chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

黒人リンチの復活!?その2

2月23日、新築中の空き家に忍び込み窃盗を働いたというので、ジョギング中のアマード・アベリー氏は白人親子が乗り込んだピックアップ・トラックに道を塞がれた。息子の方にショットガンを突き付けられ、彼のショットガンを逆に掴んで格闘状態になり、息子に腹を二度撃たれ射殺された。この事件は一部始終がセルフォンに録画されていた。犯人のマクマイケル親子は”市民による容疑者拘束”という合法行為中に起きた正当防衛であるという理由で警察の逮捕を逃れた。そのまま放免され、事件はこれで終わったように見えた。しかし二カ月後にその録画がその地域の有名人のフェイスブックに掲載、これを視た人は皆、これは一昔前の南部の黒人リンチだ、と思った。

 

この動画がフェイスブックに乗ったのは5月5日、2日後の5月7日には白人親子の逮捕となった。容疑は一級殺人である。

 

それ以後、関連するさまざまな動画が浮上し、毎日のようにTVで報道されてきた。しかし、先週の金曜日5月22日に、セルフォン録画をした男が州特別検事により逮捕された。容疑は違法拘束と殺人である。

 

この容疑者#3は先に逮捕されたマクマイケル親子と同じ住宅区に住み、マクマイケル親子とは明らかに友人同士であった。また殺人現場にかけつけた警察官の事件報告書にはマクマイケル親子と一緒に被害者をトラックで追いかけストップさせようとしたことが書かれていた。

 

報告書PDFはブログの最期に掲載しました。

 

しかし、この容疑者#3ブライアン氏は、カーマイケル親子の逮捕後、TVで弁護士と共に数回記者会見をし、私は単なる通りがかりの第3者、この動画がなければ犯人逮捕は出来なかった、と弁明を重ねていた。逮捕直前には、ウソ発見器をパスした、だから私は無罪、私の一家に対する脅迫をやめて欲しい、と彼の弁護士がTVで全米に嘆願している。

 

まず、ここまでですでに解明したのは、この動画の謎である。この動画をフェイスブックに流すために動画を手渡したのは、マクマイケル親の知人の弁護士だった。

マクマイケル親のグレゴリーは動画の中ではショットガンを手にトラックの荷台上で息子が被害者を殺すのを見ていた。

この事件後あれは親子が殺したという噂が出て、それを正当防衛の証拠として流し、噂を消す目的だったというのが理由だそうだ。この人はあくまで知人で彼らの弁護士はアトランタからの有名な刑事弁護士が担当している。

 

これ、一体どーゆ―事か!全く理解に苦しむ、とこれにはアメリカ市民は驚愕。

 

問題の動画は約37秒である。このわずか37秒間に、マクマイケル親子はトラックが犠牲者アマード・アーベリーを待ち伏せ、マクマイケル息子との格闘、射殺が起こったことになっている。ところが、本物は4分以上だそうだ。アーベリ―氏が新築中の空き家から出てくるシーン、続いてそれを追うマクマイケル親子のトラックによる追跡シーンで構成されている。なお、アーベリ―氏の空き家の出入りのシーンは逮捕直後に公開されている。

これは被害者が窃盗をしたかどうかは別としてもとにかく不法侵入である証拠として流されたようだ。

しかし、ショットガンとマグナム拳銃で武装してトラックで追跡、素手のアーベリ―氏に対する正当防衛は法的に成立しない、というのが弁護士多数の意見でもあることから、ここの警察・検事がおかしい、という事になり、徹底調査が強く要求されている。

 

なお、警察側の報告書では、マクマイケル息子が、話がある、と言った直後にショットガンのつかみ合いが起こっているところから、市民による合法拘束をアーベリ―氏に宣言するすることはあの状況下では不可能だった。

 

この事故報告を出した地元警察側は、今になって、逮捕しようとしたが、州検事からするなという指令を受けた、と声明を出している。それに対して州検事は、嘘だ、警察側を起訴する、と息巻いている。この人がマクマイケル親を資格剥奪にもかかわらず長年に渡り雇用し、最後は彼を年金付でリタイヤさせてやった親切な女性検事。

 

彼女はラジオで、マクマイケル親のボスであった関係で事件担当を辞し、何の指図も与えていない、とジョージア訛りの英語できつく反論していた。

 

