chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

テキサス小学校乱射事件は何処へ行く!?

この事件は長く尾を引きそうだと予想した通りになっています。この乱射事件は今や複数の方向へ走りだした。その中には闇の中に葬りたい人達がいることも確かになってきた。

 

先々週金曜日にはテキサス州交通安全局代表が記者会見で地元警察のやり方に落ち度があった、と批判したため、米国内で大騒動を引き起こした。

この事件を銃規制と結びつける人達は、バイデン大統領が先週木曜日に銃規制を米国民に呼びかけたのをチャンスと見て、民主・共和両党による妥協法案を議会に提出することを目指している。その一方、これは偶然だが、NRA(=全米ライフル協会)の総会が先週末にヒューストンで開かれ、土曜の夕方にはトランプがスピーチのトリをつとめ、規制大反対を打ち上げた。

 

NRAは反銃規制で金を集め政治家にバラまいているロビースト団体。だが会長の汚職がばれ一時落ち目になっていた。しかし米の銃規制は各州で立法化されているので、連邦議会の妥協の効果は期待できないのが現実。

このテキサス州は今年の初めに酒、タバコの購買年齢を18歳から21歳に引き合げている。しかし、銃は18歳で無条件で買えるという不思議の国。州議会を牛耳る共和党はこれは自由を愛するテキサスの誇りだそうだ。

 

トランプのスピーチは内容が劣化してしまい内容はまともに取り上げられない。が彼はいまだに人寄せパンダとして根強い人気を維持している。トランプは冒頭で出席をドタキャンしたテキサス州知事アボットを、そんな事までする必要あるのか、と鋭く批判。

しかし翌日の日曜日、バイデン氏の訪問の前を狙ってウバルデに到着したアボット知事は、住民からブーイングを受け、それ以来沈黙撤退。

 

それに呼応するかのように捜査関係者達がピタリと口を閉ざしてしまった。とにかく犠牲者達の葬式が終わるまでは、という口実で事件は全くの闇の中。ただメディアの執拗な追及のみが頼みの綱となっている。

 

まず、警察側の落ち度があった、と指摘したのは、州側だった。ターゲットになったのは現場の指揮を取ったウバルデ市学校警察の監督だったアレドンド氏。そこでメディアは一斉にアレドンドを追跡。しかし、彼は隠れて出てこなかった。今やっと顔は出したが厳重警護下でメディアとは完全遮断である。

また州側は学校の教師の一人がロックされていたドアを開けて犯人を入れた、と批判し、これも大騒ぎとなった。

 

トランプはあのNRAの集会で、こういう乱射を防ぐ為にはもっと金を出して頑丈なドアを装備することだ、と繰り返した。トランプヨイショのクルーズ上院議員は、襲撃事件の原因はこの教師だと大っぴらに非難し、逆に非難を浴びた。

だが、この問題の教師はアノニマスのまま弁護士を通じて弁明した。この教師は自分の車に受け持ちクラスのグッバイパーティの食べ物を取りに行った時に鍵を使ってドアをアンロックした。その時外で犯人のトラックが学校の傍の道で事故を起こし犯人が発砲したのを目撃、一旦中に入ってセルフォンで警察に連絡したというのだ。それで様子を見に再び外に出ると、今度はフェンスを越えていた犯人と目があった、という。それで慌てて中に逆戻り。今度は鍵をはずし、ドアを蹴って閉めたがオートロックのはずなのにドアはロックされなかった、というのだ。

 

ところで学校警察監督のアレドンド氏は部下5人で学校警備を仕切っていたのだが、今年の2月にはこの小学校で学校乱射の実地訓練を受けていた。その警察官向けのマニュアルには、人命にかかわるので覚悟ができていない警察官はこの職につくべきでない、と書かれていたことが報道。マニュアルに沿って速攻攻撃しなかった為に学童が次々と撃たれほったらかしにされ死んだ、というので、アレドンド氏は学校警察監督の資格なし、といって厳しい非難を受けた。

 

最初の説明では学校警官2名が外で犯人と遭遇した、となっていたが、それが次には一人、で今回は警官は最初からいなかった、に変わった。しかし、警官がパトカーで犯人を追い越して小学校に到着した、とも報告されているので何が何だかわからない。

犯人に続いて7人の警官が校内に入って追われた犯人は発砲しながら4年生の教室へ侵入。その時点でアレドンド氏は犯人は教室に立てこもりこれ以上動きはないものと判断し、警官全員待機を命じた。しかしその後も内部で銃声が続き、教室内からは助けを求めるセルフォンが警察や家族にかかってきていた。一説によれば突撃した国境警備隊も待機せよという彼の命令を無視したとも報道されていた。

 

このアレドンド氏はすでにユバルデの市議に当選していて、先週の金曜日の市議会で宣誓をして就任する予定だった。しかしここの白人市長は事件のせいで市議会は開かないと宣言。だが土曜日にこっそりと市長立ち合いで宣誓し市議に就任してしまった。その後の教育委員会の会合でもアレドンド氏に対しては何もなされなかった。普通なら捜査が終わるまで行政的休職となるはずだ。

 

というので、テキサス名物のボス政治を口に出す人がメディアでも続出。

ユバルデのような田舎郡の人口は80%以上がメキシコ系ヒスパニックなのだが、なぜか白人市長が君臨する白人共和党の牙城となっている。テキサス州の人口は、白人が40%未満、ヒスパニック(=メキシコ系)が40%以上、残りは黒人なのだ。だからトランプ王国を維持するにはメキシコ系の支援を取り付けることが絶対不可欠。

 

州にせよ市にせよ一体いつになったら情報を公開するつもりかという懸念の声が高まっている。