプッシーを掴ませてくれるんだ"と豪語、あまりの下品さに国内がショック状態になった。

 

共和党有力議員故マケイン氏を中心に、トランプは大統領候補を辞退せよ、さもなければ共和党候補を取り消すという声が高まった。トランプ陣営の大危機となった。

 だが、この動画公開から30分後に、ウィキーリークスがヒラリーのe-mailを一挙に大量公開。その中にはヒラリーの大きなイメージ・ダウンにつながるものが含まれていた。

 

トランプはTVで一応謝罪し、共和党大統領候補の地位を維持した。

 

 2016年11月、大方の予想に反してトランプは大統領選に勝利した。

 

2016年12月10日、オバマ・トランプ引き継ぎミーテイングでオバマ氏はフリンを閣僚ポストにつけないよう忠告。理由はフリンはプーチン大統領に近い、それに人物に問題があるという2点だった。フリン氏はFBIによる最初のロシア疑惑捜査の対象4人の一人。

憶測として、オバマとフリンの間は険悪であった、というのがある。フリンはオバマ政権によって陸軍を強制退役させられた疑いがあるからだ。美人女性スパイと秘密に交際していた、というのもある。当時、フリンはオバマ政権の国防省情報局長であり、これが本当ならクビは間違いない。事実彼は解任されている。しかし真偽は明らかではない。

 

12月29日、オバマ政権はロシア軍のハッキングに対してロシアに新な経済制裁、ロシアスパイ36人の米退去、関連するロシア政府施設押収等、を課した。

しかしその同日、フリン氏はロシア大使と電話連絡を取り、オバマ政府の制裁についてロシア側と交渉、ロシア側が制裁を受け入れる合意を得た。ロシア側は見返りとしてトランプ政権の制裁解除という約束を得ていた。

しかしロシア大使との電話はロシア疑惑捜査の為FBIに盗聴されていた。

 

なお、文書化された内容は、一週間前にすでに公開された。内容はモラー報告書と同一であり、モラー捜査の正確度の高さを示している。

 

ロシア側の無反応ぶりに驚いたのはオバマ政権だった。過去の制裁にプーチンが黙っている例はない。フリンの電話内容からこの原因が明らかになった。

1月5日のブリーフィングはこの電話に関連しているようだ。オバマゲートを叫ぶトランプ側は、オバマ氏による陰謀会議と主張しているのだが、当時のイェーツ司法長官も単なるブリーフィングであると下院で証言している。

最近オバマゲートの陰謀の証拠としてライス国家安全保障補佐官の自分宛てのe-mailが公開された。それによっても明らかだ。このブリーフィングでロシア疑惑捜査をトランプ政権下で引き続き法に沿って進める、ということをオバマ政権は確認しているのだが、これは慣例、新政権で変わるのは必然だ。ライス長官のe-mailにはこの捜査で得た情報をトランプ政権に伝えることを確認している。しかしロシア疑惑捜査の全情報が最初から伝えられたというのではないようだ。

 

2017年1月13日、トランプの大統領就任の直前に、ワシントンポストの有名なコラムニストが、フリンが制裁発表の当日ロシア大使と会談し、トランプ政権は制裁を廃止する事を通告した、とリークしたので、また大騒動になった。

 

翌14日、日曜日朝のニュース番組でペンス氏は"フリンは制裁の件については話していないと私に報告した"、とTVできっぱり公言した。だが、疑惑はますます深まるばかりだ。

1月23日に、FBIはフリン氏を査問、制裁について交渉したのかどうか質問しフリン氏はしていない、と答えた。それに対してFBIが反論すると、憶えていない、と言った。

 

モラー報告ではフリン氏は自分の意思でFBIの査問に出た、と書かれている。

 

1月26日、イェーツ司法長官代理は、FBIのフリン査問に基ずきフリンの公然の嘘が米国の安全性を脅かす危険がある事をトランプに通告した。しかし、フリンは否定を続け、トランプ政権はフリン側に立ち続けた。

 

