chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

大泣きの殺人少年リッテンハウス!?

前回はバージニア州知事選に勝利した共和党ヤンキン氏の17歳の息子の投票騒動について書きましたが、今回は今進行中のリッテンハウス少年(当時17歳)の裁判について。

この殺人事件が起こったのは去年の8月25日。リッテンハウスの殺人事件はウィスコンシン州ケノーシャで2日前に起きた黒人のジェーコブ・ブレイク氏29歳の事件が原因だった。この事件でウィスコンシンの田舎町ケノーシャでは夜間外出禁止令にもかかわらず連日BLM系の抗議デモが続き店舗が焼き討ちにあっている。

白人警官の暴力に対するBLMのプロテストの真っ只中。この少年はトランプ支持反BLMの武装民兵の一人としてプロテスト参加者の2人を射殺、一人に重傷を負わせたことから、彼を支持する人、しない人は、ほぼ政治ラインに沿っています。私のブログでも去年記事にしていました。

 

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この記事中のニュース動画の後半は殺人のシーンが含まれている。リッテンハウス少年は目撃者とビデオからも殺人を犯した事は疑いの余地はない。この少年が殺傷した3人は全員白人でした。

 

しかしその後犠牲者ブレイク氏を背後から撃った警察官は何のお咎めもなく復職。胃及び大腸と結腸の切除を余儀なくされ、腎臓も損傷したブレイク氏は今年3月に加害者である警察官個人を相手取り市民権侵害を理由に損害賠償訴訟を起こしている。

 

州検事と司法省による捜査報告の内容が公表されているのかどうかは知らないが"処分無し復職"は納得できない、というのが私を含めて多くの市民達の印象です。事件の動画を見た限りでは明らかにこの警官はやり過ぎだ。

 

下の動画は自ら証人台に立ったリッテンハウス少年。しかし彼は第一人目を殺した時のトラウマを思い出し激しく泣き出してしまった。

 

検察側からの彼の罪状に一級殺人二件と一級殺人未遂が含まれている。これで有罪になれば一生監獄で暮らすことになる。彼の無罪へのチケットは正当防衛のみ。

 

彼は17歳なのでウィスコンシン州法では銃所有を一切禁止されていた。それにもかかわらず成人である知人にAR-15というAK-17と紛らわしい名のついた国産の殺戮用自動小銃を買ってきて貰い、住居のあるイリノイ州から何と母親に運転して貰って隣の州のケノーシャに駆け付け、そこで銃を受け取り白人優性主義の民兵組織に参加。自分を救急員と宣伝しながら調子に乗って動き回っているうちに仲間とはぐれてしまい、いわば敵側の人達の中に唯一人という危機的状況に陥った。

 

少年の母親は涙ながらにインタビューで、この子は人殺しをするような子ではない、と言い切っている。

 

しかしあの時のケノーシャでは誰もが興奮しアタマに血が上りっぱなしでもう自制が効かない状態に達していたようだ。

自動小銃を身に付けたトランプ側の少年に激しく敵対し素手で追い回した全く非常識な者まで現れた。これが最初の殺人に繋がった。

2番目のは少年が逃げる途中につまずき転んだ隙を狙い肩をスケートボードで殴打した男。3番目はピストルを正面から突きつけられ重傷を負わせた。

 

これでは州法による自己防衛が成立しそうだ。自己防衛を成立させる危険度の認識は本人次第という解釈が強い事もこの少年の助け船になるだろう。

 

リッテンハウス少年の銃の違法所持に関しては先例判決がある。これはNYで起こった正当防衛殺人事件で、自己防衛が優先してこのケースに該当する容疑者は無罪となっている。この判決でも米世論は銃所持の是非で真っ二つに割れた。

 

この事件もただ今進行中の裁判も政治が特に絡んでいるので大きな関心が寄せられている。公開裁判なので録画された裁判の模様はYouTube動画としていつでもアクセス。

 

当然ながらトランプはリッテンハウス少年を"愛国者"として褒めちぎってきた。反トランプ側からは少年は殺人鬼に匹敵されている。

 

早ければ来週早々にも審判員からの判決が下されるはずだ。

下の動画のリッテンハウス少年の証言台のパフォーマンスはなかなかのものだ。審判員への影響は決して無視できない。今回少年側の弁護団は著名な審判員スペシャリストを雇っている。この人はあの米を2分したOJシンプソン裁判(1995)で被告側を勝利に導いた功労者の一人だと報道されていた。

 

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バージニア知事選で"親の顔が見たい"!?

