chuka's diary

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米軍人控訴棄却:居眠り運転 vs. 高山病 !?

先週、注目を浴びたニュースにリッジ・アルコニック米海軍大尉による控訴却下があります。詳細は下の記事で。

news.yahoo.co.jp

 

この事件は米メディアでも取り上げられた。下は米CBSで報道されたニュース動画です。この事件、今や日米関係にテンションを生じさせている。

 

被告の名はリッジ・アルコニス(=Ridge Alkonis)。しかし日本のメディアは日本式に表記している。発音はアルコナィスに近い。どうやらエスニック系苗字のようです。

 

最初のクリップは事故について。

ご家族の団らんシーンは最近のものだそうで、家族内ではできるだけ明るく振る舞うように努めている。

アルコニス被告自身は弁護士から発言を差し止められているので、ここではブリトニー夫人が、今回の控訴棄却にはとても失望した、と述べた。

控訴では、被告の急性高山病障害が原因で運転中に意識を失った、それで執行猶予を期待していたのに、高裁判事は事故原因は居眠り運転という一審を支持。従って禁固3年判決は変わらず。

 

事故については心から犠牲者側に謝罪し、少なくとも約一億6500万円以上の損害賠償金も払った、控訴ではぜひその点を考慮に入れて欲しかった、と涙ながらに全米に訴えています。

米海軍はこの控訴棄却で禁固3年が保持されたのは厳しすぎるという見解を、軍関係者の間でもっとも読まれている"Stars &Stripes "紙で公開している。

 

夫人は、米大統領と米大使の直接介入でアルコニス氏は日本での収監が回避できるはずだいう希望で結んだ。

しかし、彼は数日前に加州在住のご両親に付き添われすでに刑務所に収監された。

 

www.youtube.com

 

まず私の印象ですが、米では、ドライバーによる過失致死は一人最低2年から20年の禁固刑となっているので2人殺害で禁固3年というのは米でも悪くないと思っている。しかし、これでは軽すぎて被害者を馬鹿にしている、というのが残された遺族の声なのです。

 

米国では事故ったドライバーに責任がある。交通法規ではドライバーは常に要注意体制を維持する義務がある、というのが基本線。具体的には運転中は各ミラーのチェック続行、車線チェンジは必ず振り返り後ろを確認、前の車との距離の厳守、等々、なかなかうるさいのだが、これ守る人いるのですか?

上のは加州だが、あの州のドライバーの態度は最悪。駐車場スペース争いで殺されそうになった。

 

このアルコニス事件では、事故前に少なくとも一度は方向を外れて被告がハンドルを切って戻した、と報道されている。被告のミニバンにはご家族4人が同乗しており、これだけでも非常に危険な状態であった。この点では少なくとも被告は車を一旦止めるべきだった、と指摘した高裁判事は正しい。

 

実は私は居眠り運転の大ベテランなのです。居眠り運転というのは、運転している時に意識不明となり車がそれてしまう。車は何もしないと次第に右側に逸れる上、道路のカーブでも逸れる。この私は夜勤後、高速道路で毎回眠気に襲われるようになった。それでコンビニに駆け込んではコーヒーをがぶ飲みし、カフェイン錠をかじったものです。おかげで胃が悪くなった。そして最後は職場から高速道路で10分の地に引っ越した。それまでは高速道路で少なくとも40分の郊外に住んでいました。米の高速道路のスピードは時速100キロ以上。事故に至らなかったのは、まず第一に運が良かった、片側4車線なので他の車が私を避けてくれた、都市と反対方向なので空いていた、ということでしょう。

 

世間を騒がす事件というのには、興味を引く背景がよくあるものですが、この事件も例外ではないようだ。被告のアルコニス(Alkonis)大尉は、アナポリス海軍士官学校出身。いわばアナポリス出身者は将来海軍を背負って立つ人材層を形成している。

だから彼の海軍でのキャリアはこの事故で終わりです。しかし、海軍を追い出された?同じアナポリス出身のカーター元大統領の例もある。カーター氏は無能大統領と在任中は非難されたが、元大統領として最高の人格者という歴史的評価と名声を獲得。人生はわからないものです。

 

もう一つの点はアルコニス氏はモルモン信徒でアナポリス在学中2年休学して伝道活動に従事。活動地は日本で、その為日本語が達者で大の日本好き。そして今回の事件でアルコニス氏支援を名乗り出たのは、モルモン教の本拠地ユタ州の共和党上院議員です。

 

下が彼の議会でのスピーチ動画です。リー上院議員は、

この事故は医療事故と見なされるべきで本人には過失なし。それは海軍側の調査結果で明らか。しかし事故当時アルコニス氏はそのまま長期拘束されてしまい当人の医療介護も受けられず米軍側の調査も妨害された。これは友好国の米国軍人に対する取り扱いとしては配慮を欠いたもの、と日本側を手厳しく批判。

 

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