ところで#3の逮捕前には、もっと問題になるセルフォンのメッセージが浮上した。それは警察官から空き家のオーナーに送られたものだ。この新築中の空き家のオーナーは去年の暮れに空き家の中に入っている白人カップルの動画を警察に送ったのだが、引退した州検事の捜査官だったマクマイケル氏がすぐ近くに住んでいるので、彼に連絡するように、という警察官のメッセージが入っていた。このメッセージを読んだ多くの人は、この事件は警察に責任がある、と考えている。

この空き家のオーナーであるが、何かうさんくさい。

 

州検事はこれ以上の逮捕者はもう出ない、と宣言したが、まだ点と線はすべてつながっていない。いずれ裁判で明らかになるだろうが。ここでも有罪or無罪を決めるのは市民で構成される裁判員である。この裁判がTVで公開されるのはほぼ確実だ。

 

なお、血まみれで路上に横たわる事件直後のアーベリ―氏の写真がSNSでマクマイケル親子の娘によって流されたことが発覚。これも人々の憤慨を買った。

 

https://assets.documentcloud.org/documents/6884018/Glynn-County-Arbery-Report.pdf

 

ヒドロキシクロロキンをとうとう飲み始めたトランプ!?

ヤフーブログ閉鎖でブロガー難民となってしまいAmebaに移転させて貰ったのだが、そこには英語がペラペラになりたい、という人達がたくさんいる。しかしそういう方達には、バッドニュースだ。

 

たとえばこのヒドロキシクロロキン、これはほぼ一般化してしまったカタカナ表記なので私もこれを使ったのだが、英語の冒頭部分はヒドロではなくハイドロ(hydroxychloroquine)。カタカナ表記は発音そのものではないが、原語により近いと見なされている。医学も英語が共通語となっている今日、日本ではなぜことさら何語なのか分からないように表記してしまうのだろうか?せめて専門用語のカタカナ表記を英語に統一すれば英語習得の大きな助けになるはず。外国語習得はそれだけでもハード(hard=努力を要する)だ。だから余分なハードルは避けさせてあげたい、と私は思う。

 

このハイドロクロロキンは元は抗マラリア薬キニーネの一つだが、ジンク(亜鉛=必須微量ミネラル系栄養素)を癌細胞内に導くトランスポーターである事が発見された。ジンクは癌細胞の複製を阻止することが実験で確証され、それが新コロナウィルスのRNA複製阻止にも効果があるのではないか、ということになった。しかし実際の治療効果を証明する臨床プラシーボ実験はなされていない、というのが医学上の見解である。主として中国、韓国で実験的に投与し感染患者が回復した、という報告が頻繁に報道された。

その上、フランスの研究者がこのハイドロクロロキンと抗生物質Z-pacの二つを陽性患者に投与し、二つ摂取のグループがはるかに早く他グループより陰性に転じたと発表。もっともこの実験は参加者数が非常に少なく、二つ摂取組の一人が病状悪化で急死してしまったこともあり、結果はあてにできない、と見られている。

 

しかしこの実験の話に頭が取り憑かれてしまった人がいる。トランプだ。

 

4月始めのイースターにビジネス再開を図り失敗、その後この抗マラリア薬をホワイトハウスからTVで、安いし、別に損するわけじゃなし、と大々的に宣伝。

トランプ直属の新コロナ対策本部長である娘婿のクシュナーに2700万粒ほど製薬会社から寄贈させた。これを早期ビジネスオープンを目指す共和党知事に流す計画だったようだ。クシュナー氏の本部長参入に、行き当たりバッタリのトランプの失言暴言。どれが本当の対策本部か?とこれには皆が大混乱、これがトランプの新コロナ対策の真相である。

 

つい先日、フランスの著名な医学専門誌Lancetにまで、米の感染をコントロールするには国民一丸となって有効な対策を実行させる新しい大統領が必要、とまで書かれてしまった。本当に情けない事態である。

 

しかし、ベテラン(軍経験者専用)病院での投与結果として心臓疾患による死者の増加があげられ、この薬は入院患者のみ投与というガイダンスが政府に付けられた。トランプはこれを”Trump Enemy Statement”と呼び、自分を貶める為のウソだと公言。

 

