昨日4月21日の午後、抗マラリア薬ハイドロキシクロロキンについての研究結果が発表された。ハイドロキシクロロキンについては、トランプがえらく気に入って、取ってみても損はないから、とTVで大宣伝。この影響で、新型コロナウィルスに感染した一組の夫婦はこの名のついた薬?を飲んで夫の方が死亡した。
この薬があればコロナ感染は乗り切れると信じこんだトランプは、婿のクシュナーを窓口に据え、共和党コネクションで大量の薬を製薬会社から寄付させて流している。感染ホットスポットになったテキサス州、つまりレッドの州、の老人ホームの感染者に合意も得ず飲ませ、人体実験をしたというのでフェイクニュースでさんざん批判の対象となった。
ノースダコタの共和党女性州知事は、クシュナー氏から大量のこの薬を受け取ることになっているから、というので、感染防止の規制を拒否。しかし皮肉にも、州内にある大手メーカーの肉加工工場がホットスポットとなり、死者が出た上、約600人が陽性、数人が地元病院のICUに収容中となった。この工場のある市の市長が州知事に住民禁足命令を出して欲しい、と要請しても頑強に拒否。ノースダコタはモンタナ、アイオワ等の北の白人州の一つだ。
軍隊経験者を米ではベテランと呼んでいるが、抗マラリア薬のリサーチはこのベテラン病院で実施された。対象は368人ですべて男性。97人にハイドロキシクロロキン薬が、113人にハイドロキシクロロキンと抗生物質azithromycin=Z-pack(商品名)が、158人にはどちらも与えられなかった。結果は抗マラリア薬のみの死者27%、抗生物質とのコンボで死者22%、どちらも取らなかった患者の死者は11.4%。結論として、ハイドロキシクロロキンは死者を増加させているのではないか、という疑惑が出てきた。
上のリサーチは厳格な臨床実験ではないので、これから先もハイドロキシクロロキンの使用の有効性を証明する結果が出るまで使用は控えた方が賢明、というのがCDCや医療側の見解だそうだ。ただし、ベテラン病院自体に治療クォリティの問題があるので、次のリサーチ結果を待つことにしたい。