日本にはシャンソンという流行歌のジャンルがありました。シャンソン喫茶も流行りました。そこからは多くのメイド・イン・ジャパンのシャンソン歌手が輩出した。
ジュリエット・グレコは日本のシャンソン界でも女神として崇められていた。シャンソンといえば、彼女の歌う『🍂枯葉』、それに『パリの空の下』、が常に代表曲として挙げられてきた。
そのジュリエット・グレコが9月23日に逝去。93歳のご長寿を全うされました。その彼女の人生は波乱万丈。映画やドラマになってもおかしくない。
ところで私にとってのジュリエット・グレコは、フランス語の初心者上の教科書に紹介されていた"Il n'y a plus d'apres" (=日本語訳"あとには何もない")です。私はグレコでこの歌が大変好きになった。歌詞も会話調で素晴らしい。
実はオリジナルは彼女ではないけれと、彼女の深みのある声と哀愁のメロディ、それにサンジェルマン・デプレ界隈に花ひらいたの戦後パリのボヘミアン・カルチュアの女王様だったグレコの過去が重なり、何とも味わい深いシャンソンとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=cFxhv73wvyM
拙訳:
今あなたはパリのどこかで生きているはず
もし現在から抜け出し
あの昔に戻りたくなった時には
あなたは"ボンジュール"と言いに
デュフール通りの街角へ出るといい
あなたは私に会いに足を運ぶはず
サンジェルマン=デ=プレ
リフレイン>
でもね、もう何も繋がりがない
今のサンジェルマン=デ=プレとは
あさってもない
今日の午後もない
ただあるのは今日だけ
サンジェルマン=デ=プレで再会しても
昔のあなたじゃないだろうし
昔の私じゃないだろうし
昔すらももう存在しない
すべてが変わった!とあなたは驚く
懐かしの通りさえ初めてのような気がする
好物だったカフェ・クレームも(クリーム付コーヒー)
味が変わった
あなたも別人
私も別人
私達はまるで他人同士
サンジェルマン=デ=プレ
拙ブログの"A Dieu " アデューは神の下へという意味で永遠の別れの意ですが、日本ではこれが『さよなら』だと教えられた。笑いたいけど笑えない話しです。だから、恋人同士の別れは"アデュー"。どうせお互い二度と顔もみたくないはずですから。