しかし、2週間前にトランプ側近に陽性者が2人出現、恐れをなしたトランプは彼自身が宣伝したハイドロキシクロロキンを取ることにした。下は昨日5月19日の朝、抗マラリア薬を取っていることを自ら告白したトランプの動画。

https://www.youtube.com/watch?v=AWqRhLUItw0


Trump Says He's Taking Unproven Drug Hydroxychloroquine | Morning Joe | MSNBC

要人や医療従事者、働いて入る人等々多くの人々がこの薬を取っている。私もその内に一人にしか過ぎない。

私が服用している理由はいい結果をたくさん聞かされたからだ。別に害があるわけじゃなし。だが、副大統領のペンス氏は服用していない。政府は服用しないように警告を出している。

 

ところがである、次のシーンはトランプの翼賛TV局であるはずのフォックスの経済問題キャスターのカブト氏。カブト氏は頭脳明晰なキャスターとして有名。

 

トランプ氏はウィルスにやられる年齢層(トランプ氏は74歳)の一人だ。(こんな効きもしない薬を取って安心していたら)あんたはウィルスに殺されるぞ!と大声で叫んでしまい、トランプ氏をカンカンに怒らせた。

 

その次は下院議長のペロシ女史。

科学者達が取るなといっている薬は取らない方が賢明です。特にトランプ氏のように年を取り病的肥満状態にある方はそうするべきです、と痛い所をチクり。

 

ハイドロキシクロロキンはマラリア予防薬である。投薬量が同程度なら別に問題もないと専門家も言っている。そんなにむきになって非難することもないだろう、と私は思う。トランプ自身も、感染しなければそれでいい、感染したら死ぬだけだ、と言っている。理由はどうあれペンス氏の出番を待っている人もいるのだ。

 

なおトランプはZ-pac(抗生物質)とジンク(亜鉛錠)を一緒に取っているそうだ。

 

日本のケースは感染症状者が急増していないし、死者数も比較的に少なく、本当にいい事だと思っています。米では今日で9万以上の死者が出ている。恐らく8月までに15万人近くになるという怖ろしい予告もあります。私自身がこの危機を通り抜けられるのかどうか、先は分かりません。

オバマゲートの根源!?

 

Mopyesrさんののブログで下の動画の感想を知りたいと言われたので、一回視聴しました。

https://www.youtube.com/watch?v=LTV1Y_QuZOM

 

この動画は今年の3月、Hillsdale Collegeでの講演です。スピーカーはSydney Powellの という女性弁護士ですが、フォックスニュースで活躍しているトランプ側近です。このポウェル弁護士は2018年早々にマイケル・フリン元国家安全保障担当補佐官の弁護を引き継いでいる。下は私の返コメです。

 
御紹介の動画拝見しました。裁判に負けた弁護士が検察側のやり過ぎを非難するというのは珍しくも何ともないが、パウエル弁護士のは被害妄想の領域に達している。トランプ並です。トランプ語を使い、ところどころに下品な表現を使っているのもトランプと同じ。しかし法的イシューについては一切触れていない。フリン氏のケースには法的イシューがある。彼はFBIによって起訴されたのではいない。モラー特別検察官によってです。しかもフリン氏はモラー検察官に協力したのでモラー氏が実刑を課さないよう判事に要請している。ところがフリン氏は法廷で偽証を認めたにもかかわらず、判事の設定した刑の言い渡し日を待たずにそれまでの弁護士をこのパウエル弁護士に替え、FBI側による偽証強要を理由に判事に無罪を要求という法的暴挙に出た。
 
この判事の、過去に検察側の証拠隠しを認め有罪を無罪にした経歴を見越しての事のようだ。この有名な逆転判決についてもこの講演で繰り返し触れていました、検察横暴の典型として。
フォックスニュースでパウエル弁護士はこれでフリン無罪間違いなしと予想をしていたようです。しかし逆に判事を怒らせた。その理由は一方で罪を認めモラー検察官に実刑なしの要請をさせながら、他方で自分は無罪と主張するのは二股で、政府の高官として相応しくないやり方と批判された。その上、政府高官がFBIにウソをつくのは国家反逆罪だとも言われ、見せしめとして実刑を課される予想が強くなった。
それでバー司法長官が自ら指名したある検事に捜査をさせ、今回のフリン氏起訴全面取り下げに至ったと見なされている。これが表面に現れているストーリーですが、どうしてこういう事になったのか、真相はこれからいろいろ出て来るでしょう。
 