2月10日の夜になって突然、フリンが政権を去ったことがホワイトハウスからメディアに報告された。

 

翌2月11日、トランプ政権は副大統領ペンスに嘘をついたという理由でフリン解任を発表。しかし、ボブ・ウッドワードの"Fury"では側近連から解任するようにプレッシャーをかけられ、追い詰められたトランプが報道官に何とかしろ、と言ったことになっている。この報道官はフリンを捕まえて、ホワイトハウスに近ずか無いようにというヒントを与え、フリンはそのまま辞任したことになっている。

 

上のタイムラインから見えて来るのは、トランプ政権内部の対応のまずさだ。フリン氏は婿クシュナー派だった。もしクシュナー一族の天敵、クリスティ元知事がトランプ政権に参加していればこのような不手際は起こらなかったかも知れない。

 

この時点でコミFBI長官はフリン氏を起訴するつもりは無い、とメディアに公表している。このコミ氏を逆恨みから突如解任し、FBI捜査を引き継ぐ形でモラー独立捜査を引き起こしてしまったのは他ならぬトランプ自身なのである。フリン氏はこのモラー氏によって起訴された、という事実を都合よく忘れているのが今のトランプなのだ。

 

トランプの奇行が内戦危機に発展!?

昨日6月1日、トランプの記者会見があったはずだとYouTubeを探すと、驚きのニュースに出会った。場所は首都ワシントンDC。平和にデモしている人達が突然向かってきた武装警官隊に催涙弾とゴム弾をしたたかに浴びせられた。それから騎馬警官隊がデモ参加者を暴力的に蹴散らすシーンが続いたのだ。この警官隊の制服にはシークレットサービスと書かれていた。

 

ニュース・アンカーは6時の大統領記者会見が30分間延期され、また延期となった、と伝えていた。再び催涙弾の煙とドンパチの銃音を背景に逃げまどう人々のシーンに戻り、その内ローズガーデンでの会見がスタート。TVの画面の半分はデモの様子、半分はトランプの演説という同時中継となった。実は逃げ惑うデモ隊はローズガーデンのすぐ横に位置していたのだ。頭上では陸軍のブラックホーク攻撃用ヘリが低空旋回していた。

 

トランプはいつもの様に、バー司法長官やエスピー国防長官、それにものものしい戦闘服の軍統合指令部長官、等々の側近を引き連れて会見に現れた。 

 

トランプは、まず、"法と秩序"を繰り返し強調!言わずもがな、これ、ニクソンと全く同じ。

 

"私は白人警察官に殺されたフロイドの側に立っている、

私は黒人が好きなので黒人の味方だ。平和デモを支援している。放火や略奪はアナーキストや極左集団の仕業だ。彼らの略奪が収まらなければ米軍を派遣して間髪おかずに制圧するぞ。現に今首都には何千人もの陸軍兵士を待機させてある…、"

 

視聴者はトランプの言葉に唖然。

 

米憲法では米大統領には米軍を国内で戦闘に従事させる権限がないのだ。理由は憲法により米軍が米市民を襲うことを禁じているからである。ただし州知事の要請で可能となる。しかし今、州知事は誰も要請していない。

  

米首都ワシントンDCでは先週からデモ隊がホワイトハウスを取り囲んでいた。先週の金曜日夜にはホワイトハウスの通りの向かい側に立ってした聖ジョン・エピスコパル教会が焼き討ちにあった。トランプはその間、ホワイトハウスの地下壕に身を隠し、メガツィートだ。フェイクニュースに、まるで末期のヒトラーだ、とTVでからかわれ、相当頭にきたはずだ。

 

昨日の朝、地下壕を出て、州知事に電話で、弱虫め、道路を制圧するんだ、グズグズしているとわしが軍を派遣して戦場都市を即座に制圧するぞ、と怒鳴り散らしたのだが、それがフェイクニュースにリークした。

ある民主党知事からは、あんたが口を出すと事態は悪化する、だから口を出すな、という反撃すら受けていた。

 

 

下の動画のタイムライン(経過)は

ホワイトハウスの横での平和的デモの様子

バー司法長官が側近とデモの様子を下見

トランプ、ツィートで到着を知らせる、

デモ参加者、突然警官隊に襲われる

トランプ会場に現れる

トランプ、デモ参加者が追い払われた通りを抜け、聖ジョン教会へ。

トランプの後をぞろぞろ追う一行の中には、ハイヒール姿の娘イヴァンカと婿クシュナーがいた。

 

教会の柵の入り口で聖書を掲げ、ハイ、チーズ!

