このトランプ・ニュースがこの週末を賑わしていた。
この会食は先週22日の夜。マーラーゴの超高級レストランにて。テーブルについていたのは、トランプ氏に、あの超有名ラッパー、カニエ・ウェスト(Kanye West)。現在改名して"イェ"と名乗っている。それに、ニック・フェンテス(24)とある共和党の選挙コンサルタントも同席。
このニック・フェンテスは、苗字はヒスパニックだが、ユダヤ人は出ていけ、黒人地区に軍隊を派遣しろ、とSNSで人種差別発言を繰り返す白人至上主義者インフルエンサーです。24歳という年齢が示すように、トランプ支持の青少年組織"America First "の代表として2020の大統領選でトランプ支援、さらに1/6の襲撃事件の暴徒デモにも自ら参加したことが知られているし、彼の組織からの参加者が複数逮捕されている。いわば危険人物。
一見してこの会食はこの先の選挙運動の打ち合わせを兼ねた顔見世のようだ。
カニエ・ウェストは2020年の大統領選に個人として出馬し、約7万以上の票を集めた。それ以前からカニエはトランプの友人で、トランプの熱烈な支持者。彼の出馬は黒人票をバイデンから奪うという理由でむしろトランプからは歓迎された。
だが、トランプ色に染まったカニエは最近、ユダヤ人は出ていけ、ユダヤ人が音楽業界を牛耳ってミュージシャンを搾取、などの発言を続け、有力スポンサーを失った。
しかしカニエは精神疾患の重症の一つ、バイポーラー(躁鬱病)であると診断がすでに公表されている。しかも治療薬が彼の人間性を変えてしまうことを怖れて、薬を拒否しているそうだ。
一方のトランプは、これが米の大統領候補のすることかと、民主・共和の双方から非難を受けた。下の動画でも、こういう呆れた無謀な行動が共和党内でデサンティス支持に拍車をかけている、とアノニマスの共和党有力者の発言が紹介されている。
トランプは彼のSNS=Trues Socialで、カニエがフェンテスを勝手に連れてきた、それまでこの男に会ったこともない、と言い訳。ただ一緒に食べ、その後彼らはここから空港に向かったはず。
下がMSNBCニュース動画ですが、この出来事、大きなおまけつきです。カニエはその時トランプに、2024に大統領に立候補するから副大統領の指名を受けてくれと申し入れた。だがトランプは激怒。怒りの矛先はカニエの前妻キム・カダシアンへ。汚い言葉で彼女を罵った。カニエは、キムは僕の子供達の母だ、侮辱は許さない、とトランプに言い返した、とTMZ(=ゴシップチャンネル)のインタビューで述べている。
しかも、動画の最初の部分のインタビュー・シーンでは、トランプはニック・フェンテスを高く評価していた、理由はフェンテスはこれまでトランプへの忠誠心を変えたことがないからだ、他の多くはそうじゃない、とカニエは主張。トランプの評価は自分にどこまで忠誠心を表すかで決まるのです。
Trump Hosts Ye, White Supremacist Nick Fuentes - YouTube
ところで日本でもカニエは大人気。彼の大ヒットは下でしょう。"ゴールドディガー"
男を金鉱にみたててひたすら金を捜し掘りあてる女のことです。
下が有名なリフレイン
拙訳:あの女はゴールドディガー(金目当ての女)とは言ってねーぜ、
けど金有りニガーはひっかけない
あんた(金)とれよ、もっと頑張ってとんなよ、
Get down・・・の箇所はセックス行為をほのめかしているというのが私の印象ですが、多くがこれに同意だそうです。
"18年、ガキ1人で18年"(の刑)で18年終えたら、養育費払い終えたら、ガキは他人の子だった、という箇所では笑ってしまいます。
黒人口語は日本語のタメ語みたいな扱いですが、表現とリズムがおもしろい。だが多くの黒人は口語しか話さないので就職に問題が出ているという指摘が過去にあった。しかし現在は聞かなくなりました。
でもこの歌全体は、こーゆー女でも愛しいる、俺は全然気になってないぜ、ということで意外と純粋なのです。この曲の歌詞は、かのレイ・チャールズの名曲の歌詞で動画でもコメディアンのジャミー・フォックスがBGMとして繰り返している、俺の女はゴールドディガー、困っていれば金を渡してくれる、のパロディー。カニエのは、俺の女は困っている時に金をとり上げる。
ラップの傑作と評判です。