chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

国家非常事態宣言:遅すぎたウィルス検査

 前回のブログで書いた通り、今アメリカは、新型コロナ、株大暴落、大統領選という三つ巴の大混乱が続き、一般市民の間には"その日その日で生きている"という思いが日増しに強くなってきている。 

https://www.youtube.com/watch?v=D9s0Io2geNE

上の動画は3月13日*偶然にも13日の金曜日、ホワイトハウスのローズガーデンでの突然の国家非常事態宣言スピーチ。私は日本のニュースサイトでこれを知った。昨夜9時の米市民に告ぐスピーチでは非常事態など口にもしていなかった。

トランプの市民に告ぐ特別報告は同じ週の火、木に続きこの日で三回め。この事からも異常事態が発生していることが分かるはずだ。

私は三回とも視聴した。上のは非常事態宣言の部分だ。というのは金曜日の非常事態宣言だけトランプは記者団の質問を受け付けた。今回は前回とは違い、トランプはかなり自信を取り戻したのか、著名なPBS=米国公共放送、の黒人女性記者の質問に”nasty"だとその場コメントでやり返した。

もし、安倍首相がある特定の記者の質問について、"これは悪意のこもった質問だよ、君" とその場で釘を刺したら、どうなるか、考えて欲しい。トランプはこれほどみさかいなくヘイトが先に立つ人である。怖いのは、この"トランプ流"が表面では当たり前となってきていることだ。

この黒人女性記者は2018年にトランプから、"低能女”とやはり皆の前でコメントされている。今回の彼女の質問は批判をうまく隠して非常に外交的な言い回しであった。それにもかかわらずである。こういうメディア側の勇気ある抵抗がなかったら、米はトランプによってとっくに押し潰されていただろう。それほどまでに米の民主主義は今危機に直面しているのだ。

この"nasty"は、トランプが好きじゃないと言ったメーガン妃にも投げつけ、トランプはこの時も大批判を浴びた。

ところで、この非常事態宣言はまさにトランプの ‟ショータイム”。まるでセ―ルスマン並みの見事なパフォーマンスだ。 

トランプの自画自賛の理由の一つは早期の中国からのトラベルトラベル禁止、1月31日、だが、これは政治的な理由からと見なされている。その後も、ウィルス追跡検査は直接関係者のみ。米軍基地に隔離された人々も2週間で症状が出なければそのまま帰還させたと報道されている。その無策の空白期間にウィルスは米に浸透したという批判に対して、トランプは自分には全く責任はなしと堂々と答えていた。

日本でもさすがアメリカ、と称賛されたグーグル・検査サイトについてもグーグル側はあれは加州のみでしかも試験的トライアルに過ぎない、トランプからTVで聞いたばかりでまだ何もしていない。との回答。

前回で書いたペイロール・タックス、つまり減税による通貨の流通増大、については今回はさすがに触れなかった。下院でもまだ何も議論されていない。

それに、ウォルマートやターゲット、全米ドラッグストアチェーン、大手医療検査会社、薬品会社のCEOを引き連れてまるで彼らを英雄のごとく紹介するのもどこかきな臭い。

ウォルマートにターゲットの商品はすべて、安かろう悪かろう、の中国製使い捨てで、この会社がアメリカ製を潰した張本人とも言えないこともない。

今回の米市民のスタンスは、とにかく成果を拝見してから、というのが多数派だそうだ。

米国は人口は日本の約3倍にしか過ぎないが、50州という独立した州政府のユニオンであり、新コロナ対策は州政府が地方の疫病専門家と共に行っている。しかし、大災害には金とか検査キットの支給調達などの連邦政府の援助が絶対に必要なのだが、トランプ政権はシステムをうまく悪利用してまた自己の利益を図っているのではないか、という不信も米市民の間には大きく高まっている。

例えば、EUからの米入国禁止であるが、当初はイギリスには適応されない、とトランプ自身の口から米市民に告げられた。公式理由は英はEUではないから、イタリアを含めた大陸諸国中でビザ無しで自由に行き来できない、というものだった。しかし、ブレグジット実施は今年の2月からで、現時点ではイギリスも感染拡大国である。常識で考えるとどこかおかしい。

さっそくフェイクニュース側は、理由は英とアイルランドにトランプ直営のゴルフコース+ホテルのリゾートがあるからだ、と反論。そして金曜日午前には、聖パトリック・デーを前に訪米したアイルランド首相との会見でトランプは記者から質問責めに合い、黙り込んだトランプの代わりに、アイルランド首相が自国とEUとの関係を記者に説明するという一幕もフェイクニュースで放送された。

とうとう3月14日土曜の朝、トランプ政権は英国・アイルランドからの入国禁止に踏み切った、いや踏み切りざるを得なくなったのだ。

このEUから外国人受け入れ禁止には大失政がついてまわった。一度に大挙して帰国した米人が主要空港で顔と顔の至近距離で何時間も缶詰めにされた。これでは空港が感染拡大工場になったも同然。今もTVで大騒ぎになっている。

 

3月16日の月曜日には、下院を通過した大幅増資金パッケージを使ってドイツの有望と見なされているワクチン研究所をそっくり買収しようとした事が発覚。トランプがワクチンに並み外れて期待しているのは最初の会見で見え見えだが、まさかここまで陰の工作が進むとは!

 

うっかり忘れるところでしたが、週末のマーラーゴでのブラジル大統領の新コロナ陽性騒ぎですが、トランプななぜ検査しないのか、と繰り返し訊ねられ、症状がないから、と答えています。トランプの主治医も、検査する必要ない、と直後に太鼓版を押してました。しかしCDCのファウシ博士は私が主治医だったら検査を薦める、と既に発言しています。結局、トランプは検査をし陰性と昨日曜日に公表されました。トランプは御年74歳だそうですが、酒・たばこを一切しないので、もの凄い健康ぶりのようです。

これだけは大称賛に値しますが、悪人長生きして大往生の見本かも知れません。