"ミニマイザー"=minimizer とは米で大きな胸を小さく見せるブラのことだそうだ。ご存じないかも知れないが、米女性の間では胸の縮小手術が非常にポピュラーだ。それと似たようなのに政治的用語としての"ミニマイザー"というのもある。今回のトランプのように、新型コロナウィルス感染を、私がしっかりコントロールしているから大丈夫、と政治的利益を得る目的でことさら軽く見る人を指している。
2月26日水曜日の午後6時、予定通りトランプはホワイトハウスでCOVID -19対策を全米に公開、メディアの質問に答えた。
このトランプ会見の狙いは明瞭。
先週末には米CDC(the centers for disease control)とNIH(the national institutes of health)からパンデミック予想が強まり、今週の月曜から米及び世界の主要市場で株が暴落し始めたからだ。私はトランプのこの会見スピーチをTV実況動画で視聴した。
それにしてもトランプの話方は酷すぎる。とても米大統領とは思えないし、普通の話し方でもない。記憶を失いつつある老人のようだ。トランプ下で働く人は”good person”だから、皆”great job”をしている 等々の自画自賛?の繰り返し。二月の弾劾無罪判決を受けて以来、現実乖離とボケがさらに同時進行している疑いがある。
この会見を前にして、下院のペロシ議長が、トランプは本当に新型コロナウィルスが何であるか分かっているのか、といういつもの彼の頭の程度を疑うコメントを出していた。トランプは、無能なくせに何を抜かす、と会見でやり返し、得意になっている。トランプの性格として、個人的憎しみを抑えることが出来ないので復讐に取り憑かれる、ということがあげられており、本当に恐ろしい老体だ。
さらに、フェイクニュースがパンデミックを煽っている、と宣言だ。だが私はやるべき事はやるつもりだから安心しなさい。それに4月にはインフルエンザ同様に流行も終わるし、政府は予防ワクチンと抗エイズ薬の開発とテストを進めているので、秋までにはワクチンが出て来る、などと楽観的展望を披露。
この日の時点で米の感染者は60人だったが、45人はダイアモンド・プリンセス号の感染者だから除外し、トランプは奇妙にも米感染者数は15人と言い張っている。そして、最後の一人は今復中だと主張。つまりこの人が最後の感染者といわんばかり。事実は26日から加州などで3人の中国に関連しない感染者が現れ、その1人は隔離センターであるトラビス空軍基地経由ではないか、という疑いも出ているのに。
その上、26日までに米国で検査された回数はたったの430。韓国が3500以上検査し900人の感染者を発見したのにである。2月25日NYタイムズ日曜版のオピニオンからの引用だが、米ではマスクをはじめPPE(感染防御服)不足が始まっている。米での医療用具の生産工場である中国の生産が止まっているからだ。今日の医療用具はほとんどが使い捨てである。ニードル、各種チューブ、メス、ハサミ、包帯等々。オピニオンの筆者は特にクラッシュカートの中の医薬品不足の可能性を指摘している。クラッシュカートには患者が危機状態に陥った場合の対処に必要な救急用品のすべてが詰められている緊急用カートで使用前はロックされAEDなどの蘇生装置は常時にチェックされている。一刻を争う状況下、これがなければ命は救えない。カート内の中国で生産されている救急医薬品不足が起きたら一体どうなることになるのか、武漢と似たような医療崩壊状況に陥るに違いない。
皮肉にも、会見最後に突然、エイズ対策で名声を馳せたNIHのファルシ博士が自発的に壇上に上がり、訂正発言をしたのには驚かされた。予防ワクチンに関してはどうしても完成まで1年半から2年かるというのだ。医者としての倫理からファルシ博士もトランプの虚報ぶりに一言口をはさまずにはいられなかったようだ。この予防ワクチンには大きな問題、ヒトの遺伝子の人工操作、が必要なので結果がこわいと警告する人達も出ている。
翌27日の木曜日、モルバニー官房長官は早朝TVで新型コロナ感染で株式マーケットがパニックに陥る必要は全くない、とさらに念を押し、マーケットの沈静化を図ったのだが、全くの逆効果。その日の株の暴落はリーマン以来の最悪となった。新型コロナ感染のせいで、トラベル、空港、ホテル、レストラン、大イベントがすべて中止となり、莫大な人数の雇用が風前の灯になっている。
新型コロナウィルスによる感染は今の時点では政府によってうまくコントロールされているので安心しなさいじょb
理由はCDCや保健省をはじめこの為に働いている職員は非常に優秀であることだ。
だからたった15人の感染者のうち一人が入院しているが、この人もすぐ退院する見込みだ。
を筆頭に専門家達がパンデミック到来を予想し始め、米でも非常に関心が高まってきたことが理由であるが、トランプの心配は株式マーケットにあった。実は米では去年からいつ株が暴落するのかという不安が常にあった。その証拠に拙株式資産の主要部分をすでに株式から引揚げていた。されど株価は落ちず上がるばかり。すわ好景気だというので、物価も急上昇。