chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

出たー!不正投票:ペンシルべニア大騒動!?

投票日まで後37日。Covid-19の感染者数も死者数もまたまた拡大、失業者の増大、国民医療保険の閉鎖、と悪いニュースばかりの米国。もちろん最悪のニュースはトランプ大統領その人。

 

このアタマのおかしい強欲大統領のせいで米は混乱に次ぐ混乱!これは決してジョークではありません。しかし個人的にはジョークであって欲しいです。

 

先週の9月24日だと思うのですが、ニュースが多過ぎて日にちまで覚えていられない。トランプは先週のペンシルべニア州のラリー(支援大集会)でさも得意げに、国内のあちこちですでに郵便投票の不正が発見されつつある、ある州では私に入れた郵便投票用紙が8枚ゴミ箱に捨てられた、ウィスコンシン州でも投票前の用紙が100枚以上が堀に捨てられたと報告。さらに、これらは不正選挙を企む民主党のしわざと結論ずけた。

これに続いてトランプの手下、バーの率いる司法省がペンシルバニア州のある郡で9枚の投票用紙が捨てられた、その内の7枚はトランプに入れられていた、現在捜査続行中、という全く異例の声明文を出した。

今回トランプにこの事件を真っ先に報告したのはバーである。トランプはトランプ。それを早速ラリーで発表だ。

 

フェイクニュースはトランプの嘘を一つ一つ追っているのだ。ウィスコンシンについてはトランプの嘘だった。だが、ウィスコンシンもペンシルバニアも激戦州であることに注目。トランプは特に最近しきりに不正投票を起訴し郵便票をすべて無効にしてやる、と息巻いている。トランプは今、故ギンズバーグ判事の替りを押し込もうと必死だ。この新判事は忠臣として彼の思い通りに最高裁で投票してくれると記者会見で胸の内をポロリと漏らし、これまたフェイクニュースが大騒ぎ。しかし、最高裁判事が自分の言う通り投票する、と暴言を吐く大統領に市民は新に驚愕!日本ではこんな事はあり得ない―!

 

ついには米の有名シェフ達もトランプには投票しない、という宣言を出した。

 

しかし翌日の25日の夕刻には真相らしきものが州検察長官により明らかになった。

トランプが不正が出た、と宣言したのは、ペンシルバニア州のある郡だがそこは共和党が運営している。捨てたのはそこの郵便局に雇われた選挙専門の臨時職員だそうだ。この人はすでにクビになったが、その時は就業3日目で勝手がわからず軍人用の不在者投票9票を捨ててしまった、というもの。その内の7票はトランプに入れられていた、残りの2票は内封筒に入っていたので、それに入れ直した、という分かったようで分からない説明内容。これら9票の投票用紙は現在厳重に保管されていると報道。

 

しかしだ、ペンシルべニアでは内封筒というのがあり、この封筒に入っていない投票用紙はすべて無効となっている。これはペンシルベニアの共和党、つまりトランプ側が提訴しつい先日州最高裁から無効という判決が出たばかり。つまりトランプの勝ち。トランプ側は激戦州ペンシルベニアの郵便投票無効を狙ってすでに先手を打っていた。このままではペンシルベニアでかなりの無効票が出る可能性が大きい。

 

だから、トランプに入れられた投票7枚は無効票ということに!?

 

これはトランプ側のしかけか?下の動画の冒頭部分で、フィラデルフィア選挙区管理委員長の女性が投票用紙をまず内封筒に入れ、それから外封筒に入れるのを実演して見せている。そのまま外封筒に入れた人の投票用紙は無効ですぞ!

