chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

トランプ VS クオモ:人工呼吸器戦争

日本でもクオモ・ニューヨーク州知事の大活躍が報じられ、クオモはひょっとして次期民主党大統領候補になるのでは、という予想が出ていますが、現時点ではその可能性はないです。それは民主党大統領候補はバイデンにほぼ決定だからです。党関係者は皆サンダース候補が辞退するのを期待している最中。しかし例によって、最後の花道を飾ろうと頑固者のサンダースは容易に首をたてに振らない。これも4年前のヒラリーの時と全く同じです。もしバイデンが大統領になれば、"象徴天皇"ならぬ"象徴大統領"ということになりそうです。理由はお分かりかと。

 

ところでこのクオモ州知事とトランプの間の対立が糸を引き、米市民の👀の前でトランプは自爆、それは4/2の金曜日。質問したちょっとかわいいアジア系女性記者を怒鳴りつけて言い合いに発展、その後すぐに会場から退陣。この人怒りが止まらない。逆に私はこの強気の若い女性記者に感心しました。

 

この言い合いの焦点はマスクなどのPPE医療用品と人口呼吸器の不足ぶり。

感染ホットスポットのNYではたとえ医師でもマスクは一日中同じのを着けっぱなしという怖ろしい事態となっている。

人口呼吸器は必ず人命を救う、しかしクオモ知事はNY州はあと6日で在庫が尽きると宣言し、トランプに向けて援助を要請した。それに対してトランプは、民主党知事達は満足することを知らない文句垂ればかり、とツィートで逆切れ。

連日の新コロナ感染報告で、戦時生産法を使って連邦政府が民間にドンドン製作させるから大丈夫というハッタリをこいていたのが、これでバレてしまった。

まず4000台政府が送った在庫の人口呼吸器のうち半数近くが壊れていた、とクオモ知事は報告。トランプは各州で直接買い付けた方が安いし効果的、といかにももっともらしい助言をTVで披露。その為に人口呼吸器は各州による競買となり、当然値段も吊り上がり返って手に入りにくくなった。50州が競争買いだから当たり前だ。しかも驚いた事には競買には連邦政府の災害準備組織FEMAも加わり、ホットスポット州にはさらに手に入りにくくなった。しかもトランプが、このFEMAから共和党州に陰で人口呼吸器を送っていたのもバレてしまった。

 

木曜日の報告では、ホワイトハウスの対策責任者にトランプから任命されている大統領の娘婿クシュナーが、壇上に初登場。そもそもトランプの対策本部は、トランプ・クシュナー・ペンスと3つに分かれていて、どれが何をしているのかはっきりしないという批反が大きい。そこで、政府は危機状態を迎えているNYなどの州に政府が買い込んだ医療用品を調達する気はないのか、という記者の質問が出、それに対して、州の買ったものは州のもの、連邦政府の買ったものは連邦政府のもの、といともノンシャランに答えたところから、フエィクニュースは大反撥ではたまた大騒ぎ。

連邦政府のものは米市民=州住民のものではないのか?

この娘婿クシュナーの質問に関して金曜日に記者が大統領に再び食い下がると、トランプは怒りを爆発させ、怒鳴りちらして、記者の質問をさえぎった。

 

悪いのは準備を怠った州だ!

 

今日、4月4日土曜日、中国の大実業家マ―氏がNY州に1000台の人口呼吸器を緊急に寄進することを伝えた。またクオモ知事の各州への呼びかけに答えて、オレゴン州は140台送るそうです。

 

下は、NYの救急病院の医師の動画です。冒頭から悲しいニュース。一緒に暮らしている妻と幼い娘と一時別居することに。このまま一緒に住むのは危険過ぎるからだそうです。この救急医はN95とサージカルマスクを二重にかさねています。それにアイ・プロテクター。これから10時間以上救急病棟で働きずめ。救急棟内部は廊下にまで感染患者で一杯。いよいよ呼吸が止まりそうになったら人口呼吸器接続の前段階として気管チューブを挿入することになるが、その時には大型のアイ・プロテクターを使用するそうですがそれを洗浄してまた使う。これも使い捨てのコロナ前にはあり得ないことでした。気管チューブは呼吸停止になった時、口から喉を通して気管に挿入するのですが、まず鎮静剤で患者を眠らせてから。途中で暴れられたら大変な事になります。


New York City doctor: ‘The things that I see in the ER are scary’

https://www.youtube.com/watch?v=OGnxNsKtkjI

 

この動画コメントですが、見ていて涙が出てきてたまらない、というのがかなりありました。

この医師は最後に、本当にこの先が不安だ、と率直に打ち明けている。が、外部から応援医師が駆けつけてくれているので、心強い、これから限られたリソースを使いできるだけの事はするつもり、と話していました。