モラー特別検察官の捜査を捜査対象である大統領が破壊するのは司法の独立を確立する米憲法違反です。ところでこの判事はバーの起訴取り下げについて同僚の判事達に反対意見を出させ、それを参考にして決定することになり、かなり時間がかかりそうです。この講演は起訴取り下げ事件の前だろうが、パウエル弁護士の失敗を検察のせいにしているわけです。

 

 

5月7日、バー司法長官がフリン起訴を取り下げると発表した。これはトランプの長年の祈願でもある。

 

しかしその直後に司法干渉をしたとトランプを批判するオバマ氏の電話会議の部分が漏れ、トランプは”オバマ・ゲート”を立ち上げた。いわば”オバマ・ゲート”はトランプの頭の中で生まれたのだが、また例のごとく、トランプ・カルトの人々により拡散されている。

 
そもそもトランプが異様に執着しているフリン事件とは何なのか?実はこれがモラー捜査のきっかけともなっていた。
最初からフリン氏はトランプの大統領選でひと際目立っていたのだが、表面的には大統領就任式直前の2017年1月16日、ワシントンポストの著名な論説者による記事が書かれたことで始まった。
 
前年の12月29日に末期のオバマ政権は大統領選介入に対する報復措置としてロシアに新な経済制裁を課したのだが、同日、ロシア大使とフリン氏が電話で会談しこの制裁のロシア側の対処について話し合った。これが”ローガン法‟に違反している、と主張。しかも、この電話会談は双方極秘だったのだが、米側にはロシア大使の報告書が掌握されていた。
この記事で言及された”ローガン法”についてはモラー長官が2018年に判事に提出したフリン氏の減刑要請書には全く出てこない。しかしこの記事でフェイク・ニュースが大騒ぎ。当初フリン氏はペンスに電話会談そのものがあった事を否定した、としてトランプ側も否定にまわったのだが、次の日には会談はあったが、制裁の件は話し合っていない、と内容が変わった。しかし、この最初は否定、次に半分肯定、というフリン氏の態度の奇妙な豹変がFBIの捜査対象となった。
 
FBIの職務に仮想敵国のスパイ及び国内協力者の捜査というのがあり、弱みを握られたフリン氏はロシア側の道具として使われる恐れがある、という想定の下、フリン氏から事情聴衆をした。この場合、FBIにウソをつくと犯罪者として0-6カ月の実刑となる。フリン氏はここでロシア制裁について話さなかったしロシア側との合意はなかったと述べた。
 
このFBIの事情徴集にトランプは憤慨、コミ―長官に捜査を止めるよう、精いっぱい丁寧に要請したが、コミ―は無視。逆にトランプに疑惑の目を向けていった、と言われている。腹に据えかねたトランプは日中に突如コミー長官をその場で解任し復讐を果たした。
しかし、どのようにうまく説得されたのか、トランプはモラー特別検察官がロシア疑惑の捜査に任命されることに合意した。それ以後、トランプはコミ―長官やマカーブ副長官をオバマの手下と見なし、モラー捜査自体もオバマの陰謀と公言してやまない。
 
ところが当のフリン氏はモラー捜査官にただちに協力し、FBIへのウソを全部認め、それが関連偽証者の起訴にもつながった。フリン氏はこのロシア大使との会談について、上から命令された、と述べていることから上の人物が誰であるか知りたいものだ。
 
モラー捜査は本当に終わったのか?それは今年の大統領選の結果にかかっている。クリントン大統領と違いトランプは頑強に証言を拒否しているし報告書は未だに多くの黒塗りの部分が残されたままだ。
 
関連するmopyesrさんのブログ記事は
 
 

 

全米が慄然:黒人リンチが南部で復活!?

今アメリカではトランプの日々のトンでも発言と同じくらい注目されているニュースがある。それはアーマド・アーベリという25歳の黒人青年の射殺事件である。この事件の特異性はその殺害の始終が隣近所の第三者と名乗る人のセルホンで撮られていたことだ。

 

この人は本当に事件には関係ない人なのか?この人の目的は最初から犯人を無罪に仕立てる事だったように見えるのだ。

 

その筋書き通りに犯人は本当に不起訴になった。こういうのを米口語で”railroading”と呼んでいる。つまり、最初から鉄道線にそってまっしぐら、という意味だ。これは私の印象であり、他の多くにもシェアされている意見である。また、ほとんどの米市民は、この事件はいわば南部の悪夢、”黒人リンチ”の復活だ、と見なしている。その根底にはレイシスト・トランプの影響がある、というのだ。

