chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

大泣きの殺人少年リッテンハウス!?

前回はバージニア州知事選に勝利した共和党ヤンキン氏の17歳の息子の投票騒動について書きましたが、今回は今進行中のリッテンハウス少年(当時17歳)の裁判について。

この殺人事件が起こったのは去年の8月25日。リッテンハウスの殺人事件はウィスコンシン州ケノーシャで2日前に起きた黒人のジェーコブ・ブレイク氏29歳の事件が原因だった。この事件でウィスコンシンの田舎町ケノーシャでは夜間外出禁止令にもかかわらず連日BLM系の抗議デモが続き店舗が焼き討ちにあっている。

白人警官の暴力に対するBLMのプロテストの真っ只中。この少年はトランプ支持反BLMの武装民兵の一人としてプロテスト参加者の2人を射殺、一人に重傷を負わせたことから、彼を支持する人、しない人は、ほぼ政治ラインに沿っています。私のブログでも去年記事にしていました。

 

chuka123.hatenablog.com

この記事中のニュース動画の後半は殺人のシーンが含まれている。リッテンハウス少年は目撃者とビデオからも殺人を犯した事は疑いの余地はない。この少年が殺傷した3人は全員白人でした。

 

しかしその後犠牲者ブレイク氏を背後から撃った警察官は何のお咎めもなく復職。胃及び大腸と結腸の切除を余儀なくされ、腎臓も損傷したブレイク氏は今年3月に加害者である警察官個人を相手取り市民権侵害を理由に損害賠償訴訟を起こしている。

 

州検事と司法省による捜査報告の内容が公表されているのかどうかは知らないが"処分無し復職"は納得できない、というのが私を含めて多くの市民達の印象です。事件の動画を見た限りでは明らかにこの警官はやり過ぎだ。

 

下の動画は自ら証人台に立ったリッテンハウス少年。しかし彼は第一人目を殺した時のトラウマを思い出し激しく泣き出してしまった。

 

検察側からの彼の罪状に一級殺人二件と一級殺人未遂が含まれている。これで有罪になれば一生監獄で暮らすことになる。彼の無罪へのチケットは正当防衛のみ。

 

彼は17歳なのでウィスコンシン州法では銃所有を一切禁止されていた。それにもかかわらず成人である知人にAR-15というAK-17と紛らわしい名のついた国産の殺戮用自動小銃を買ってきて貰い、住居のあるイリノイ州から何と母親に運転して貰って隣の州のケノーシャに駆け付け、そこで銃を受け取り白人優性主義の民兵組織に参加。自分を救急員と宣伝しながら調子に乗って動き回っているうちに仲間とはぐれてしまい、いわば敵側の人達の中に唯一人という危機的状況に陥った。

 

少年の母親は涙ながらにインタビューで、この子は人殺しをするような子ではない、と言い切っている。

 

しかしあの時のケノーシャでは誰もが興奮しアタマに血が上りっぱなしでもう自制が効かない状態に達していたようだ。

自動小銃を身に付けたトランプ側の少年に激しく敵対し素手で追い回した全く非常識な者まで現れた。これが最初の殺人に繋がった。

2番目のは少年が逃げる途中につまずき転んだ隙を狙い肩をスケートボードで殴打した男。3番目はピストルを正面から突きつけられ重傷を負わせた。

 

これでは州法による自己防衛が成立しそうだ。自己防衛を成立させる危険度の認識は本人次第という解釈が強い事もこの少年の助け船になるだろう。

 

リッテンハウス少年の銃の違法所持に関しては先例判決がある。これはNYで起こった正当防衛殺人事件で、自己防衛が優先してこのケースに該当する容疑者は無罪となっている。この判決でも米世論は銃所持の是非で真っ二つに割れた。

 

この事件もただ今進行中の裁判も政治が特に絡んでいるので大きな関心が寄せられている。公開裁判なので録画された裁判の模様はYouTube動画としていつでもアクセス。

 

当然ながらトランプはリッテンハウス少年を"愛国者"として褒めちぎってきた。反トランプ側からは少年は殺人鬼に匹敵されている。

 

早ければ来週早々にも審判員からの判決が下されるはずだ。

下の動画のリッテンハウス少年の証言台のパフォーマンスはなかなかのものだ。審判員への影響は決して無視できない。今回少年側の弁護団は著名な審判員スペシャリストを雇っている。この人はあの米を2分したOJシンプソン裁判(1995)で被告側を勝利に導いた功労者の一人だと報道されていた。

 

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