先週の11月2日に行われたバージニア州知事選で共和党のグレン・ヤンキン氏52歳が少差で当選。この調子では来年の中間選挙が危ない、と反トランプ側に危機感が高まっている。

しかしこのヤンキン氏はいわば従来の共和党若手新人候補者のモデルを踏襲し、別に珍しくもない。日本でも一時流行語となったM&A分野で成功した金融会社のCEOにのし上がった人として紹介されている。しかもハーバード大MBAが売り物の。

 

しかし彼はブッシュやトランプと違い、ビジネス手腕やインテリジェンスに疑問が付きまとう人ではないようだ。

 

ヤンキン氏は生粋のバージニアン、つまりバージニア生まれのバージニア育ち。バージニアはイギリス人が最初に入植した地であり米国内で歴史を感じさせる数少ない州の一つだ。ヤンキン氏はジェントルマンのもの腰で都市郊外浮動票、特に女性票を反トランプから奪い返したようにも見える。

 

それよりも今回の共和党勝利はバージニアには"新大統領の後の知事選では反対党が勝利"というジンクスに大きく影響されたと見ていい。2016年には私達はオバマの次は共和党と思っていたくらいです。しかしトランプのは惨すぎた。

 

むしろ2024の民主党大統領候補は一体誰になる?を真剣に考えた方がいい。

 

しかしこの知事選直後に勝利者ヤンキンに大きなケチがついた。これも現民主党知事が就任直後に起こったブラックフェイス騒動によく似ている。

 

ヤンキン氏息子の事件が起こったのは投票日の11月2日の朝。一人の若者がひょっこり地元図書館の投票場に現れた。規定通りドライバーライセンスを提示して貰うとこの若者は17歳。

米国では18歳で選挙権を得る。そこの選挙管理員は名前からしてヤンキンの息子の一人らしいと直感したのだが、その時選挙管理員は、彼には選挙権がない、と説明した上、ヤンキン少年は選挙登録をしていないのでその場で登録することを申し出たそうだが少年は好意を断りその場を去った。しかし、約20分後にこの少年、投票所に舞い戻った。同年の人が投票したので自分も投票できる、と主張。再び選挙管理員に拒否され、去った。

 

この出来事は選挙管理員のインシデントレポート(事故報告)に記録された。

この選挙区を管轄する郡では、このヤンキン少年はただ投票所に行っただけで違法行為は何一つしていない、だから起訴はおろか捜査もしない、と発表。主要メディアもこれを報道した。

 

その後は、17歳だというのでメディアによる名前と写真報道もなく、ヤンキン側も貝のごとく口を閉ざしている。

 

だが、メディアへのコメントには、明らかに手加減だ、もしこれがヤンキンの息子でなく黒人だったら厳しく捜査され起訴になっていたはず、というのがかなりあった。

またヤンキン少年は一体どちらに投票するつもりだったのか知りたい、というのも多かった。

しかし、ヤンキン氏は選挙中家族の結びつきの大切さを強調していただけに、

 

一体家庭でどういうコミュニケーションをしていたのか?

甘やかされたバカ息子! 

(事件後の)親の顔が見たい! というヤンキン批判コメントがゾロゾロ出ていた。

 

下のソングはつい最近大流行しているとか。元歌はすっかり大ヒットだそうですが、英語の歌詞が凄い。十代の頃のうちのガキ共が狂った時の言い返しにそっくり。米では十代の子を持つ親の苦労は大変です。まず警察のお世話にならない事が第一。それでヤンキン氏への同情の声も結構出ています。

この時期に親からの独立がいよいよ行動化するのだが、その反面、彼らの内面の抵抗は凄まじい。Separation anxiety(別れに対する不安症状)でしょうかね。

 

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ダイアナと王室という☠毒家族!?