 

下のニュースには、証拠として警察に提供された動画が含まれている。冒頭には、白シャツ姿の黒人ジョッガ―、それを待ち構える白のピックアップトラック、白人犯人と犠牲者の激しい格闘、トラックの台上でショットガンを構える犯人の父。やがて三発の銃声で被害者が地上に倒れるまでの様子が逐一撮られている。それがなぜ、検察側の起訴不要判断の証拠となってしまったのか?これを視た一般市民の反応は全く正反対。この動画こそ殺人の証拠、と皆が主張している。

https://www.youtube.com/watch?v=eg5XahmMuuY&bpctr=1589355433


Father And Son Charged With Murder In Death Of Ahmaud Arbery | The 11th Hour | MSNBC

 And Son Charged With Murder In Death Of Ahmaud Arbery | The 11th Hour | MSNBC

 

この射殺事件が起こったのは今年の2月23日の午後。この日、アーベリー氏はいつものようにジョギングに出かけた。場所はジョージア州のブランズウィック、ジョージア海岸に近く動画の中の家々からすると白人?ミドルクラスの住宅区のようだ。ニュース報道によれば、被害者は途中で工事中の空き屋をちょこっと覗いた。その間約3分間。これは空き屋のオーナーが監視カメラを設置していたことから後で明らかになった。

 

そのアーベリ―氏が空き家に寄った一分後に、地元警察に電話で、この空き家に何者かが侵入、窃盗が起こった、という報告が入った。警察側はすぐ現場に直行と返答した。だからアーベリ―氏はこの時点ですでに監視されていた。というのはアーベリ―氏がこの空き家に入り、出て来る動画も後に公開されている。

 

監視モニターで明らかになったのは、アーベリ―氏は中を見回しただけで何も手に触れていない。このモニターの内容は殺人者側は知らなかった。

 

再びジョギングを始めたアーベリ―氏を待ち構えていたのは、ショットガンで武装した二人の白人組、マクマイケル親子、だった。父64歳は去年ここブランズウィック地区検事の捜査官をリタイアしていた。息子30歳代は民間人。

 

その場でこの親子は”Citizen's Arrest”(市民による容疑者拘束)を執行した、と後に公開された担当検事の報告にある。Citizen's Arrest が可能なのは州による。ジョージアでは合法である。ただしその適用については非常にあいまい。しかしどのようにこの親子がアーベリ―氏に市民による一時拘束を伝えたのか?その部分が公開された動画でも全く欠けている。

 

とにかく後は動画の通り。黒人被害者は射殺され、白人犯人はお咎め無しのスコッチ・フリーという過去のパターンの繰り返し。

 

事件直後に地区検事の捜査官からアーベリ―氏の母に息子の射殺死が知らされた。その時、被害者が窃盗をし見つかって反抗したので射殺された、と通告された。

 

事件はそこで表面では全く葬られてしまった。しかし2カ月後にこの動画がフェイスブックにアップ、全米を戦慄させた。その直後に3人目の担当検事が取り除かれ、FBIの州版である、州捜査局に事件は引き渡され、72時間以内に、犯人親子の逮捕となった。それが5月5日。

 

それから新事実が次々と判明。この親子の口実、この住宅区で最近複数の窃盗が起こっていた、というのは嘘だった。窃盗はたった一件、それも1月1日にこの父が窃盗届を出していた。それによると、彼のトラックの中に置いてあった銃が盗まれた、というもの。前の部分で言及したように、アーベリ―氏は空き家では何も盗んでいないし、丸腰であった。

 

また最新のニュースによれば、元地区検事の捜査官だった父は2006年に州法に定められた教育クラスを受けなかったせいで、容疑者逮捕の資格を停止されている。それが何と2014年まで続いた。だからこの容疑者による逮捕はすべて違法であり、責任は上役の女性検事にある。そう警告を受けたこの地区検事、2014年に手紙で、該当者の気の毒な身辺事情、二度の心臓麻痺、妻の疾病、破産宣告、をあげ、担当局に赦免を請い、それが許可された。しかし、2018年に再び同じ理由で資格を失い、今度は本当の窓際席に移動、2019年に公式にリタイヤを許された。日本の方もご察知の通り、クビだとお役所の年金はつかない。

考えても見て欲しい。自分は資格を失っても資格のあるふりをして違法逮捕を続け、それを何年もやり通し、二度目にばれると、お情けで給料付きの窓際職へ。そして晴れてリタイヤで今度は年金付きの楽ちん生活。それなのに銃を一丁ぐらい盗まれたくらいで恨み骨髄に達し、関係ない人を射殺した上に自分に咎めの先が行かないようにうまくカムフラージュ。あきれ果てて物も言えない。しかもこの老人、息子に殺人まで犯させて一体どーゆ―頭の構造か?

