大統領選挙まで70日余り。拙州は共和党州なので郵便投票が可能かどうかこれから調べてみるつもり。トランプ情勢は日々に緊迫度を増している。TVでは、トランプが何をしでかすか分からない、という警戒警報が大っぴらに流されている。
先週の政治的大ニュースは何といってもバイデンのVP(=副大統領)にカマラ・ハリスが選ばれたという事。今週はバーチャル民主党全国大会でバイデンが指名される予定。この超高齢者の大統領指名も史上異例の出来事だ。
しかし、関連ニュースはまだまだ続くのだが、これらは日本ではほとんど取り上げられていないようだ。その中の一つは、ボルトン前国家安全保障長官、トランプの姪、メリー・トランプに続いて暴露本第三弾が出版される、というニュース。しかもこの本の著者はトランプと決別した元フィクサー、マイケル・コーエン元弁護士だ。トランプの最も恐れていた悪夢が選挙前に実現する。
マイケル・コーエンは選挙間際になって、トランプと一夜を過ごしたストリップダンサー、ストーミー・ダニエルズに慌てて口封じ金を払った。これが、大統領選の結果に影響するような情報を故意に隠してならない、という選挙法に触れ、起訴されて約2年間の禁固をくらった。
起訴状にある共犯者"個人#1”とはトランプを指している。この11月に再選されなければトランプは起訴され有罪となるのは確実だ。現職の大統領は起訴されない、という司法省ルールが適用されなくなるからだ。
ところがこの6月のコロナ感染の激発で刑務所がホットスポットとなった為、禁固数年程度の囚人は自宅監禁に回された。コーエンもその一人だった。しかし、コーエンは一週間も経たない内に再収監。理由は司法省の条件を拒否したからだ。その条件とは、自宅監禁中に暴露本を書かない、その目的でマスコミ関係と交流しない、というもの。これに対して連邦判事は、フリースピーチに反する、として刑務所から自宅監禁への再移送を命じた。その上、このような条件はこれまで先例がない、とコーエンを特別扱いしたバー司法長官を厳しく公開で批判した。
下はストーミー・ダニエルズ嬢の2018年の拙記事ですが、この時点ではコーエン元弁護士はトランプ側近でした。
https://chuka123.hatenablog.com/entry/2018/03/28/155527
コーエンの暴露本、題は、ズバリ"Disroyal". その イントロの部分が公表された。それによるとトランプのロシア・コネクションとビズネスの裏が暴露されるという。すでにコーエンは去年下院公聴会で、担保用には資産評価を大幅にジャックアップ、しかし税金には超過小評価にして払わない、というトランプ方式を証言し、それに依拠したNY地方検察庁がトランプ関係の書類をドイツ銀行からすでに取得している。この差額がコーエンの証言通りだと詐欺罪が成立するからだ。トランプはドイツ銀行からのローン返済に失敗、しかし逆にドイツ銀行に対して訴訟を起こしている。普通では考えられない関係だ。
しかし何といってもマスコミの注目は、あの"ゴールデン・シャワー”に。これは2016の民主党本部ハッキング調査をした‟スティール報告”(=Steele Dossier) に言及されすっかり有名になっている。
スティール報告ではトランプはモスクワのホテルに数人の売春婦を呼んでおしっこプレイ、ロシア側にビデオに撮られた、というもの。
一方のコーエンは、これは本当だが、しかしホテルはモスクワではなく、ベガスで、しかもそれはトランプ夫妻が滞在したルームのベッドだった、となっているとか。ひょっとしてトランプはこういうフェチにハマっていたのかも知れない。
下はコーエンの暴露本動画。
もしこれが事実なら、トランプがけちょんけちょんに貶なしているスティール報告の確実性がまた上がります。まず、動画冒頭は、本を書くつもりかどうが共和党議員からしつこく質問されている下院公聴会のシーン。それほどコーエンの暴露本はトランプにとっては怖ろしいものになる。まさに”オクトーバーサプライズ‟そのものだ。
しかしこれに関連するかのように、つい先日、上院のロシア捜査の報告書が公開された。これは共和党下でなされたものでモラー以後も調査が続けられていた。驚くべきことは報告書はコーエンを裏ずけている。トランプはロシアから違法ハッキングの情報を受け取り、盟友ロジャー・ストーンを使って公開させた、という結論。しかも、選対委員長だったポール・マナフォートはロシアの情報将校とペアで活動していた、つまりロシア・スパイだった、という事です。
https://www.youtube.com/watch?v=3NZZ-XaUdk8&t=141s
Michael Cohen Releases Forward To New Memoir, ‘Disloyal’ | All In | MSNBC