去年の11月にNetflixで配信された"The Crown"のシリーズ4は世界中で大ヒット。下の動画はダイアナの生前のニュース報道とネトフリのシーンをうまく抱き合わせている。ダイアナ役と本物が恐ろしいほど似ているので皆驚いた。

 

この王室ドラマは女王の要請でフィクションだと最初に断りを入れているのだが、視聴者はそんなことにはお構いなし。それに制作にかなりの金をかけたせいで女王一家が集まるスコットランドのバルモラル城のシーンを始め海外ロケもふんだん。ベテラン俳優に混じって若手も熱演で皮肉めいたセリフがたまらない。特に鉄の女サッチャーが横から人気をかっさらった。

 

チャールズは甘やかされバックボーンに欠けたとっちゃん坊屋、ダイアナは未成熟だが妙に老練な情緒不安定な妻として描写されている。これにはさすがにウィリアムとハリー両王子も抗議したといういわくつきのドラマだ。

この二人にして見れば両親がコケにされた格好。その点は心から同情に耐えない。

 

今月はCNNで"Diana"というドキュシリーズがスタート。こちらはニュース記録とダイアナ自身の録音、関係者のインタビューがもとになっているのでかなり詳細を極めている。

 

王室はニュースの元。しかし女王側の口の守りは固い。これを " stiff upper lip" (=凍りついた上唇)と言う。女王側近の関係者は王室のゴシップを一切漏らさないのが鉄則である。女王側はこれを利用しこれまでメディアを厳しくコントロールしてきた。フェアリーテイルのような王室一家のイメージは女王側が創り出したものだった。

 

しかし、これに真っ向から歯向かった王族が現れた。故ダイアナ妃は極秘に自分の心境を録音し、女王の手が届かないうちに独自に暴露本  "Diana-her true story" を発行。この本にはカミラとの3角関係が焦点となっていてダイアナ側の情事は全く触れられていなかった。しかし本の発売後にダイアナの男関係が暴かれ始めた。

 

今回の" Diana"によるとダイアナの反逆の動機は、2人の王子(ウィリアムとハリー)親権を取りあげられるのではないか、という恐れだと憶測している。何しろ彼女の将来は女王の決定にかかっているのだ。

 

ダイアナ妃は1997年8月31日(37歳)、パパラッチの執拗な追跡が原因でパリ市内の高速トンネルで自動車事故に巻き込まれた。肺動脈損傷個所発見が遅れた為、出血多量等で意識不明に陥り心肺蘇生の効果なく約2時間後に心停止となった。(フランス人救急医師のインタビューより)

 

下の動画の後半では、ダイアナの最初の愛人と見なされている当時の彼女の護衛武官の存在がトピックにされている。

 

ダイアナは1981年に20歳になったのを待ちかねたように13歳年上のチャールズ皇太子と結婚。しかし結婚前からカミラが浮上しダイアナは結婚をためらった、と自らの録音で述べている。

やがて二人の王子が誕生したが、夫婦仲が非常に気まずくなった1985年にお付きの護衛官と親密になった。この男性はチャールズとほぼ同じ年齢で二人の子持ち。動画からしてイケメンでもないようだ。だが、チャールズとは違い、ダイアナを常に慰め励ましてくれたとかで、本気だった、とまで彼女は告白している。

 

しかしすぐに二人の関係を知った上官がこの男性を急遽配置転換。ダイアナは深く落ち込んだ。事情を知らないチャールズはこの男を呼び戻すよう要請したのだが、上官に理由を示唆され二人の関係はそこで何かが変わった、とドキュシリーズでは解説されている。

 

チャールズはカミラの元へ戻った。二人の交際は側近の目を引くようになった。

 