 

ところで上役だったこの女性検事は、元部下による射殺事件という理由で捜査担当を自ら辞退。しかし、元部下の資格問題は一切公表していなかった。彼女は近隣地区の検事に担当を依頼した。しかし、正式にこの依頼許可が下りる前に、次の検事はブランズウィック警察にマクマイケル親子を逮捕しないよう指示していた、とニュースで報道されている。すぐに次の検事も事件から外されたのだが、その直前に警察に送った容疑者の逮捕がなぜ必要でないか、という指示書が下のPDFだ。私も読んだが、ことこまかに警察側に逮捕しなかったもっともらしい理由を教えている、というのが私の印象だ。実際に彼の判断が法的に正当であるかどうか、これから先議論の対象となるだろう。

 

3番目の検事も容疑者の逮捕を見送っていた。この事件は今も捜査中だ。

 

https://int.nyt.com/data/documenthelper/6916-george-barnhill-letter-to-glyn/b52fa09cdc974b970b79/optimized/full.pdf#page=1

The Unfit President : トランプはレイシスト!?

昨日5/11午後、トランプがホワイトハウスのローズガーデンで二週間ぶりのブリーフィングと記者会見。米市民を慄然とさせたあの、コロナを漂白剤注射で殺そう、という反医学的珍発言以来、側近の厳しい忠告で、トランプは新コロナウィルスのブリーフィングをすっかり中止していた。

 

今回はコロナ・テストについて。側近ナンチャラを使ってテストマシーンの素晴らしさを賞賛。壇上の横にはそのマシーンがずらり陳列。まるでテストマシーン販売会社のセールス・デモみたいな印象。しかし記者から、じゃ、一体いつ米市民のテスト体制が整うのか、と突っ込まれると、いや、それは各州次第、と逃げ腰だ。要するにいかに高性能かというのはホワイトハウスの毎日テスト称賛のことなのだ、自分を新コロナから守る為の。

 

ところが、トランプの気持ちを高揚させるはずの自画自賛の会見がとんでもない終わり方になってしまった。ある記者の質問にトランプの怒りが爆発、トランプは突然、歩き去った。それが下の動画だ。

 

https://www.youtube.com/watch?v=vGNTMma8Fiw


‘Don’t Ask Me, Ask China’: Trump Abruptly Ends Briefing When Asked About China Hostility | MSNBC

 

ここで、中国系の女性記者が、

 

大統領、あなたは米国が他のどの国よりはるかに多くのテストを実施している、と発言しておられるが、こんなに多数の死亡者が出ているのに、あなたの指摘はそれとどう関連しているわけですか?とかなりキツい質問を出して来た。

すると、

 

死者は世界中の至る所で出ている、こういう質問は、チャイナにしてくれ!

と物凄いキレよう。

チャイナの答えは、まったく普通とは違うはずだ! 

 

つまり、トランプは死者はあの武漢研究所から新コロナウィルスが漏れたのが原因、と示唆しているのだ。

 

次の人! 

 

そこでたちまちこの記者、

なぜ特に私にこういう事言うの!と喰い下がる。

 

私は特にアンタに言ったわけじゃない、だがアンタの nasty (悪意のこもった醜い)質問に答えた。nasty なのはアンタだけじゃないがね。

 

私のは nasty 質問じゃない。と抗議、質問をリピートしようとしたが、トランプに、その次、あ、君、と待っていた次の質問者に変えられてしまった。

ところがこの次の女性記者、トランプの天敵CNNの凄腕記者だったから、

 

あ、君はいいよ、次、となってしまった。

このCNN記者は、

 

私に指名したでしょ、これどういう事!とただちに抗議。リピートで、

 

あなたは私を指名したでしょ!