 

この動画自体は外国製ニュースだが、この女性の実演動画は米国メディアでも放送された。

 

トランプが次々と繰り出すとんでも選挙妨害のせいで信じられない混乱ぶり、これが今の米国だ。

 

https://www.youtube.com/watch?v=-yglPg9rfag

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A DIEU : さようなら!ジュリエット・グレコ

日本にはシャンソンという流行歌のジャンルがありました。シャンソン喫茶も流行りました。そこからは多くのメイド・イン・ジャパンのシャンソン歌手が輩出した。

ジュリエット・グレコは日本のシャンソン界でも女神として崇められていた。シャンソンといえば、彼女の歌う『🍂枯葉』、それに『パリの空の下』、が常に代表曲として挙げられてきた。

そのジュリエット・グレコが9月23日に逝去。93歳のご長寿を全うされました。その彼女の人生は波乱万丈。映画やドラマになってもおかしくない。

 

ところで私にとってのジュリエット・グレコは、フランス語の初心者上の教科書に紹介されていた"Il n'y a plus d'apres" (=日本語訳"あとには何もない")です。私はグレコでこの歌が大変好きになった。歌詞も会話調で素晴らしい。

実はオリジナルは彼女ではないけれと、彼女の深みのある声と哀愁のメロディ、それにサンジェルマン・デプレ界隈に花ひらいたの戦後パリのボヘミアン・カルチュアの女王様だったグレコの過去が重なり、何とも味わい深いシャンソンとなっています。

 

https://www.youtube.com/watch?v=cFxhv73wvyM

 

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拙訳:

今あなたはパリのどこかで生きているはず

もし現在から抜け出し

あの昔に戻りたくなった時には

あなたは"ボンジュール"と言いに

デュフール通りの街角へ出るといい

あなたは私に会いに足を運ぶはず

サンジェルマン=デ=プレ

 

リフレイン>

でもね、もう何も繋がりがない

今のサンジェルマン=デ=プレとは

あさってもない

今日の午後もない

ただあるのは今日だけ

サンジェルマン=デ=プレで再会しても

昔のあなたじゃないだろうし

昔の私じゃないだろうし

昔すらももう存在しない 


すべてが変わった!とあなたは驚く

懐かしの通りさえ初めてのような気がする

好物だったカフェ・クレームも(クリーム付コーヒー)

味が変わった

あなたも別人

私も別人

私達はまるで他人同士

サンジェルマン=デ=プレ

 

拙ブログの"A Dieu " アデューは神の下へという意味で永遠の別れの意ですが、日本ではこれが『さよなら』だと教えられた。笑いたいけど笑えない話しです。だから、恋人同士の別れは"アデュー"。どうせお互い二度と顔もみたくないはずですから。

 

 

 

ギンズバーグ最高裁判事の葬式にやって来たトランプ!?

最高裁での追悼式の翌日の朝にちょっくら顔を出したトランプ夫妻。彼らの黒マスク姿に注目。そこでトランプは👎 ブーイングと" Vote Him Out ! "(落選させよう!)の掛け声の大合唱に遭遇。ギンズバーグ判事の棺は22日から最高裁玄関の階段上に設置され、一般市民が別れを告げに訪れていた。トランプ大統領もその中の一人。 

https://www.youtube.com/watch?v=1irGJPUGYuk

www.youtube.com

動画のように全員からブーイングに晒されたトランプはかなり激怒したに違いない。トランプは自己陶酔性格障害+反社会性格障害と皆が指摘しているのは、もう常識。この種の患者は、人の少しの批判にも耐えられなく、逆恨みで反撃に出る。今回もそうなるか?昨夜のホワイトハウスの記者会見でトランプは彼のクーデタ計画をポロっと公開。それでフェイクニュースは今朝も大騒ぎ。

 

なおこの23日は警察官襲撃中に発生したブリオナ・タイラーさん惨殺事件でケンタッキー州ルイスビルの大審院は下手人に落ち度を認めず彼らを起訴しない事を決定、その為にルイスビルでは大規模なプロテストが予想され、知事が州兵を招聘、事実上の戒厳令のような状態となった。この事件はテニス・セレブの大阪ナオミさんがSNSを通じて深く関わっていることで全米でも日本でも非常の有名だ。以前にも書いた事があるが、検察側は問題のある起訴についてはメリットがあるのかどうか、大審院の合意を得なければならない。これは検察側の勝手な起訴を防止する目的があるのだが、今回はこれを共和党の州検察長官が逆手に取ったと見られている。