この護衛武官は一年後に交通事故で亡くなっている。しかし、ダイアナはこの男性が去ったあと、すぐ次の相手との関係をスタート。相手はチャールズのポロチームのメンバーだった陸軍大尉ジェームズ・ヒューイットだった。

彼とは4年間も続き、ポイした後ダイアナは次々と相手を変えた。

 

チャールズとの険悪さがメディアにも見え見えになり、1992年に女王により別居させられ1996年に双方が離婚に合意。

チャールズとダイアナは10年以上も針の筵に座らされたまま結婚という罠から抜け出せなかった。

 

この二人の離婚で英王室は危機を迎えた。女王側の🤥嘘が人々の批判の的となった。

 

英王室の税金負担は一人$1.6=約200円に満たないが、欧州の王室維持費としてはダントツに高額。王室は成人15人と子供3人の公務で政府から収入を得ている。しかし王室維持費は近年特にウナギのぼりだ。英国では王室維持費を負担する財政的余裕が無い、という見方が拡大していると言われている。欧州ではスペインに次いで国王の存続が危ぶまれている国なのだそうだ。

 

来週CNNドキュシリーズは第5話、The Price of Freedom、を配信予定。Netflixは"The Crown"シリーズ5の撮影に入っている。

 

 

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真子さん小室さん、Congrats 🎊 & Forever Love💛 

ウエディングは人生で最高に幸せの時。花嫁と花婿は、いわばその日限りの" Queen

& King" 。

だから二人の新しい門出を祝福しない人はいない。

小室圭・真子さんの結婚も世界中で祝福された、ただしある特定の日本人集団を除いて。

 

特にこのカップルは二人の結婚を妨害しようとする日本人集団によって4年間も待たされた。その間日本国内のメディアバッシングや個人的ハラスメントは目を覆うばかり。真子さんはついに30歳に達し、近い将来ご家族を計画するなら遅すぎるくらいです。

 

下の動画はインド系の国際的時事解説ニュースから。

 

皇室の結婚式は約十数年ぶりなのに、真子さんのウェディングには結婚を祝福する群衆の姿は無い。原因はこの結婚に敵対する意見が大きいからだ。

日本国民の多くはプリンセスが平民と結婚するのに我慢ができない。

しかも相手は母子家庭出身。母親の金銭的スキャンダルが報道されると、プリンセス真子は特に義母のことで相手の選択を間違ったとメディア及び国民に執拗に批判され続けた。

プリンセス真子現天皇の姪、婚約者は米国法科大学院卒の弁護士志望、とまるで現代のフェアリーテイル。しかし現実は正反対。

 

2017年に婚約を発表して以来、メディアでスキャンダルが報道され二人はタブロイドの熱狂的バッシングの標的となってきた。二人は同じ大学の学生時代に知り合った。

真子さまは小室さんの人生に対する真剣さに引かれ、小室さんはプリンセスの年齢を越えた落ち着いたもの腰に引かれた。プリンセスは小室さんを太陽にたとえ、小室さんはプリンセスの月のような美しさに引かれた、と会見で述べている。

 

もうこうなると韓ドラの世界です。2012年の世界的大ヒット、"太陽を抱く月"(=Moon Embracing the Sun)を思い出す国内のファンも多いことでしょう。

 

幼い時に父親と祖父を亡くした小室さんは母親に育てられたのだが、母子家庭は日本では見下されている貧困階層の一つ。まともな子は育たないという偏見の対象ともなっている。

 

原因は日本の"女性ヘイト"である。

 

2018年2月に小室さんの母親が$36,600(約400万)を元婚約者から借りているというタブロイドの報道で数週間後に婚約は延期された。それ以来日本のメディアは重箱の隅を楊枝でほじくるごとくカップルの動向をあることないこと逐一報道し、二人を追い込んで来た。

わずか一か月ほど前にもNYでキャッチされた小室さんのポニーテールまでタブロイドは皇室の結婚相手としてふさわしくないと激しく批判。

真子さまには今やPTSD症状が現れていると宮内庁側が発表。表向きはこれが原因でウェディングもなく、カップルはNYで新生活をスタートさせることになっている。

しかし、このままこのカップルが静かにNYで新婚生活を送れるのか?その先例はハリーとメーガンだ。この二人もパパラッチに追い回されているのだ。

 

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トランプ、1.6下院調査委員会と国立公文書館を訴える!?