 

 https://www.youtube.com/watch?v=dUn-BShWYOs


Trump Visits Church After Police Clear Protesters With Tear Gas | Morning Joe | MSNBC

 

トランプは言葉通りに重装備の陸軍部隊をリンカン記念堂前に配置。暴徒からリンカン像を守る為だそうだ。記者がどこに属している?と兵士に尋ねても、司法省に属しているとしか答えなかった。

司法省は、バー長官がデモの参加者攻撃を直接命令した、と重い口を開いた。

 

それで、トランプは私達市民を軍に殺させるつもりか!と今国中で大騒ぎになっている。民主党上院議員の一人は、市民を殺すなら私を真っ先に殺せ、とTVで感情的に叫んでいた。

 

今日6月2日、焼き討ちにあった教会の牧師がTVに出て、トランプはクリスチャンではない、聖書は見せびらかすものではなく、開いて読むものだ、私達に一言も知らせず勝手に教会を自分の政治目的に使って貰っては困る、とトランプをきつく批判した。

 

 

 

 

  

 

白人警官による黒人容疑者殺害の謎!?

私は記事を書く前、必ず複数のネット記事にあたっている。中には非常に優れたものもあるが、多くの記事は内容が曖昧かつ杜撰であることに気付いた。その一例が前回拙ブログに書いた白人警官による黒人容疑者殺害事件だ。

 

そもそもこの殺害事件の発端は何か?もちろん、絶対多数の米人は知りたがっている。そこで私はネット記事を探してみたが、内容が記事によって一つ一つ違う。そこでほぼ確実だろうと思われることを拾い挙げて見た。(?)は異説があるという意味です。

 

被害者のジョージ・フロイド氏が逮捕されたのは彼が偽札を使った(?)からだ、いや そう信じられたからだ。警察側は捜査結果をいまだに公開していない。殺害場所近くのコンビニで彼は$20札(?)を出し、タバコやスナックを買おうとした。しかし、応対に出た店員は彼の$20札(=2014円)は偽札と判断した。それで売るのを断った。フロイド氏は空手で店を出た。

このコンビニは全米の多くのコンビニと同じくオーナーは移民で中東系だ。記事の中にはフロイド氏はこのコンビニをひいきにしていた、と書いたのもあった。

 

フロイド氏とカウンターの店員のやりとりは店内モニターに録画されていた。オーナーはその時店にいなかった。しかし後で警察からビデオをメディアに公開するなと言われたそうだ。

 

それからオーナーは応対した従業員は若い十代のパートで、よく事情を知らなかったのではないか、といささか謝罪めいた発言をメディアにしている。彼によると偽札を使う人はそれを知らないで使っているケースが多いのでフロイド氏もその一人である可能性が高い、とも言っていた。

 

私はほとんど現金を使わない生活をしているので知らなかったのだが、巷では偽札が大量に出回っているらしい。だとしても私にも本物と偽物の区別はつかないと思う。

 

ところが、コンビニ従業員はフロイド氏を追って外に出、店の前で車のドライバー席にいたフロイド氏に、彼の偽札を渡せと要求、フロイド氏に拒否された。店に戻った従業員は110番に通報(米では911)し助けを求めた。

 

従業員の911通報は文書で公開され、私も読んだ。それによると、フロイド氏は偽札を使った、その上彼はひどく酔っぱらっているかドラッグでも使っているのか普通の状態ではない、と報告している。

 