 

この先一体どうなるか?USAの混乱と分断はまだまだ続きます。

 

 

 

 

女権主義者ギンズバーグ最高裁判事死す

投票日まで後45日、COVID-19による死者はついに20万人を超えてしまった。ワクチンのお目見えは来年後半になり、トランプの嘘がまたバレた。しかし商売、企業の閉鎖が目立つこの頃。スーパーの品切れも目立つ。市民の多くがクレジットカードと個人年金積立を食い潰して生活していると報道されている。その上来年は国民総保険"オバマケア"が事実上閉鎖となる。

これで一番困るのは、貧困ラインのすぐ上層にいる低所得勤労者と、コロナで失職して職場保険を失った人達。オバマケアの売り物、既成の疾患持ちに保険加入拒否を許さない、を廃止したトランプの大統領令を無効にする目的の訴訟が今年中に最高裁で取り上げられる予定になっている。

 

ギンズバーグ判事の死までは最高裁は保守が5人、リベラルが4人と見なされていた。しかしギンズバーグ判事の死でトランプは人工中絶反対の女性判事を急遽任命しようとしている。表向きの目的は極めて明確。トランプの強力な支持岩盤だったバイブルベルトの福音派の支持確保だ。トランプの企みが成功すれば、保守6リベラル4の最高裁。しかしこの事件の根底にはもっと深いもの、2016年オバマ政権下での共和党の公聴会拒否事件、がある。これで月曜から政治的大混乱に拍車がかかるのは間違いなし。

 

この9月18日の夕方亡くなったルース・ベーダ・ギンズバーグ、87歳(=Ruth Bader Ginsburg)は通称"RBG"として若い世代に大人気。米のフェミニスト(=女権拡張論者)のパイオニアとして市民から絶大の支持と尊敬を得ていた女性だった。『中絶の自由』の強固な支持者であった。1993にクリントン大統領に指名され、上院でわずか3人反対の圧倒的多数で承認された。彼女の足跡は、下のミュージック動画、"Notorious RBG" 2018の歌詞で紹介されている。この歌詞を作ったのはRBGの息子の嫁、製作は実の息子による。

 

その息子によれば、彼はガキの頃問題児でしょっちゅう母親、つまりRBG、に学校呼び出しの電話がかかってきたそうだ。当時RBGはコロンビア法科大学院の教授であり、メチャ忙しかったので学校側に、息子の親は二人いる、私ばかりにかけないであちらにも掛けるよう要求したそうだ。それで学校側は弁護士をしている父親にもかけるようになった。しかしそれ以来、親への電話回数がぐっと減ったと米公共ラジオで話していた。

 

以下は拙訳ですが、口語なので雰囲気と意味にそって適当に約してます。この手のミュージックはもちろんラップで、私が渡米した80年代に黒人層に浸透し始めた。

"notorious" はかんばしくない事で評判になっているという意味で "famous" の対称語です。だから "The Notorious RBG" は『 悪評高きRBG』です。では、彼女のかんばしくない事とは何だろう?それは彼女のリベラルとしての法的スタンスです。憲法を書かれた言葉通り解釈する、という保守のスタンスから見れば彼女はアクティビスト判事とみられていた。

 

これ何なのよ!

法学修士なのに、

身長約1m55(の短身)の上、ジュ―イッシュマザー(口語mom)というので

軽くみられて

マンハッタンのどこの法律事務所でも雇って貰えない!

ただ男じゃないというだけで

仕事無し、相談に乗ってくれる人も無し

それが最後には

国で最も優れた反対意見を書く最高裁判事になるなんて!

でもこれが私の夢だったのよ、アンタの知っての通りよ

悪名高い、RB そしてGなんだよ!

