chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

最高裁から門前払いにされる!?

昨日12月11日の夜、テキサス州による州選挙人投票阻止(=injunction) を目指す目的の緊急公聴願いが最高裁から見事に却下された。このテキサス州 VS. 激戦4州訴訟には、" 大統領だが候補者" としてトランプ自らが参加した。

 

却下理由はわずか数行で説明された。その説明文とやはり後で出された2人の判事による短い声明文から推察される理由は以下の通り。

 

まず、テキサス州は他4州を起訴する立場に立っていない。

それ以上何も書かれていないのだが、上について専門家が解説している。

選挙施行は各州の主権の範囲内にあり第三者の州の介入は内政干渉、という解釈が広く受け止められている。

 

それと、この起訴状には法的に取り上げるものが見当たらない、という2点。

 

一言で言えば、とんでも訴訟(=frivolous lawsuit )で世間をお騒がせ。これはこれまでのトランプの上をいく米国民を騙す大芝居。

 

この最高裁の判断は米法曹界専門家達の事前の予想に見事に一致。

 

ブッシュ(父)任命の2人の判事だけ、憲法第3条の州と州との訴訟には最高裁が介入する、という句を取り上げ、テキサス州の保全要求を最高裁に登録することを許すが、それ以上は何もする必要なし、と別に短く説明。専門家によれば、これは最高裁入口ドアのブザーを押してもよい、という事だそうだ。だが、中に入れて貰えないのは全く同じ。

つまり最高裁判事全員一致の門前払いだ。

 

パクストンの訴状内容は話の筋があちこち飛んでいる。

 

例えば、彼はトランプが負けるという事自体が普通ではあり得ない、と強調。

その理由としてこれまでフロリダ州とノースカロライナ州に勝った候補が歴代大統領に当選している、というのがある。これは事実ではなく、トランプヨイショのネタだ。

特に有名になったのは、トランプの集計課程を2016年に重ねると2020のように後で一挙に負けることは統計的に見て99.999999・・・・%不可能、というのがある。2016年の集計課程がそのままそっくり2020年に繰り返される、というのは現実ではなくサイエンス・フィクションの世界。こういう人が、違憲ナンチャラをもっともらしく持ち出す事自体が笑飯ものだ。これはポウエルのバカげた"クラーケン"訴状でも全く同じ。

 

これらの粗雑な訴状に共通しているのは勝訴を目的として法に沿った論議で書かれていないという事だ。我らの偉大なリーダー、トランプ様、に読んで頂きあっぱれじゃというお褒めの言葉を賜る目的のヨイショ訴状だという印象を受けているのは、私一人ではないようだ。

 

パクストンは自分の選挙にからんだ汚職疑惑で、この前の10月にFBIから出頭命令が出ていたのだが、無視を続けていた。この男が州の犯罪起訴の責任者なのだ。あきれ果てるばかりだ。

この新な汚職疑惑はパクストンの側近の弁護士と保安官7人によりFBIに告発されたもので、その中の数人はすでにパクストンにクビにされている。その上、パクストンは5年前の検事総長在職中に詐欺罪で起訴されなぜか審理課程が尻切れトンボになっている。まさに南部州カルチュアの闇を体現している悪徳弁護士。

どうせこの男もトランプの恩赦を目当てにしている、という憶測がメディアで流れている。

 

この最高裁事件でさすがにトランプに対する怒りが沸々と煮たぎり始めた。

これまで政治はフリースピーチを守ってきた。しかし、これを悪用し、選挙結果そのものを変えようとするトランプの企みは憲法違反という声が日増しに大きくなっている。

 

ペンシルベニア州検事総長が最高裁に出した反論書にもこの点が明確に指摘されている。トランプがこれ以上戦略をエスカレートすれば、反乱扇動で捜査されるべきだ、という意見が頻繁に出るようになった。しかしトランプは、現時点で米国防省トップを側近で掌握している。このまま収まるのかどうか、この先誰も予想できない。

彼がピックした国防省トップ代行の中にはフリンと同じく戒厳令に賛同する者がいる。

 

クリスマス前の米国は嵐の前の静けさなのかも知れない。

 

 

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