昨日10月25日の" Rolling Stone" (=ローリングストーン)の特ダネ記事でトランプのクーデターに直接加担したとみられる共和党下院議員の名が公開!

その数日前にはWaPostが1/6クーデターの指令部であったウィラード・ホテルでの活動を暴露。ここの賃貸料=約560万円はトランプ選挙資金から調達されていた。

 

バイデン政権はトランプのクーデター疑惑を認め国立公文書館に送られたトランプ政権末期の関係書類を調査委員会へ公開する事を決定。これには1/6クーデター前後のトランプのコミュニケーション・ログが含まれている。これはトランプがクーデター司令部と連絡を取りあっていたという証拠となるはずだ、と憶測されている。

 

トランプが追いつめられている。

 

下院調査委員会はつい先週、トランプ側近のスティーブ・バノンを召喚拒否で司法省に起訴を要請したばかりだ。バノンは召喚直後にトランプが出した"executive order"(=大統領特権)を理由に拒否。

 

しかしこの大統領特権は現行の大統領にのみ属するもので前大統領には無し、というのが今の法解釈となっている。しかもバノンは2017年の始めにトランプと衝突し政府から辞職しているので大統領特権はバノンをカバーしない。この件でもトランプは米の法曹界から失笑を買っている。

 

トランプはこの下院調査会を妨害しようと躍起となっているようだ。

先週の月曜日10月18日、首都ワシントンの連邦裁判所で、文書公開要請をした下院調査委員会の代表トンプソン議員と調査委員会そのもの、そしてこの要請を公式に受けた国立公文書館代表と国立公文書館を一挙に訴えるという怪挙に出た。

 

原告は言うまでもなくフロリダ、マーラーゴ在住のドラルド・トランプ。この26頁の訴状はネットで全文公開。だが原告は米市民に戻った前大統領というのではない。

訴状には"45代米大統領の職権を有するトランプ" と特別な但し書きが付いている。私には意味不明。最初からトランプがいかにも大統領特権を持っているかように混乱させるいわば見せかけ詐欺だ。

"Here goes again !" (=またかいな!)と言って笑いたいところだが、笑えないのが現状だ。

 

訴状では、冒頭で下院の文書公開要請の目的は彼自身へのハラスメントとズバリ一言。その上、下院の職務は立法でこの調査自体は下院の職域をはるかに超えた違憲行為だと告発。トランプ政権の文書は12年間非公開が原則となっている。今回の下院の要求はそれを反古にする理由には至らない、と主張。

 

その証拠として1/6の暴徒による議事堂乱入は警備側の不手際が原因だと指摘。FBIは謀議の証拠はないと報告しているというのだ。

トランプが彼の訴状で要求しているのは、文書公開の即停止とトランプ側の裁判費用の全額払い戻しである。

 

しかし、このトランプ訴訟には大きな落とし穴がある。

それは1974年のウォーターゲート事件での裁判所によるニクソン・テープの公開命令である。弁護士出身のニクソンはこれで観念して大統領を辞任した。当時のニクソンが主張した現職大統領の特権が法により否定された。大統領特権は大統領の犯罪隠しではない。この落とし穴を飛び越えるのはほぼ不可能、というのが法曹界の一般的意見である。

 

帰って来た"007":元英国諜報部員スティール!?