ハーバードに入学してから

挑戦してくるヤツの尻を次々蹴っ飛ばしてきた

500人の坊やと9人の淑女の同期生に囲まれて

しかし卒業したとたん、一斉に"Bader"という名は禁句(RBGの結婚前の姓)

ただただ(憧れの法律事務所に)就職したかったのに

しかし奴らの口からでるのは、『スィート・ハート(お嬢ちゃん)、じゃまたね!』

手に入れられる限りの女性差別の判例を全部を読んで、

この国は男達のもの、と納得

そこで私は法を使って反撃を始めた

内心には静かな激怒

あんた達が女をよけものにした時

(女性差別被害者の為に)判例を最高裁で最初に議論したのはこの"rbg"

73年、9人の(最高裁判事の)男達が私をじろじろ見つめる中

(憲法上の)性平等を議論するのがよほど珍しかったのか

まるで幼稚園で話している気がした

あの男判事達には全く見当もつかないのは

女性の被害がどんなに甚大か

メガネからでも

判事達のおケツの筋肉が緊張するのが見えた

私は女性だからと言って特別待遇を頼んでるんじゃない

ただ一言

兄弟達よ

どうか私達のクビの上の貴兄の足を退けてくれ

  

https://www.youtube.com/watch?v=vlrNyx_sLWwn

www.youtube.com

 

 

バー司法長官、ついに牙を剥く!?

Hillsdale College はキリスト教信仰に沿った価値観を掲げるクリスチャンカレッジの一つですが、ここでよく開催されるのがトランプ政権要人によるスピーチ。目的はズバリ選挙の寄付金集めです。だから聴衆も高齢富裕層ゴリゴリ保守と考えた方がいい。昨日のスピーカーはトランプ政権の司法長官ビル・バーでした。ここでバー氏は本心?を次から次へと吐露してしまい、またメディアから非難の波が押し寄せている最中です。

 

選挙ニュースがあまりにあり過ぎて忘れてしまいそうなのだが、つい一週間前にトランプの選挙資金不足というのがあった。選挙資金の半分を税金公開拒否やドイツ銀行財政文書公開拒否などの様々な裁判費用に宛てていた。それと人件費。特に左遷された前選対委員長の優雅なセレブ生活は反トランプ共和党の選挙アドにされほど。それなのに資金不足でトランプ側のTV宣伝アドが一時休止状態になっていた。トランプは身銭を切っても資金に充てる、と大見得をはったが、あのドがつくケチのトランプがー!と皆は半信半疑。この点は共和・民主が一致。

 

ところが、このニュースが出た翌日、忠臣バーは何をしたか?トランプのレイプ被害者による名誉棄損訴訟の弁護をこれまでのトランプの個人弁護士団に代わって司法省が請け負うことを発表。これが全米メディアと法曹界で非難の嵐を巻き起こしている。司法省の仕事は市民社会に害となる犯罪起訴だ。それがいつのまにやらトランプの個人弁護士に早変わり。

 

そもそもこのレイプ事件が起きたのは1990年。しかし被害女性のメディア告発は1919年。その間には約30年の空白がある。

被害女性は事件当時美人コラムニストと知られていたNYセレブの一人。トランプとも顔見知りであったが、偶然NYの金持ち向けデパート店内で出会い、トランプは彼女の後を追って試着室へ。そこでトランプがレイプ。

被害者は刑事事件として告発するつもりはない、がその仔細を有名女性雑誌に掲載。しかもその時着ていたドレスで表紙に登場。トランプはでっちあげだ、私はこの女にこれまで一度も会ったこともない、といつも通りの反撃に出た。それに、こんな女は私の趣味じゃない、の余計な一言で被害女性はガツーンとキレた。全米第一の伝説的女性弁護士に付き添われトランプ個人を名誉棄損で起訴。そういう事は勝手だが、30年前のレイプ事件の訴訟費用をなぜ私達納税者が払わなければならないのか?このレイプ、大統領の職との関連性ゼロだ!

