chuka's diary

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タッカーカールソン:議事堂襲撃はFBIの陰謀?説でトランプヨイショ!

タッカーのトランプヨイショの陰謀説は複数。何といっても一番有名なのは、「ハンターの地獄からのパソコン」です。このパソコンは本物だったようでこれには私も驚いた。ハンターバイデンはつい最近パソコン修理店のオーナーに対して損害賠償請求の民事訴訟を起こしたことからわかった。

 

タッカーはトランプ敗退後に「1/6議事堂襲撃はFBIの陰謀」説をヨイショ。しかし先週4月24日(月)に雇用主フォックスTVから突如クビに。理由は今もって不明。さまざまな憶測のみが流れている。

 

ところでタッカーカールソンがクビになる直前の4月23日(日)夜、米CBSの看板番組"60minutes"にレイ・エプス氏(=Ray Epps)(65歳)が登場。この人にはタッカーから暴動を扇動したFBIの手先とTVで名指しで糾弾された過去があった。

チョッと待ってくれ!

1月6日にホワイトハウスに隣接した、毎年クリスマスツリーを立てる広場で支持者を結集させ、とにかく議事堂へ行こう、私も皆と一緒に行くぞ!

と扇動したのは、外ならぬトランプだった。これは歴史的事実だ。

私もちゃんと実況中継でトランプの扇動を聴きましたが、なにか。

 

下のCBS動画の冒頭ではこのエプス氏が、

いいか、トランプ大統領の演説が終わり次第に皆で議事堂に向かうんだ!と皆に指令していた。大男の彼は元海兵隊軍曹。その日は砂漠色の戦闘服を着こみ、議事堂に向かって我さきに駆けっこ。とても60歳とは思えない雄姿です。

 

実はこの元海兵隊軍曹は議事堂襲撃前日の集会にも現れ、カメラの前で皆に議事堂内突撃の覚悟を群衆の前で一致確認させている。まさに突撃命令決行を前にしたコワい鬼軍曹そのもの。ただし彼はその時、周囲から、Fed ! Fed! と一斉に囃されたのです。

"Fed" とは言うまでもなくFBIを茶化す米俗語です。あの頃、FBIの手先がMAGAの過激組織に紛れ込んでいる、というのがトランプヨイショのメディア、Revolver 、によりしきりに拡散されていたからだ。この Revolver の主幹はタッカーと極めて近い関係にある、トランプ側近には稀な超インテリ。記事は一見論理的だが根底がトランプヨイショの白人至上主義で偏っているので気味が悪い。

 

ところで、上のエプス氏は武装民兵組織内ではちょっとしたセレブだった。数年前にはオースキーパーズ最大数を誇るアリゾナ州組織の会長を務めていた。だが襲撃を指導したオースキーパーズのリーダー達は叛乱扇動罪その他ですでに有罪となっているが、彼は全く除外です。

 

動画に示されているように、このエプス氏は議事堂前の警官のバリケードに最初に到着した暴徒の一人だった。カメラの前でバリケードを壊して警官に襲いかかろうとする暴徒に何やら耳打ちさえしている。

エプスは、暴徒に、警察官は敵じゃない、と言ったと番組の中では答えていた。

ホンマかいな? 

というのは、その直後にバリケードが倒され、女性警官が押し倒されて負傷。しかしその後のエプス氏は、ピース、ピース、と動画の中で暴徒に繰り返していた。

エプス氏の予定通り暴徒は議事堂内に突撃。しかし、エプス氏自身はUターン。それなのに甥には、彼が議事堂突撃に一役買った、と誇らしげな📲メッセージを送った。

 

事件後彼はFBIから真っ先に指名手配された。当然彼と行動を共にした若者達の多くが起訴されたのだが、エプス氏は早くも8月にはFBIリストから完全消滅。

これをキャッチした Revolver が彼をFBIの手先と認識。そこからはもう歴史です。議会でトランプヨイショの議員達が彼の実名を出し、タッカーカールソンも彼の番組でエプス氏をFBIの手先扱い。

これに対してエプス氏はタッカーカールソンは私に執念を抱いている、とまで言い切っている。

 

当然トランプもラリーでエプス氏の実名を出して動画に撮られた暴徒先導の彼の姿を身振りで茶化した。その途端、彼に対する脅迫が大ジャンプ。エプス氏夫妻はビジネスや一切合切を売り払い地下に潜伏し、トレーラーに住んで放浪生活を続けている。まるで映画『ノマド』です。今はコロラドの山中に潜伏しているそうです。

 

このインタビューを報道したCBSがFBIに繰り返し問い合わせた結果、最近になってやっとエプス氏はFBIに関係ない、という回答を得た。また1/6下院襲撃調査委員会の調査員の一人が、エプス氏のケースはあの日議事堂に集結したその他大勢のデモ隊の一人としてしか見ていない、と番組の中で💬し彼の重要性は全く否定された。

 

トランプヨイショを目的とするメディアは、タッカーカールソンに代表されるように、感情が先走りファクトチェックは御座なりになってしまっている。しかも、今年早々に下院のマッカーシー議長から議事堂警察所有の襲撃動画全部がタッカーに手渡された事が暴露された。その中からトランプに都合のよい(と思われる)箇所を番組でチラチラと公開していた。全くのトンデモ時事解説男です。

 

耳にキキーと響くあの甲高い声が耳障りです。確かにタッカーは才能あるコミュニケーターだった。キーは彼の英語です。こう書く私は一時期若きタッカーのファンだったのです。しかしいつも何を言っているのかはっきり理解できなかった。英語版巧言令色の典型です。

ハンターの件で再びカールソンの番組を視聴したが、焦点不明は昔と全く変わっていない。しかし昔はあんなに頻繁に甲高い声を立てていなかったと記憶している。

実はこのインタビューが原因でタッカーはフォックスから追い出された、という意見も出た。フォックスも早めにライアビリティ=高額訴訟、を消去した、というのです。

 

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