コメントありがとう。出来る限り分かりやすくお答えしたいと思っています。このロシア疑惑事件ですが、非常に複雑怪奇で、私にもわからないところが大きい。皆一様に点が多過ぎて線が引けない、と言っています。
2017年6月8日の上院Intelligence Comitteeにおいて、コミー元FBI長官は、FBI長官の解雇には何の理由も要らないと言っています。その上で、2016年の選挙において、ロシアからの干渉は全くなかったと証言しています。https://www.politico.com/story/2017/06/08/full-text-james-comey-trump-russia-testimony-239295
chukaさんの上記記事はこの証言を無視しています。何故ですか
chukaさんの上記記事はこの証言を無視しています。何故ですか
ご指名の拙ブログ記事はトランプにクビにされたコミ―の後を継いで代理長官となったマケイブ氏の暴露本の内容についてです。コミ―氏が去った直後から始まっています。
上院での公聴会で、ロシアの選挙干渉については疑う余地があるか、という質問に対して、全く疑う余地はない、と答えています。
BURR: Do you have any doubt that Russia attempted to interfere in the 2016 elections?
COMEY: None.
ですから、ロシアからの干渉なし、というのは誤解です。
ロシア選挙干渉事件とは大統領選投票日の直前になって、ウィキーリークスで前年の2015年にハッキングされた民主党本部の膨大なEメールが突如公開された事を指しています。
このハッキングはロシア軍部の諜報部で行われ、ウィキーリークスに流された、という調査結果がCIAから報告され、オバマ大統領は12月にロシアに経済制裁を課しました。
ホワイトハウスを去る前のトランプ氏との最期の会談でオバマ大統領はトランプキャンペーンの中心人物だった退役陸軍大将のマイケル・フリンを間違っても政府の要職につけないよう勧告したのです。
その勧告を無視し、トランプはフリン氏を国家安全対策委員長に任命してしまったのですが、FBIからフリンは国内調査の対象となっているという報告を受けて困惑し、これは最近明らかにされたのですが、自分からクビにするとは言えないので彼の側近の一人に、トランプがクビにすることを考えている、とフリン氏に囁かせ、フリン氏は即刻ホワイトハウスを去った、という真相報道がありました。在任期間はわずか24日でした。
CIAはFBIに捜査を受け渡したのです。結果的にトランプが恩恵を受けた事からも、捜査の対象はトランプ陣営となったわけです。フリンは国家安全対策委員長として米国の軍事機密を知る立場にあるのに、ロシアと非常に近い立場にあり、トランプとロシアのトランプタワー建設計画に一役買っていたことが捜査で明らかになり、FBI側の疑惑は深まっていったのです。
この公聴会で、コミ―氏は大統領執務室での報告の後、同席していたペンス副大統領とセッション上院議員=後に法務長官に任命、に席を外させた後、トランプからフリンの捜査に手を抜くように、と告げられた、と証言しています。
その他に2回にわたり電話で、何とか疑いを取り除く方法はないか?などと調査を止めるよう示唆した、コミ―氏は彼を突然クビにしたのは彼がFBIの捜査を止めなかったからだ、と証言しました。
米国では新大統領が各長官をはじめ上級官僚の採用を実施します。トランプ時は総数4000だったそうですが、まだ空きが相当あるそうです。この種の官僚をpolitical appointee、政治的に任命された役人、として一般雇用とは区別しています。だから日本のようなキャリア官僚はいないのです。コミ―氏もマケイブ氏も上級要員なので、political appointee です。違いは政治的任命者は大統領の意でいつでも解任できる、ということです。
コミ―氏の解任についてはトランプは彼が長官として無能だからクビにした、と対最近ツィートしたばかりだから、名誉棄損で提訴する事も可能かも知れません。
モラー捜査で、トランプ氏がFBI捜査をやめさせようとしてコミ―氏をクビにしたことが明らかになれば捜査妨害の罪に問われますが、TVに顔を出している元検察官や弁護士コメンテーターの多数は、解任は大統領の権限であるのでそれを越えるのは難しい、と言っています。
コミ―氏はブッシュ政権に法務省副長官に任命され、オバマ政権でFBI長官に任命。司法部門は三権分立が強いので、コミ―氏は共和党メンバーでも民主党のオバマ大統領に引き続き重用されたわけです。トランプ氏も彼を引き続き任命したのです。
彼の評判は二つに分かれているようです。最近彼も暴露本を出しています。