 

こんな事は米国史上で初めてというのが大統領史研究者の一致したコメントだが、バーにかかると、こういうケースはこれまで度々おこり決して珍しくない、と話しが逆になっている。

 

だからこの講演会も親分トランプに忠誠心を見せる為のショーだと見るべきだ。トランプは自分の為にひと肌脱いでくれる子分を贔屓にして出世させている。まるでマフィアの組織だが、これを一番よく知っているのはバーだ。

 

下の動画はHillsdale College でのショッキングな内容を伝えるニュース。

 

バーは、感染防止ロックダウン、ステイホームは人間の自由を剥奪するもので、米の奴隷制と同等と主張。たちまち一緒にするな、と黒人側から激しい批判を浴びせられた。

 

バーが手を下した、トランプの盟友ロジャーストーンの有罪判決後に大幅減刑要請を判事に出した事、トランプのお気に入りだったフリンの起訴取り下げ請求、は全くトランプの意に沿ったものと解釈されているが、これまで犯罪証拠に依拠する司法省のやり方を変えたと、司法省内でベテラン検事達の批判が起きている事に対して、彼らはモンテソリ幼稚園の園児だとけなした。モンテソリというのは園児の自主性を伸ばしていく教育方法で世界的に有名だ。司法省のトップは連邦検事総長の私で、司法省による起訴はすべて私が仕切る、と暴言。

自らのトランプベッタリのスタンス(立ち位置)を、司法省はトランプ政権の管轄下にあるので当然だ、と擁護に回る。これらの発言はバーの司法長官承認の際の上院証言、憲法に従い証拠を重んじる、とは全く違った内容にも関わらず。

 

BLM (Black Lives Matter)プロテストが過激化すればリーダー達を国家打倒を目的とする騒乱罪で起訴するとも言った。これに加えてこの夏のシアトルの ”Summer of Love"解放区に協力した進歩派市長の起訴を考慮中との事。バーの口ぶりでは戦前の日本のような怖ろしい時代がやって来そう。  

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=V0dlXyd4Qeg

 

ところで、あの悪名高い首都ワシントンのラフィエットパークでのデモ隊襲撃の指揮を取ったのがこのバー司法長官。この襲撃はトランプが原因不明の火事が起こったWHの隣の教会で、聖書を片手にハイ、ポーズ!をする為に計画されたというのが真相と見られている。

今日州兵側からホイッスルブロワー(=内部告発者)が現れた。バーはこの襲撃をデモ参加者が暴徒化したからだ、と言い訳をしているが、その時派遣州兵の指揮官であった告発者は、全く平和的で襲撃する理由がなかった、と下院で証言している。その上、催涙弾を発射する前の警告は与えられなかった、と言っていた。そもそも彼が内部告発の踏み切った理由は、数日前からデモに備えて大量の実弾と動画の最期に言及されているマイクロウェーブ銃を準備せよという上からの命令を受けた、という事だそうだ。この銃で撃たれると皮膚に火がついたような感触が走るというのだが、これはイラクでも使用が禁止されていたのに国内ではいいのかという疑問が湧いた為だ、と報道されていた。

  

トランプが投票後にクーデタを計画する!?

11月3日の投票日まで50日。全米コロナ死者数が20万人を超えるにはもう時間の問題。こういう切迫した状況でクローズアップされてきたのは、トランプのクーデタ計画だ。

 

こう書くと、私のアタマの方が問題にされるのは当然。だが、米では非常に真剣に取り沙汰されている。私もこのニュースは主要メディアから耳にした。

 

トランプによる投票後のクーデタ説はバイデン支持率優性の固定化と同時に流れ始めた。しかし、9月7日付けの" The Nation" で著名レポーターが、共和・民主両党メンバーによるトランプのクーデタの可能性についての22ページのレポートを概要を紹介したこと、今年6月にトランプが任命した全米郵便サービス長官が郵便配達を遅らせようとして様々な手段を嵩じていたことが2週間前に発覚し、大騒ぎになった事でメディアで真剣に取り沙汰されるようになった。

