chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

ミスターサンシャイン:韓国歴史ドラマは親日ドラマ!?

あなたはどのくらいアジアを知っているか?
 
Image result for mr. sunshine kdrama
 
 韓ドラの『ミスター・サンシャイン』については日本で度々ニュースになっていることもあって知っている人も多いだろう。そのニュースというのは、日韓併合前の日本が好意的に扱われ過ぎている、という苦情が韓国のブルーハウス・サイトに請願され、今日まで3万人近くの賛同署名が集まっているということだ。そのせいでこのドラマで日本サイドの黒龍会リーダーとなっているクドンメ役の内容が一部変更され、黒龍会は右翼団体から金目当ての日本のやくざ組織に変えられた。
 
朝鮮王国支配が酷すぎる上、半島の住民は無知で野蛮、だから日本に救いを求めるのは当然の成り行きと、いった印象を与えるのがこのドラマの最初のエピソードだ。日本の嫌韓ネトウヨなら泣いて喜ぶことは間違いない。
 
この『ミスター・サンシャイン』は映画、ドラマの国際的ネット配信会社、ネトフリックスとタイアップし、世界で同日配信、という鳴り物入りの韓国歴史ドラマ。
 
大金をつぎこみ、国際的大ヒットの『太陽の末裔達』のライターを採用、韓国きっての大スター、イビョンホンが主役の米海兵隊将校を演じている。しかし最初からケチがついた。まずはイビョンホンの女性問題。2014年に起こったことだし何といっても個人的な問題だが、イビョンホンは当時この事件で一時的にせよ芸能界から干された。
第二は年の差。相手役の女優と20歳の差だ。これでは恋人ではなく父娘関係だとイヤミを言われた。
しかし、やはり彼は大スター。ドラマが始まると年の差問題は軽く吹っ飛んだ。とにかく二人の間のケミストリーがすごいと大うけだ。
セットに大金をかけただけあってシーンが素晴らしい。登場人物に扮する俳優も非常にうまい。だが弱点はストーリー、という英語圏からの感想が多い。私も同意見。このドラマのストーリーにはかなりの無理がある。
 
主な登場人物
 
ユージン・チョイ: 主役の米国海兵隊少佐。もちろんイビョンホンが演じている。9歳で密航、米スペイン戦争に従軍し大昇進、ルーズベルト大統領から朝鮮王国のソウル米領事館に派遣。第一の任務は日本のスパイとなったある米外交官の始末!? 30年ぶりに半島に帰るのだが、心は全くアメリカ人。
 
エシナ:両班の令嬢、拳銃使い。テロリスト正義グループ!?に属していて国の裏切り者を拳銃で暗殺。ユージンと同時に米外交官を狙い彼を暗殺したことから、二人の運命は交差。彼女には従兄の婚約者がいる。この男は典型的な両班のバカ息子で、日本に遊学して10年経ってやっと帰国。おかげでエシナは28歳になってもいまだに未婚のいかず後家。もちろんエシナは拒否。それでもこの従兄は彼女との結婚に何となく甘い希望を抱いている。
 
キドンメ:  首都ソウルの黒龍会リーダー!?。半島の部落民出身。日本にわたり頭の良さを認められ汎アジア右翼団体にリクルートされた。実はエシナには日本に渡る前に命を助けられ、彼女のことが忘れられない。上のフォトでもおわかりのように、明治の終わり頃でもちょん髷に羽織袴姿でことあるごとに日本刀をふりかざす、といった具合で面白い
 
ドラマは上の三角関係、時々、エシナの婚約者を交えての四角関係で進行していく。その他に日本サイドからは歴史上の人物伊藤博文や、サイコ日本兵のつじ軍曹などが登場したりして面白い。日本語もふんだんに使われている。
意外な事に、このドラマでただ今人気大上昇中なのは、日本サイドのバッドボーイことキドンメ。ファンのコメントにもキドンメを応援、というのが増えている。これではキドンメを演じている若手イケメン俳優の人気がイビョンホンを抜きそうだ。これはセカンドリード・シンドロームの典型。大ヒットしたドラマにはセカンドリード・シンドローム、つまり主役が恋の競争相手を演じる俳優に食われてしまうという現象、がつきもの。これは『ミスター・サンシャイン』にとってはグッドニュースだが、韓国は植民地化の犠牲者、としてしか歴史を見ようとしないナショナリストにとってはバッドニュース。もともと、イビョンホンをうまい若手と競争させるというリスクをとってしまったことに原因があって、歴史とはあまり関係ないんじゃないか、と私は思う。。
 
ところでオバマ君のホワイトハウスサイトの請願が韓国の左翼政権でそのままコピーキャット!?これも本当に驚きモモノキ。ここで書いていいのかどうか、迷ってしまうのだが、このドラマの最大の虚構は海兵隊についてである。海兵隊で非白人が戦闘に参加したのは太平洋戦争後だった。最初のアジア系海兵隊将校は中国系で日本語通訳が任務だった。