そうだよ、しかし君は無視した、

 

こういう悪知恵はこの老人にはかなわない!

次、とトランプは叫ぶ。

 

次の記者は私の同僚よ!

そこで一瞬皆の視線もカメラも、次の記者へ。マスクはしているが、彼女もCNNの著名な反トランプ記者でインド系。しかもつい最近トランプと激しい言い合いをしたばかりの。

トランプは突然

 

皆さん、ありがとう、今日はこれでお終いだ。

 

と宣言、くるりと記者団に背を向けそそくさと退場。

 

当然、このシーンはレイシスト・トランプの最新の生の証拠として、大きく報道された。

 

長年米に住んでの拙感想だが、アメリカで人種差別はなくなった、と思い込むのは間違いだが、非常の危険でもある。米に滞在中差別をされた、という日本の方々の書かれた動画ブログもかなりある。日常的差別はすでに学校で顕著になる。子供集団は大人社会の反映だからこれも当たり前だ。しかし受け止め方とか対処の仕方は個人個人の問題だ。

 

この中国系女性記者もそういう経験をしっかり経てきているようだ。

 

トランプに、なぜ特に私に向かっていうのか?とやり返したが、これは、”レイスカード”(race card) を持ち出した典型である。

 

確かに、他のニュース番組コメンテーターが言っていたように、この記者はガッチィ(=根性の座った)だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米崩壊:トランプに殺される!?

ステイホームの命令が出てから2カ月足らず。それが今回やっと解禁となった。しかし、私の住んでいる地方都市の死亡者数は相変わらず上昇中。病院もほぼ満杯に近い。感染者数がこれ以上増えると病院崩壊も充分あり得る。という訳で私達シニア連中や持病を持っている人達は依然として引きこもりを続けたまま。という本当に信じられない状態が続いている。もし、武漢やイタリアで感染拡大中にロックダウンを少しでも緩めたら、一体どうなっただろうか?

 

答えはスエーデンだ。あの国では死亡者数の増加が止まらない。これもすべて、新コロナはインフルエンザと同じ、5月末のメモリアルデー祝日までには消えてしまう、と頑迷に主張するトランプのせいだ。事態は本当に怖ろしいことになってきている。

 

つい一週間前には郊外のミートパッキング工場で感染者クラスターが現れた。それで工場は閉鎖。スーパーから肉が無くなるのではないか、という噂が流れ愚娘がまた爆買いに走った。 

ミートパッキングとは牛・豚・チキンを解体しパッキングする工場で、タイソンとかスミスフィールドなどの大手銘柄の大工場が感染の為に次々と閉鎖されている。しかしトランプは大統領令でそれらの大工場を強制操業させている。その為これらの工場に新コロナの重症者や死者が出ても会社には何の法的責任も問われない。恐れて工場出勤をしない人は即クビになる。

 

従業員や彼らの家族、地域住民を犠牲にしてまで肉を食べたいのか?という疑問の声が上がっている。本当に信じられない話だ。

 

先週の木曜日にホワイトハウスでトランプの侍従をしていた海軍兵がコロナ陽性となった。侍従の仕事はトランプに食事やコーヒー等を運んだり、衣服を用意したりする英国のバトラーと同じだ。こういう身の周りの世話係が陽性になったというのでトランプはもの凄くショックを受け怒り狂ったそうだ。明らかに怒った表情で、これからは毎日コロナ・テストをする、とTVで宣言!米市民を唖然とさせた。

 

トランプは口では市民の誰もがテストを受けれる、と大ウソを言っていた。事実はテストで感染者数が増大するのを恐れ、サボタージュし、今回もテストすることなくビジネスを再開しようと目論んでいるからだ。メリーランドの共和党知事が韓国からテストキットを大量に買いつけると、TVで散々罵しりバカ扱いした。

 

それが自分とホワイトハウス側近に関してはこれまで一週間に一度テストしていたのをこれから毎日する、というのだから自分可愛さに徹底している。マスクもつけずにグループで接近行動という不死身のトランプの謎は自分達が常に陰性であることを確認していたからだ。その口で、市民には”戦士‟、つまり日本でいうならサムライ、のごとく仕事場に戻って危険に打ち勝て、と繰り返し呼び掛けている。陽性の人が外で感染を広げて死者が出てもこの自己中心に凝り固まった老人はビクともしない。

 

