先週10/1の土曜日、ミシガン州ラリーでのトランプラリーのスピーチをほぼライブで聴いた。
11月8日の米中間選挙が一か月後に迫っているのでトランプも必死。トランプは24年の大統領再選を目指して激戦州やリズ・チェイニーの地盤だったワイオミング州に彼指定の候補を立てた。その目的の為に共和党現職議員や有力候補は反トランプと呼ばれ皆潰された。これも米選挙史上初です。
だからこの中間選挙は自然とトランプ国民投票という格好になってしまった。トランプは選挙までの一か月、毎週ラリーを続けるつもりらしい。2020の大統領選の繰り返しだが、前回全く同じ事をして大勝したという本人の認識ですから、もう止めようがない。次回は今週土曜日であの激戦州アリゾナ。スピーチの内容はワンパターンで面白くも無く苦痛ですが、また聴くつもりでいます。
このトランプラリーのチケットは無料。しかしサイトに登録しなければならない。
しかしその後はトランプの" Save America " PACという政治献金団体から寄付金要請に付きまとわれることになる。ちょっと内容を見てやろうと軽い気持ちでポチするともうとんでもないことになるのでパニック系の人には絶対おススメできません。
今年に入ってからトランプラリーのスピーチを私はほぼ全回聴いたことになります。
こんなデマを滔々と話すトランプも凄いが、聞いて信じる方も凄いというのが私の正直な印象です。
しかしスピーチの大部分は原稿の棒読みらしく退屈この上ない。それに読み間違いや話が突然飛んで意味の通じない箇所がメチャ多いのも特徴です。この聴衆の目当てはトランプのヘイトです。
今回のミシガンでのヘイトの中心は定番の"痴呆症"バイデンに"RINO"(共和党の名前オンリー)のマコネル、天敵、レティシア・ジェームズ。特に後者を"レイシスト"と連発してました。しかし、具体的にどの点がレイシストなのかは言わずじまい。ただひたすら自分は被害者であることを集まったカルトに訴えてお涙頂戴。
しかし今回はQアノン信徒達の"ワンフィンガーサリュート"はなし。前回はこれがナチの"ジークハイル"と同じだとフェイクニュースで散々叩かれた。しかし今回は警備員が駆け付けその場でやめさせた。
ところで、ラリー前日の金曜日にトランプは彼のSNS、TruthSocial でマコネルを貶すコメントをカキこ。これが下のヤフーの記事ですが、もっと大きな反響は最後の箇所、ヘイトのこもった捨て台詞の部分から。
Must immediately seek help and advise from his China loving wife, Coco Chow!
https://news.yahoo.co.jp/articles/667a1b0ef4decf71cb7880fe34f0204f3a5b5f24
たしかにマコネル上院共和党リーダーとの小競り合いは避けられない状況にある。マコネルは2か月前に中間選挙で上院共和党は負ける、と大胆な予告。それをトランプの立てた泡沫候補のせいにした。その時トランプは、マコネルは"RINO"(名前だけの共和党)、妻のイレーン・チャオは"クレージー" とボロクソに反撃したことは記憶に新しい。
事実は、トランプは2015年まで共和党ではなくルーツはむしろNYの民主党。マコネルは1980年代からレーガン共和党なので、これもトランプのデマ。マコネルの妻イレーン・チャオは台湾からの移民ですが、家族のルーツは中国本土。しかし彼女はブッシュ(パパ)時代は労働長官を務め、トランプは彼女を運輸長官にまでした。チャオは1/6議事堂襲撃事件の翌日に長官を辞任した。"China Loving Wife"というのは、人種差別をむき出しにした常套句。そして、この Coco Chow!(ココ・チョウ)?
これはフツーの米人にも意味不明。だが、多くの人がSNSで謎解きに挑戦。COCOは、ココ・シャネルではなく、どうやらCOOCOO の呼び替えらしいということに。米口語のクークーはクレージーと同意語で私達も日常使っています(ごめんなさいです🙇)。
CHOW(=チョウ)は米口語で飯(を喰う)。この言葉は中国語オリジンで初期の中国移民から。これも口語ですっかりお馴染み。
それともう一つ、"チャイナ"も使い方によって強い差別を示唆する英語です。トランプはチャイナ・ウィルスをメディアで連発してアジア系差別を扇動した。
トランプ・ワールドでは日本人は東洋人として差別と侮蔑の対象となり、差別暴力による被害者が出た。日本のトランプカルトはそういった現実にはそっぽを向いたまま。
日本のトランプカルトは無視なのか無知なのか、知りたいところです。怪しげな日本語と英語で動画を流している中国帰化人トランプカルトも結構人気がある。