しかし、後に出た検死報告書では酒も薬もフロイド氏の体内に残っていなかったことが記録されている。

 

この通報でパトカーが到着だ。

 

この通報を読むと、コンビニ従業員はパニック状態からだろうが、極度の被害者意識に駆られているのががわかる。ひょっとしてこの店員もドラッグの影響下にあったのではないかとかえって私は疑う。米では驚くほど多くの人(人種の別なく)がドラッグを使っている。

 

この先は公表された警察側の調査書からである。最初に到着したパトカーの警官の一人は、車中でためらうフロイド氏の面前に拳銃をつきつけ、車外に出るように命令した。理由はフロイド氏のためらいがを銃を隠していると思わせたからだそうだ。

 

だが、事実はフロイド氏は車中に銃を保持していなかった。

 

動画の中では、この警官にフロイド氏は車から引きずり出された格好に見える。ここからはすべての動きは店外に設置されたモニター及び警察官のボディカムに記録されている。この殺人事件で"3級殺人"で起訴されたデレック・ショーバン前警察官は応援にかけつけたパトカーの2人組の一人であった。

 

3級殺人とは一体何なのか、と問うアメリカ人は多い。米には日本と違い各州ごとに憲法があり、州法があるので、私のように州から州に移動すれが法も変わる。だから殺人罪は各州に違いがある。ミネソタ州では3級とは最初から殺してやろうという悪意に欠ける殺人で最高25年の刑務所行きとなっている。死刑の無いこの州では一級殺人は終身刑である。

 

なお、このショーバン容疑者の奥さんが離婚請求の裁判を起こして先日ニュースになった。この奥さんはラオスの山岳民族の避難民出身。もう十数年近く一緒だったとかで、ショーバン容疑者は白人崇高主義者のステレオタイプにはそのまま当てはまらないように見える。奥さんは、このような怖ろしい騒動に子持ち(前夫との)の母として巻き込まれたくない、という理由をあげていた。家族をそっとしておいて欲しいと。実際、ショーバン氏の住居は外から駆け付けた人々によって包囲され、外出も外からの訪問(食料配達)も不可能になっていたと報道されていた。

 

コンビニ・オーナーをはじめ市民の大多数から聞こえてくるのは、たった$20(?)で逮捕され殺されるのは全く馬鹿げている、という声である。それは"Black lives matter!"(=黒人の命を軽く見るな)というスローガンと一致している。

 

 

アメリカの恥部暴かれる!?

下の動画は全米を再度揺るがせたミネアポリスで起こった黒人男性殺害シーンの一部です。つい三週間前にジョージアで私的白人自警団による黒人青年アマード・アベリーの殺害シーンが動画でバイラルし、全米を驚愕させたばかり。

この事件は5月25日のメモリアルデーに起こったのです。

 

動画の冒頭は、路上に横たわった黒人被害者の頸にブルーのユニフォーム姿の白人警官が片膝をついている姿です。すぐに、被害者の"プリーズ!”息が出来ない!"という悲痛な叫び声が聞こえてきます。それに答えて、警官は、

"これで息が出来ないのは当然だ!"

"ワシはアンタが起き上がれるのを助けようとしてるんだ!"(=つまり、黙れ!ていう意味)

 

立て!と被害者に言いながら、頸部の脳に繋がる太い血管を圧迫している彼の膝を全く取り除く様子はない。

その上、"What do you want!"(=何が言いたい) と、全く被害者を見下した態度。

"息が出来ない、どうか膝を動かしてくれ"

"静かにして立ち上がれ"、しかし膝は依然として頸の上。

"息ができない、気分が悪い、胃がムカつく、水をくれ"、と被害者が立て続けに哀願してもこの警察官は無視し続けた。

https://www.youtube.com/watch?v=lirHz93qJ50

 

実はこの動画は集まってきた人々の一人によって撮られたものの一部です。

この後、聴衆は、4人の警察官に向かい、いつまで続けるんだ!鼻血が出てるぞ!やめろ!救急車を呼べ!と口々に叫びはじめます。しかし群衆の前でもこの警察官は一向に止めない。近こうとした人が出ました。しかしこの人達は見張りの武装警察官に厳しく押し留められどうする事も出来なかった。

