chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

オバマゲートの根源!?

 

Mopyesrさんののブログで下の動画の感想を知りたいと言われたので、一回視聴しました。

https://www.youtube.com/watch?v=LTV1Y_QuZOM

 

この動画は今年の3月、Hillsdale Collegeでの講演です。スピーカーはSydney Powellの という女性弁護士ですが、フォックスニュースで活躍しているトランプ側近です。このポウェル弁護士は2018年早々にマイケル・フリン元国家安全保障担当補佐官の弁護を引き継いでいる。下は私の返コメです。

 
御紹介の動画拝見しました。裁判に負けた弁護士が検察側のやり過ぎを非難するというのは珍しくも何ともないが、パウエル弁護士のは被害妄想の領域に達している。トランプ並です。トランプ語を使い、ところどころに下品な表現を使っているのもトランプと同じ。しかし法的イシューについては一切触れていない。フリン氏のケースには法的イシューがある。彼はFBIによって起訴されたのではいない。モラー特別検察官によってです。しかもフリン氏はモラー検察官に協力したのでモラー氏が実刑を課さないよう判事に要請している。ところがフリン氏は法廷で偽証を認めたにもかかわらず、判事の設定した刑の言い渡し日を待たずにそれまでの弁護士をこのパウエル弁護士に替え、FBI側による偽証強要を理由に判事に無罪を要求という法的暴挙に出た。
 
この判事の、過去に検察側の証拠隠しを認め有罪を無罪にした経歴を見越しての事のようだ。この有名な逆転判決についてもこの講演で繰り返し触れていました、検察横暴の典型として。
フォックスニュースでパウエル弁護士はこれでフリン無罪間違いなしと予想をしていたようです。しかし逆に判事を怒らせた。その理由は一方で罪を認めモラー検察官に実刑なしの要請をさせながら、他方で自分は無罪と主張するのは二股で、政府の高官として相応しくないやり方と批判された。その上、政府高官がFBIにウソをつくのは国家反逆罪だとも言われ、見せしめとして実刑を課される予想が強くなった。
それでバー司法長官が自ら指名したある検事に捜査をさせ、今回のフリン氏起訴全面取り下げに至ったと見なされている。これが表面に現れているストーリーですが、どうしてこういう事になったのか、真相はこれからいろいろ出て来るでしょう。
 
モラー特別検察官の捜査を捜査対象である大統領が破壊するのは司法の独立を確立する米憲法違反です。ところでこの判事はバーの起訴取り下げについて同僚の判事達に反対意見を出させ、それを参考にして決定することになり、かなり時間がかかりそうです。この講演は起訴取り下げ事件の前だろうが、パウエル弁護士の失敗を検察のせいにしているわけです。

 

 

5月7日、バー司法長官がフリン起訴を取り下げると発表した。これはトランプの長年の祈願でもある。

 

しかしその直後に司法干渉をしたとトランプを批判するオバマ氏の電話会議の部分が漏れ、トランプは”オバマ・ゲート”を立ち上げた。いわば”オバマ・ゲート”はトランプの頭の中で生まれたのだが、また例のごとく、トランプ・カルトの人々により拡散されている。

 
そもそもトランプが異様に執着しているフリン事件とは何なのか?実はこれがモラー捜査のきっかけともなっていた。
最初からフリン氏はトランプの大統領選でひと際目立っていたのだが、表面的には大統領就任式直前の2017年1月16日、ワシントンポストの著名な論説者による記事が書かれたことで始まった。
 
前年の12月29日に末期のオバマ政権は大統領選介入に対する報復措置としてロシアに新な経済制裁を課したのだが、同日、ロシア大使とフリン氏が電話で会談しこの制裁のロシア側の対処について話し合った。これが”ローガン法‟に違反している、と主張。しかも、この電話会談は双方極秘だったのだが、米側にはロシア大使の報告書が掌握されていた。
この記事で言及された”ローガン法”についてはモラー長官が2018年に判事に提出したフリン氏の減刑要請書には全く出てこない。しかしこの記事でフェイク・ニュースが大騒ぎ。当初フリン氏はペンスに電話会談そのものがあった事を否定した、としてトランプ側も否定にまわったのだが、次の日には会談はあったが、制裁の件は話し合っていない、と内容が変わった。しかし、この最初は否定、次に半分肯定、というフリン氏の態度の奇妙な豹変がFBIの捜査対象となった。
 
FBIの職務に仮想敵国のスパイ及び国内協力者の捜査というのがあり、弱みを握られたフリン氏はロシア側の道具として使われる恐れがある、という想定の下、フリン氏から事情聴衆をした。この場合、FBIにウソをつくと犯罪者として0-6カ月の実刑となる。フリン氏はここでロシア制裁について話さなかったしロシア側との合意はなかったと述べた。
 
このFBIの事情徴集にトランプは憤慨、コミ―長官に捜査を止めるよう、精いっぱい丁寧に要請したが、コミ―は無視。逆にトランプに疑惑の目を向けていった、と言われている。腹に据えかねたトランプは日中に突如コミー長官をその場で解任し復讐を果たした。
しかし、どのようにうまく説得されたのか、トランプはモラー特別検察官がロシア疑惑の捜査に任命されることに合意した。それ以後、トランプはコミ―長官やマカーブ副長官をオバマの手下と見なし、モラー捜査自体もオバマの陰謀と公言してやまない。
 
ところが当のフリン氏はモラー捜査官にただちに協力し、FBIへのウソを全部認め、それが関連偽証者の起訴にもつながった。フリン氏はこのロシア大使との会談について、上から命令された、と述べていることから上の人物が誰であるか知りたいものだ。
 
モラー捜査は本当に終わったのか?それは今年の大統領選の結果にかかっている。クリントン大統領と違いトランプは頑強に証言を拒否しているし報告書は未だに多くの黒塗りの部分が残されたままだ。
 
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