chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプのアメリカ:されど女は強し

https://www.youtube.com/watch?v=94-VsHzSgsI

 

現在もトランプ情勢は超スピードで回転中。

上の動画は米時間10月11日朝、下院に現れたヨバノビッチ元ウクライナ大使のニュース。米国公共放送によるもの。米国公共放送PBSはすべて寄付で運営されているが、ニュース解説番組にも定評がある。その他にも素晴らしいドキュメンタリー、ドラマを制作してきた。

このヨバノビッチ元ウクライナ大使は前の晩12時過ぎに国務長官ポンぺオから下院の調書作成の喚問には出席しないよう命じられたのだが、それを蹴っての堂々の登場。歩きぶりまでさっそうとしている。

トランプの脅かしに怯え、全く姿を現さなかった政府元高官、現れたが司法省の弁護士付き添いでその弁護士に"答える義務なし"と口を挟まれ答えを拒否する元高官などが現れ、憲法で規定された議会の政府監視の機能はトランプによって見事に無視された。こういう妨害行為は建国以来初めてだそうだ。

このヨバノビッチ大使はトランプ命令に従わず、身一つで現れた。それに声明文をひっさげて。

声明文では

彼女は従来の国務省の方針に従い何一つ間違った事はしていない、

去年、大使を辞めさせる陰謀があり、それが原因で更迭された。陰謀に携わった人達は米国の外交方針とは全く違う考えで行動する人々だ、と述べられている。

 

勇気という点では女性の方が凄いという印象を受けざるを得ない。

 

このヨバノビッチ大使は去年の5月にトランプによって突然呼び戻され更迭、今日まで国務省で窓際族をしている。

 

このヨバノビッチ元大使の存在がクローズアップされたのは、トランプとウクライナ大使の電話からである。トランプは、ヨバノビッチは BAD NEWS だと繰り返し中傷したうえ、だからこの人は今のような目にあっている、とウクライナ大統領に示唆。これも若い未経験のウクライナ大統領を脅かす意図だと思われる。大統領というよりマフィヤの親分だ。

この日の8時間以上にわたったヨバノビッチ証言の内容はいまだに公開されていない。

 

ところが、ヨバノビッチ喚問の前日、トランプが繰り返しウクライナ大統領ゼリンスキーにコンタクトするように要請したジュリアーニ元NY市長のビジネス同僚の2人が首都ワシントンの国際空港であるダレス空港でルフトハンザ機に乗り込む直前にFBIにより逮捕された。国外逃亡の疑惑が理由。

この逮捕された人達は米国籍だが元ソ連系。その日の昼にはトランプホテルでジュリアーニとランチを食べていた。

このケースを扱っているNY南部地区の連邦検事長は報道会見し、逮捕の理由を明らかにした。それによるとこの2人は他の仲間2人と去年トランプの支援団体に最多額を寄付。その中から下院の司法系大物議員に選挙寄付、その議員がトランプにヨバノビッチ女史の更迭要請の手紙を送った。動機はおそらくヨバノビッチ女史がトランプの要請、大統領選のライバルとなる民主党候補の汚職捜査に協力しなかったことだ、と言われている。

それに、彼らの寄付した大金の出どころはロシア系オリガルヒ(財閥)からだった。これは日本と同じく外国人から選挙寄付の受け取り禁止条項に該当する。

この先捜査がどう進展していくのか、ヨバノビッチ証言の内容とは、など政治好きの人々は興味深々ではないだろうか。しかしアメリカの半分以上は大統領が何をしようが全く関心ない人々なのだ。

 

なを、バイデン汚職疑惑ですが、政治的ネタ元はピーターシュバイツァーの"Secret Empires"2018、だと思われます。ピーターシュバイツァーについては日本でもよく知られているようです。ヒラリークリントンを汚職の台風の目のように描いた "クリントンキャッシュ"の日本語訳があります。ドキュメンタリー化した動画はYouTubeに掲載されています。CCで英字幕が出てきます。

彼の著書については賛否両論があるようです。