最後に被害者は意識不明に陥ります。二人の警察官が反応のない被害者を路上に仰向けに寝かせます。そして救急車の到着です。被害者は救急車内に運ばれました

 

しかし群衆の怒りはおさまらない。昨日5月27日夜、ミネアポリスの警察署にデモ隊が押しかけ、警察側は催涙弾とゴム弾で応酬。デモ隊は少し先のショッピングセンターに方向を変え、ターゲット、オートゾーンなどの大手のストアを略奪、放火です。

 

救急者隊員の報告書によると、現場ですでに被害者の脈拍が感じられなかった、と述べている。これも不思議です。

警察官も関係者が意識不明になった時点で、少なくともCPR(心肺蘇生)を行うことが義務付けられている。一年毎にCPR訓練及び試験にパスする事は職務上の義務です。たしかに動画では二人の警察官が意識のない被害者を仰向けにするやいなや救急車が現れています。しかし、被害者が窒息から意識不明となったのなら、その場でCPR及びEAD(電気ショック)で蘇生をはかるべきです。一秒を争う事です。救命規則に従っていれば被害者の方は少なくとも命を取り留めたのではないか、と私は思っていますが、まだ詳細は公表されていない。

 

この事件、最初は警察側は正当防衛と発表したが、現場の4人の警察官は翌日5月6日に解雇された。

当の殺人警官は過去に12回も暴力警官として苦情が出ていたという情報も今になって判明しました。

 

失業天国になったアメリカ!?

今日は5月25日月曜、米ではメモリアルデー(戦没者記念日)という祝日となっています。週末と月曜で3日間連休で、ここから夏が本格的にスタートするというのがこれまでのアメリカでした。しかしあいにく私の州では冷たい雨降りとなりました。これでは海岸の人手もないだろう、とほっと一息しています。何しろ感染者数も死者数も一向に増加が止まらないのが私達の都市です。TVでも感染ホットスポットとして注意を呼び掛けている。

しかし調子に乗ったトランプは今度は学校を再開、と息巻いている。ここ数年来、愚孫が学校から貰ってきたインフルエンザにかかってきた私としては、本当に恐怖ですよ。ジョークではなく、本当にトランプに殺される!

 

ところで、5月からぼちぼちビジネスが開き始めたのに、雇い人が還ってこない、というのが今ニュースになっている。mopyesrさんのブログにドイツ政府はコロナで収入を無くした人に3か月の給料を丸ごと政府が出す、というお目出度いニュースがありましたが、米のはそれをはるかに超えた大盤振る舞い。下がそのニュースです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=kLP-bwHjldQ


Workers declining jobs as unemployment pays better

上で登場するのは、サンディエゴの小さなフランス風レストランのオーナー。彼はラッキーにも$472000(=5074万円)の政府緊急援助を受け取り、店を再開しようとして元従業員に連絡すると、半分は7月一杯まで帰らない、と言ったそうです。理由は7月末まで毎週$600(=6万4500円)の失業援助金が受け取れるからだそうです。

動画でも説明されていますが、カリフォルニア州の平均年収は$34362(=370万円)で失業者には米政府の失業保険が70%、州の保険が30%でほぼ給料を4カ月間カバー。それに毎週$600が7月一杯まで貰える。だから給料貰うより失業している今の方が収入がいい。カリフォルニア州の平均収入は私達南部諸州に比べると高目です。私の州ではおそらく$30000前後でしょう。低所得層は少なくとも年収$20000(214万円)以下となります。なお州最低賃金を貰った場合の年収は定職で$10000(107万5000円)となりますが、こういう人達はほぼパートです。しかし失業保険は貰えます。

 

もう忘れてしまったかも知れないが、3月の終わりに、米政府から税金返金$1200(=12万9000円)+子供一人$500(=5万3750円)を税金申告者はすでに受け取っています。愚娘一家の場合は合計$3400(=36万5167円)だそうです。

