ネットでは詩織さん側からの資料提供は少ない。詩織さん側は事件の詳細を知ってほしくないかのようです。
私は山口氏と詩織さんの交換メールの内容を読んで、まるで就職斡旋を餌にした "すけこまし" の典型のようだ、と前回のブログに書きました。
現在第3者によって公開されている地裁での尋問で山口氏は、当時のTBSワシントン支局では、プロデューサーを募集してはいなかった、空きもなかった、と答えている。
尋問では、雇用期限がちょうど切れそうなあるカメラマンの存在に言及し、このポジションを詩織さんにオファーする可能性をほのめかしているが、事実は何もしていなかった。しかも詩織さんがジョブオファーを受けたと言っていた事件日(金曜日)には山口氏は処分を前提とする調査下に置かれ(有給)休職(=出勤停止)を命じられていた。これは被疑者が職場で証拠隠滅を防ぐのが目的だが、山口氏はこの意味がわかっていなかったようだ。
休職終了後、山口氏は再び東京に呼ばれてワシントン支局長を解任され、日本のTBS本社の営業部に移動させられた。解任時には Facebookで、ジャーナリストとしての生命は終わった、とまで嘆いているところから、これは解雇同等の処分だった。
山口氏は阿部側近として早くから知られていたが、姉が安倍夫人と同窓生でもあり、極めて近い関係にあったのでTBSも解雇処分は避けたのだろう。つまり"武士の情け"というやつだ。
この処分の原因だが、例の韓国軍のベトナム慰安所発見という極めて怪しい特ダネを他社から発表した他に、これをネタにオバマのホワイトハウスを巻き込んで何かネトウヨ的な事をやらかそうとしたのだが英語が通じなかった、という報道もあるのだが、明らかでない。
下は詩織さんと山口氏の就活メールです。赤色は本には含まれていない箇所です。
>以前山口さんが、ワシントン支局であればいつでもインターンにおいでよといってくださったのですが、まだ有効ですか?笑
現在絶賛就活中なのですが、もしも現在空いているポジションなどがあったら教えていただきたいです。宜しくお願いします!
東京にお戻りの際はぜひお会い出来たらうれしいです。
伊藤詩織
ここで詩織さんは、はっきり空いているポジションを教えてほしい、と尋ねている。当然答えはノーのはずだ。下が山口氏の返信だ。
>伊藤さん、
インターンなら即採用だよ。プロデューサー(有給)でも、詩織ちゃんが本気なら真剣に検討します。ぜひ連絡ください!
前回でも述べたように、詩織さんはNYの日テレ支局でインターンをした。これは山口氏のコネで得た。この時、詩織さんはTBSのNY支店の支店長に紹介されたにもかかわらず、インターンを断られている。それで他社の日テレ支店長に口添えして貰った。だから、ワシントン支局でもインターンは取っていなかったと見た方がよい。
詩織さんの通っていた大学ではインターンは1科目に換算される。ただし一回のみだ。詩織さんはすでにそれを取り終えたが、学期の終わりに大学も退学。だからこのメールでの詩織さんのインターンはジョークだという事がわかる。だが、英訳本では、
Interns are soon hired as local emplpyees
インターンは即現地採用につながる、というあいまいな表現に変わっている。詩織さんがそう解釈していたのか、それとも意図的にこう訳されたのかちょっとわからない。英語圏の読者には就職につながるインターンと思われている。
山口氏は、裁判の尋問で、彼には支局長としてインターン採用の権限がある、インターンは学生ビザでOK、と主張している。しかし、それは真実だろうか?
単なる無給労働は奴隷労働を構成し、日本でも米でも違法なのだ。山口氏も尋問で、詩織さんのように英語がうまい人は現地で非常に戦力となる、と述べている。学生インターンは授業代替えだから無給なのだが、将来の採用につながる訓練生インターンには手当が支給されるのが一般的だ。詩織さんは、当然訓練生インターンと解釈した。しかし、何でも給料を出せば米では就労VISAが入国に必要となり、とにかく採用先が決定しないことには🐓が先か🥚が先かの堂々巡りで話は一向に先に進まない。
>山口さん、
早速のご返信ありがとうございます!本気です!プロデューサーのポジションに応募させていただきたいです。是非ともご検討して頂けませんでしょうか?
宜しくお願いします!
>詩織ちゃん、
本気みたいだね。そしたらこっちも本気で検討します。
日本語で履歴書を作ってPDFかFaxで送って下さい。あと、ビザは持ってる?
新規プロデューサーという事になると、採用やら待遇やら、TBSインターナショナル本社の決済(ママ)をとらないとなりません。これにはかなりの時間がかかります。
あるいは、まずはこっちに来てフリーランスとして契約して、しばらく仕事をしてもらいながら正式な採用に向かうという手もあります。このやり方なら私が決済できます。
どういうやり方がいいか、ちょっと考えてみます。
山口氏のメールが就職を餌にしたたぶらかしでなかったら一体何なんだ?
これには理由があるようだ。というのは、山口氏は前年NYで詩織さんとパパ活をしようとして、ドタキャンされているからです。その時は日本の国連大使やコシノジュンコなどのお供で夜のNYに繰り出した、と自慢している。それで詩織さんは今回もパーティーの一行となる、と想像していたふしがある。だから事件当夜、山口氏と一対一で飲むという意外さに驚いた、と書いていた。
しかし、詩織さんも驚くべき大胆な行動に出ていた。それは山口氏に送った日本語の履歴書だ。詩織さんは、NYの某大学を5月に卒業予定、と書いていた、と山口氏。
本では確かに、あと一年で卒業だと期待に膨れていた、という箇所があった。しかし前年の12月末に学資金不足で退学した、とも書かれている。
米大学の退学・復学のリピートは珍しくも何ともない。普通です。他大学での取得科目も交換可能なのが多い。それに卒業は5月と12月の年2回だから、卒業予定と書くなら確実でないといけない。採用先もあてにしている。
TBSもそうでしょうが、詩織さんの職種は大学卒が同程度を条件としているので、ウソがばれると解職。それより採用されない。就職先から卒業証明、それに大学関係の推薦人の連絡先や推薦書を求められるのが一般的なプロセスです。しかし履歴詐称も結構多い。拙職場でも該当者は処分を避けて辞職した。去る時は涙のグッバイでしたが、すぐに次の職を得て問題ない。
山口氏は履歴書をすでに見て来日していたはず。採用する側として詩織さんと会ってまず話さなければならないのは、VISA話で堂々巡りすることではなく、卒業予定の確認だ。
この事件、詳細を追及すればするほど、ミステリーの度合いが増すのです。