戸外のポストボックスを密に運び去って大量廃棄、朝、郵便仕分け機が職場から突然消えていた、時間外配達及び職員のオーバータイムを厳禁、等々をこの新米長官はこっそりやってのけた。この影響である地域では遅配が実際に起こった。しかし米のポスト・オフィスは組合の牙城。すっかりリークされてしまった。

この新米長官デジョイ氏は任命前にトランプに大型寄付をしていた。しかも2016年にはトランプの金集め三人組の一人だった。一人はあのコーエン元弁護士で今は弁護士資格剥奪の上、コロナで自宅監禁中。他の一人はトランプ大統領宣誓式の金集めをこっそりどこかに流したとかで現在捜査中。当然デジョイ氏も郵便業務にはこれまで全く関係のない人。この一見奇妙な郵便サービス・サボタージュはトランプのクーデタ計画と照らし合わせてみると繋がりが見えて来る。

 

今年の夏までにはコロナ感染のせいで一般郵便投票を各州が実施することが確実になった。それに対してトランプは選挙延長を呼びかけたが共和党も憲法違反として取り合わなかった。

 

一般郵便投票では民主党が圧倒的に有利となり元来弱小党の共和党は勝つ見込みがなくなると見られている。今回の自己票が2016年よりかなり減少することを見越したトランプ側は郵便投票を妨害する方策に出た。それ以後トランプは郵便投票は不正投票、従って選挙結果は信用できない、と宣伝し続けている。それどころか、郵便と投票所で二重投票するように米市民にTVで呼び掛けた。これには皆が大驚愕。二重投票はもちろん違法で重罪だ。つまり刑務所送り。

しかし郵送投票が加われば、前回のように結果は翌日の午前様には出てこない。今回のように量が多い上にトランプが不正だと物言いをつければ一か月たってもどちらが当選かが決まらない事も充分ありうる。

従来通りにいけば、投票所のが真っ先に開票されるので、最初はトランプが優勢、と予測されている。だから郵便投票開票で負けに転じるのを防ぐ目的でトランプ側は各州の裁判所に郵便投票無効の訴えを起こすと予測されている。特に共和党州ではトランプ勝利が州知事により告知されればその州の選挙人はトランプに投票せざると得なくなる。

それだけではない。社会不安と混乱が重なり、投票日前後から戸外でのプロテストが広がると予想され、白人至上主義の武装民兵と武力衝突が起き流血惨事が起こる。トランプは機動隊のような連邦警察部隊を派遣するが逆に騒ぎを煽ると思われる。しかし最終的には州、軍派遣をトランプ自ら命令し、戒厳令を出す。

 

トランプのクーデタを予想して書かれたレポートには、これに対抗する唯一の策としてSNSを利用した市民大動員を提案している。このメガプロテストは一か月ぐらい続けなければならなくなる、というのだが、これで一体軍を掌握した独裁者に勝てるのか?これじゃまるでエルドアンのトルコだ。

上記のシナリオが実現しないことを祈るばかりだ。

 

追記:今ニュースを見ていたら、国境の不法移民収容所で拘束中の女性15人が不必要なヒステレクトミー(子宮全摘手術)をされたという告発が昨日からDHS(ホームランドセキュリティ省)の職員によって出されている。これで"トランプのアメリカ"はウィグル女性に避妊手術を強制する中国と人権侵害のレベルで同等の競争相手になりました。

 

何がフリンをそうさせたか!?

この記事の題名は1930年(昭和6年)に大ヒットした社会派映画『何が彼女をさうさせたか』をもじったものです。この映画はYouTubeで視聴できます。

 

今、米では大物によるトランプ暴露本が続々と発売され、正直言ってもう目が回りっぱなし。しかしその中には問題の核心に触れる内容のがかなりあるようで嬉しい限りです。言うまでもなく、フェイクニュースはこれらの本の抜粋紹介と著者のインタビューで大忙し。トランプも反論や言い訳にてんてこまい。

 