 

だから失業保険に毎週$600の支援金、そして、毎月$640(=6万4448円)のフードスタンプを受け取っています。もうとっくの昔にスタンプ(切符)を止め、ATM式カードに変っていますが、このカードでスーパーで食料品ならほぼ何でも買える。愚娘からは私に食べたいグルメ食品があれば買って来る、とのありがたいお言葉までいただき感謝はしておりますが遠慮させていただいている。触らぬ神に祟りなし、です。

 

愚娘の職場は6月早々に再開されるそうですが、このまま家でしばらくのんびりしたい、と言っております。文句を言われたら、感染危機のある年寄りと一緒にすんでいるから、と言い訳するつもりだそうです。その年寄りっていうの、ひょっとして私の事ですよ。

 

今日で10万人近い死者が出てもビジネス全開を要求し続けているトランプの頭が狂っていることは皆知っていますが、それに呼応してビーチやウォーターパークに大量に押しかける人々。その一つが風光明媚なオザーク国立公園の群衆。TVで繰り返し放映です。そこの湖岸に集まった者は2週間の自己隔離をするよう今TVが呼び掛けている有様です。

 

社会全体がもうフツーじゃなくなってる、という認識が今アメリカのニュー・ノーマルとなっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒人リンチの復活!?その2

2月23日、新築中の空き家に忍び込み窃盗を働いたというので、ジョギング中のアマード・アベリー氏は白人親子が乗り込んだピックアップ・トラックに道を塞がれた。息子の方にショットガンを突き付けられ、彼のショットガンを逆に掴んで格闘状態になり、息子に腹を二度撃たれ射殺された。この事件は一部始終がセルフォンに録画されていた。犯人のマクマイケル親子は”市民による容疑者拘束”という合法行為中に起きた正当防衛であるという理由で警察の逮捕を逃れた。そのまま放免され、事件はこれで終わったように見えた。しかし二カ月後にその録画がその地域の有名人のフェイスブックに掲載、これを視た人は皆、これは一昔前の南部の黒人リンチだ、と思った。

 

この動画がフェイスブックに乗ったのは5月5日、2日後の5月7日には白人親子の逮捕となった。容疑は一級殺人である。

 

それ以後、関連するさまざまな動画が浮上し、毎日のようにTVで報道されてきた。しかし、先週の金曜日5月22日に、セルフォン録画をした男が州特別検事により逮捕された。容疑は違法拘束と殺人である。

 

この容疑者#3は先に逮捕されたマクマイケル親子と同じ住宅区に住み、マクマイケル親子とは明らかに友人同士であった。また殺人現場にかけつけた警察官の事件報告書にはマクマイケル親子と一緒に被害者をトラックで追いかけストップさせようとしたことが書かれていた。

 

報告書PDFはブログの最期に掲載しました。

 

しかし、この容疑者#3ブライアン氏は、カーマイケル親子の逮捕後、TVで弁護士と共に数回記者会見をし、私は単なる通りがかりの第3者、この動画がなければ犯人逮捕は出来なかった、と弁明を重ねていた。逮捕直前には、ウソ発見器をパスした、だから私は無罪、私の一家に対する脅迫をやめて欲しい、と彼の弁護士がTVで全米に嘆願している。

 

まず、ここまでですでに解明したのは、この動画の謎である。この動画をフェイスブックに流すために動画を手渡したのは、マクマイケル親の知人の弁護士だった。

マクマイケル親のグレゴリーは動画の中ではショットガンを手にトラックの荷台上で息子が被害者を殺すのを見ていた。

この事件後あれは親子が殺したという噂が出て、それを正当防衛の証拠として流し、噂を消す目的だったというのが理由だそうだ。この人はあくまで知人で彼らの弁護士はアトランタからの有名な刑事弁護士が担当している。

 

これ、一体どーゆ―事か!全く理解に苦しむ、とこれにはアメリカ市民は驚愕。

 