そして翌日テストで再び陽性者が出た。ペンスの女性報道官で夫はスティーブ・ミラー、トランプのスピーチライターであり、移民排斥政策の立役者である。このミラー補佐官はトランプの娘婿クシュナーに近い。二人はホロコーストからの避難民の子孫だ。一年ぐらい前、彼の叔父がメディアを通して、甥のミラー補佐官は自分の家族の難民の歴史を忘れたのか、移民排斥を止めろ、と呼び掛けていた。

 

下は反トランプの共和党グループが5月4日にTVで流した宣伝動画である。

 

トランプ政権でアメリカは、さらに弱体化し、さらに病気が進み、さらに貧困が拡大、トランプがもう4年間政権を握るとアメリカは本当に消滅する、という最後のナレーションが本当過ぎる。

 

https://www.youtube.com/watch?v=t_yG_-K2MDo


Mourning in America

 

これを視たトランプは翌日5月5日の早朝午前1時前にツィートを流し怒りの反撃。このグルーブの中心人物、トランプの天敵ジョージ・コンウェイを、気が狂ったルーザー(敗北者)、ムーンフェイス(丸顔)、と悪口をカキこみ、うさを晴らす。

 

これが世界のリーダー、米大統領のすることか!

 

 

 

バイデン・セクハラ大騒動

下の動画は5/1(金)"モーニング・ジョー"という朝のニュース・ショーから。このニュース番組は反トランプの先鋒でトランプ大統領も毎朝見て敵方の様子を探っているそうだ。この日、ジョー・バイデンは、フェイクニュースの牙城ではっきり堂々とセクハラをしていない、と宣言した、いや、そのつもりだった。

 

バイデン氏は今年の3月になって27年前のセクハラを告発された。したのは、当時バイデン上院議員の新米補佐だったタラ・リードさん。実はこの方は去年の3月にバイデン氏は女性に馴れ馴れし過ぎる、とメディアに苦情を申し出た数人の女性の方々の一人だった。その時のタラさんの苦情も、バイデン氏が肩に手を掛けて顔をクビに近ずけ髪の匂いを嗅いだ、というもの。その時バイデン氏はこれから気を付けるからと平身低頭。

 

あれから一年、忘れた頃になって、今回は壁ドンに遇って指を挿入された、とメディアを通じて言い出した。これが本当ならば由々しいことだ。

 

下の動画は18分もの長いインタビュー。質問したのはミカ・ブレジンスキー。そうなのだ、あの外交政策研究者の故ブレジンスキー氏の娘である。彼女は現在非常に人気のあるキャスターである。しかし、この方は#MeTooの信奉者でもある。つまり、セクハラを糾弾する女性の声を聞け、という復讐に燃える女性の方々の一人。

 

バイデン氏は、私は絶対に彼女の言っている事をしていない、と断言。しかし、ミカさんは、証拠を出せ、と執拗にくい下がる。糾弾者のタラさんは、上院に苦言をだしたので、その復讐としてバイデン上院議員事務所をクビになったと公言している。

実はバイデン氏は副大統領を辞した時点までの政治資料をすべて地元デラウェア州立大に寄贈しているのだが、これが公開されるのはバイデン氏が実際に政界から引退して2年後となっている。しかし、ミカさんはその資料を公開せよ、幾度も食い下がり、バイデン氏はそれには雇用人に関する個人的資料は含まれていない、と答えて事実上拒否。その対立が最後まで延々と続いたのが下の動画の内容。

 

興味のある方はどうぞご視聴下さい。バイデン氏は、#MeTooの"被害者女性の声を聞け"、というのは尊重するが、私に関してはセクハラは事実ではない、と言い切って、話はそこで終わっている。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=seu_C08yAAM

 


Full Interview: Biden Denies Sexual Assault Allegation From Tara Reade | Morning Joe | MSNBC

 

次の動画はバイデン氏の近過ぎる接触である。トランプがバイデンをクリーピー・ジョー(=気味悪いジョー)と呼んで散々こき下ろしている。

https://www.youtube.com/watch?v=JHbDVL1hp_U

 


Biden Gets Too Close For Comfort ... Again

 

ジョー・バイデンを信じるか、タラさんを信じるか、今の時点ではあなた次第です。

 

民主党のペロシ下院議長も副大統領か司法長官に、と熱望されているカマラ・ハリス上院議員もバイデン氏支持を続けるそうです。