私はマイケル・フリンについて過去数回記事にしてきたので、

chuka123.hatenablog.com

特に今回の"Compromised" を書いたストラック氏の意見は新発見で非常に参考になった。

"Compromised"はここでは"(外国に)通じている"という意で他国の利益に沿って行動し自国に害を与える外国のアセットとなった自国人の形容詞で、もちろんスパイも含まれている。実は著者のストラック氏こそフリンをひっかけた質問をしたFBI捜査官だった。そのせいで、トランプから酷い報復を受け、これまで沈黙を続けてきた。

 

ストラック氏は当時FBIの国内スパイ活動捜査の第一人者。しかし、FBI内部のe-mailで頻繁にトランプをバカ扱いし、しかもその時の部下で職場恋愛の相手だった女性弁護士にも同様の悪口をe-maillしていた。それらがトランプ側にバイアスだと告発され、モラー捜査から外された。共和党多数の下院公聴会でストラック氏はかの女性弁護士とのゴシップe-mailの内容を証言させられたが、司法省監査官は仕事内容には影響していない、と判断された。しかしその後、風紀を理由にFBIはクビ。現在ストラック氏は不正解雇を理由に米政府を起訴中である。

 

ところがやはり最近発売されたNYタイムス記者による、"トランプvsアメリカ"によれば、ストラック氏がモラー捜査から外されると、モラー氏はトランプのロシア共謀及び協力関係捜査を捜査枠外という理由でピッタリ止めた、ということになっている。だからモラーがトランプのロシア共謀・協力に関してその時点では充分な証拠は見つかっていない、と結論ずけているのは正確ということになる。モラーは決して証拠が一切なく無罪、とは述べていない。

 

モラー捜査ではトランプはフリン事件について証言拒否をした。これは"第五"(The 5th )に沿ったものだ。メディア向けにはトランプは最初、ペンスやFBIに嘘をついたのでフリンをクビにした、と言っていたが、今年の5月にオバマゲートを立ち上げた時には、フリンが個人的にロシア大使と話してどこがおかしい、フリンの嘘は大した事じゃないのに、それを大袈裟にしたのは、当時のFBIとオバマの私を陥れる陰謀だと主張している。

 

下の動画はストラック氏のインタビュー。

要約すると、フリンの嘘には彼も驚いた、理由がわからない、フリンは元国防情報局長官であったので、ロシア大使との電話を盗聴される事は当然予想していたはず、これをあえて実行したのは、トランプからの命令だろうと思われる、FBIとペンスにオバマのロシア制裁について全く触れなかった、と嘘をついたのも、トランプが、"Kill the story ! "(=もみ消せ!)とフリンに命令したのが原因ではないかと思う。

ストラック氏はさらに推察を進め、ここまでフリンを追い詰めた原因は一体何のか?と疑問を投げかけている。つまり、背後のトランプの存在を指しているのだ。なぜ、そこまでしてトランプはロシアと彼との直接なつながりを隠そうとするのか?

 

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=lVe0YUoKCJo&pp=wgIECgIIAQ%3D%3D

 

フリン起訴取り下げ差戻しで公聴会が開かれる予定だ。そこでフリンはまた、彼の嘘は本当かどうか、について釈明をせまられる。フリンはバーによる起訴取り下げ請求前に、却下された宣誓取り下げ要請をサリバン判事に出している。理由はFBIに強制的に嘘をつかされたからだ。しかし任意の法廷宣誓の取り下げは法的に認められないのでサリバン判事は却下。その際にフリンが提出した上申書がネットで公開されているので私はそれを読んだ。

 

FBIにあのように対処したのは正当だった、そして私は嘘(=FBIへ)をついていない。

と彼は最後に結論ずけているが、読んでいる方は全く理解に苦しむ。文書で公開された盗聴内容によると、フリンはロシア大使と交渉し、来るトランプ政権のロシアとの関係改良を条件にロシアの制裁報復を止めさせているのだから。

 

この矛盾する結論については公聴会でフリン氏自身の口から聞きたいものです。フリン氏は裁判で一切口を閉じたままでした。