問題の動画は約37秒である。このわずか37秒間に、マクマイケル親子はトラックが犠牲者アマード・アーベリーを待ち伏せ、マクマイケル息子との格闘、射殺が起こったことになっている。ところが、本物は4分以上だそうだ。アーベリ―氏が新築中の空き家から出てくるシーン、続いてそれを追うマクマイケル親子のトラックによる追跡シーンで構成されている。なお、アーベリ―氏の空き家の出入りのシーンは逮捕直後に公開されている。

これは被害者が窃盗をしたかどうかは別としてもとにかく不法侵入である証拠として流されたようだ。

しかし、ショットガンとマグナム拳銃で武装してトラックで追跡、素手のアーベリ―氏に対する正当防衛は法的に成立しない、というのが弁護士多数の意見でもあることから、ここの警察・検事がおかしい、という事になり、徹底調査が強く要求されている。

 

なお、警察側の報告書では、マクマイケル息子が、話がある、と言った直後にショットガンのつかみ合いが起こっているところから、市民による合法拘束をアーベリ―氏に宣言するすることはあの状況下では不可能だった。

 

この事故報告を出した地元警察側は、今になって、逮捕しようとしたが、州検事からするなという指令を受けた、と声明を出している。それに対して州検事は、嘘だ、警察側を起訴する、と息巻いている。この人がマクマイケル親を資格剥奪にもかかわらず長年に渡り雇用し、最後は彼を年金付でリタイヤさせてやった親切な女性検事。

 

彼女はラジオで、マクマイケル親のボスであった関係で事件担当を辞し、何の指図も与えていない、とジョージア訛りの英語できつく反論していた。

 

ところで#3の逮捕前には、もっと問題になるセルフォンのメッセージが浮上した。それは警察官から空き家のオーナーに送られたものだ。この新築中の空き家のオーナーは去年の暮れに空き家の中に入っている白人カップルの動画を警察に送ったのだが、引退した州検事の捜査官だったマクマイケル氏がすぐ近くに住んでいるので、彼に連絡するように、という警察官のメッセージが入っていた。このメッセージを読んだ多くの人は、この事件は警察に責任がある、と考えている。

この空き家のオーナーであるが、何かうさんくさい。

 

州検事はこれ以上の逮捕者はもう出ない、と宣言したが、まだ点と線はすべてつながっていない。いずれ裁判で明らかになるだろうが。ここでも有罪or無罪を決めるのは市民で構成される裁判員である。この裁判がTVで公開されるのはほぼ確実だ。

 

なお、血まみれで路上に横たわる事件直後のアーベリ―氏の写真がSNSでマクマイケル親子の娘によって流されたことが発覚。これも人々の憤慨を買った。

 

https://assets.documentcloud.org/documents/6884018/Glynn-County-Arbery-Report.pdf

 

ヒドロキシクロロキンをとうとう飲み始めたトランプ!?

ヤフーブログ閉鎖でブロガー難民となってしまいAmebaに移転させて貰ったのだが、そこには英語がペラペラになりたい、という人達がたくさんいる。しかしそういう方達には、バッドニュースだ。

 

たとえばこのヒドロキシクロロキン、これはほぼ一般化してしまったカタカナ表記なので私もこれを使ったのだが、英語の冒頭部分はヒドロではなくハイドロ(hydroxychloroquine)。カタカナ表記は発音そのものではないが、原語により近いと見なされている。医学も英語が共通語となっている今日、日本ではなぜことさら何語なのか分からないように表記してしまうのだろうか?せめて専門用語のカタカナ表記を英語に統一すれば英語習得の大きな助けになるはず。外国語習得はそれだけでもハード(hard=努力を要する)だ。だから余分なハードルは避けさせてあげたい、と私は思う。

 

このハイドロクロロキンは元は抗マラリア薬キニーネの一つだが、ジンク(亜鉛=必須微量ミネラル系栄養素)を癌細胞内に導くトランスポーターである事が発見された。ジンクは癌細胞の複製を阻止することが実験で確証され、それが新コロナウィルスのRNA複製阻止にも効果があるのではないか、ということになった。しかし実際の治療効果を証明する臨床プラシーボ実験はなされていない、というのが医学上の見解である。主として中国、韓国で実験的に投与し感染患者が回復した、という報告が頻繁に報道された。

その上、フランスの研究者がこのハイドロクロロキンと抗生物質Z-pacの二つを陽性患者に投与し、二つ摂取のグループがはるかに早く他グループより陰性に転じたと発表。もっともこの実験は参加者数が非常に少なく、二つ摂取組の一人が病状悪化で急死してしまったこともあり、結果はあてにできない、と見られている。

 

しかしこの実験の話に頭が取り憑かれてしまった人がいる。トランプだ。

 

4月始めのイースターにビジネス再開を図り失敗、その後この抗マラリア薬をホワイトハウスからTVで、安いし、別に損するわけじゃなし、と大々的に宣伝。

トランプ直属の新コロナ対策本部長である娘婿のクシュナーに2700万粒ほど製薬会社から寄贈させた。これを早期ビジネスオープンを目指す共和党知事に流す計画だったようだ。クシュナー氏の本部長参入に、行き当たりバッタリのトランプの失言暴言。どれが本当の対策本部か?とこれには皆が大混乱、これがトランプの新コロナ対策の真相である。

 

つい先日、フランスの著名な医学専門誌Lancetにまで、米の感染をコントロールするには国民一丸となって有効な対策を実行させる新しい大統領が必要、とまで書かれてしまった。本当に情けない事態である。

 

しかし、ベテラン(軍経験者専用)病院での投与結果として心臓疾患による死者の増加があげられ、この薬は入院患者のみ投与というガイダンスが政府に付けられた。トランプはこれを”Trump Enemy Statement”と呼び、自分を貶める為のウソだと公言。

 

しかし、2週間前にトランプ側近に陽性者が2人出現、恐れをなしたトランプは彼自身が宣伝したハイドロキシクロロキンを取ることにした。下は昨日5月19日の朝、抗マラリア薬を取っていることを自ら告白したトランプの動画。

https://www.youtube.com/watch?v=AWqRhLUItw0


Trump Says He's Taking Unproven Drug Hydroxychloroquine | Morning Joe | MSNBC

要人や医療従事者、働いて入る人等々多くの人々がこの薬を取っている。私もその内に一人にしか過ぎない。

私が服用している理由はいい結果をたくさん聞かされたからだ。別に害があるわけじゃなし。だが、副大統領のペンス氏は服用していない。政府は服用しないように警告を出している。

 

ところがである、次のシーンはトランプの翼賛TV局であるはずのフォックスの経済問題キャスターのカブト氏。カブト氏は頭脳明晰なキャスターとして有名。

 

トランプ氏はウィルスにやられる年齢層(トランプ氏は74歳)の一人だ。(こんな効きもしない薬を取って安心していたら)あんたはウィルスに殺されるぞ!と大声で叫んでしまい、トランプ氏をカンカンに怒らせた。

 

その次は下院議長のペロシ女史。

科学者達が取るなといっている薬は取らない方が賢明です。特にトランプ氏のように年を取り病的肥満状態にある方はそうするべきです、と痛い所をチクり。

 

ハイドロキシクロロキンはマラリア予防薬である。投薬量が同程度なら別に問題もないと専門家も言っている。そんなにむきになって非難することもないだろう、と私は思う。トランプ自身も、感染しなければそれでいい、感染したら死ぬだけだ、と言っている。理由はどうあれペンス氏の出番を待っている人もいるのだ。

 

なおトランプはZ-pac(抗生物質)とジンク(亜鉛錠)を一緒に取っているそうだ。

 

日本のケースは感染症状者が急増していないし、死者数も比較的に少なく、本当にいい事だと思っています。米では今日で9万以上の死者が出ている。恐らく8月までに15万人近くになるという怖ろしい予告もあります。私自身がこの危機を通り抜けられるのかどうか、先は分かりません。