先週、"トランプのゆっくりクーデター"がメディアをにぎわせたのも束の間、今週早々からトランプ特報が続いている。

 

まず日曜日の朝、ABCの著名な政治解説者のステファノプロス氏があのスティール・ドシエで名をはせた元英国諜報部員クリストファー・スティール氏とのインタビューの一部を突然自分の番組で報道。全インタビューはHuluTVストリーミングで翌日に公開するというのでメディアが大騒動。私はHuluTVを使用しているので時間帯をチェックすると最初のは何とAM2時!それはパスして、結局夕方に見ました、いや聴きました。

それにしても、このスティール氏は5年間姿を消していた人です。

 

ところが同日にトランプが1月6日下院調査委員会と国立公文書館に対して訴訟を起こした。実際の目的はトランプ関係の公文書公開を遅延させる為だ。トランプはすでに証人喚問された側近4人に大統領特権により喚問に応ずるなと命令していた。しかし、今の法解釈では大統領特権は現大統領が持ちトランプのはすでに消滅しているそうな。本当に懲りない人騒がせ老人だ。

 

しかも今日21日木曜日には、自分で新にツィッター、"Truth Social "  を打ち上げると大花火。このSNSは言論の自由を看板に掲げてはいるが、真実は規則にある通り、トランプの意見に反対したり批判することは禁じられている。つまりヨイショ専門だ。

 

スティール・ドシエはもう国際的に有名過ぎる。しかし名が特異だ。というのは、ドシエはフランス語だからだ。日本では"スティール捜査報告"とか"スティール文書"と訳されている。ドシエ(=dossier)は仏語で同じ意味だが、特に🕵探偵帳という意味があり、探偵小説のことだ。このドシエを書いたクリスファー・スティールは元英国情報部員で長年ロシアの情報収集に当たっていた。いわば007のジェームズ・ボンドと同じ。だからこれはからかった言い方なのだ。

 

下の動画でも彼はブリティッシュ・アクセントの英国紳士だ。しかし、本人によれば、彼は最初はフュージョンGPSという米の探偵社から共和党関係の金で雇われた。トランプのプーチンコネクションの調査だった。しかし、資金提供者が手を引いた為、フュージョンGPSは民主党に鞍替え。スティールは捜査を続けた。その成果がスティールドシエだが、2016年末から怪文書として米政界に出回った。しかしスティールは捜査結果をFBIに前もってプーチンの選挙介入として報告していた。それは大統領選の数か月も前だった。だから、コミのFBIはロシアの選挙干渉を早くから知っていた。2017年の3月にはコミ元FBI長官が下院でスティールドシエを捜査中だと証言している。その後にトランプはコミを罷免、捜査はモラー特別検察官に引き継がれ、このドシエの登場人物数人が起訴されたが、トランプにより去年赦免されている。

今スティール氏自身が現れたのでロシアゲート捜査のこれからの展開を期待したい。

 

ところで下のは特に有名なトランプの"ゴールデンシャワー"についての拙記事です。

実は今偶然にもマイケル・コーエンの" Disroyal" 2020 を読んでいる最中。

 

この本によれば、トランプは当時ミスユニバース・コンテストの半分を所有、2012年の世界大会が開催されたラスベガスで、翌年2013年モスクワの世界大会を仕切るロシアのオリガーク(=プーチン側近の財閥)親子の招待でベガスの怪しいエログロ・ショーを秘密クラブで見物。そのショーで男がおしっこをして相手の女がそれを呑むというのがあって、トランプはいたく気に入っていた、とコーエンは書いている。

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https://chuka123.hatenablog.com/entry/2020/08/20/064804

 

下の動画でもそれがターゲットになった。この動画では、2013年のミスユニバース世界大会でモスクワを訪れたトランプは売春婦数人とリッツカールトン・ホテルの部屋のベッドでおしっこをした。そのベッドは実はオバマ夫妻がモスクワを訪問した際に寝たベッドだったというもの。これをロシアの情報部がビデオに撮ったとスティールは確信している。これがプーチンの手なのだ。

 

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https://www.youtube.com/watch?v=8nIxWCC6xRk

R.I.P  コリン・パウエル

今朝日本のニュースで知りました。コリン・パウエル元国務長官(82歳)がコロナ関連疾患で亡くなっています。最近の米のニュースは日本と同時なので驚きです。

下の動画で、大ベテラン・ニュースキャスター、アンドレア・ミッチェルが明かしていますが、パウエル氏は晩年の三年間、MM(multiple myeloma=多発性骨髄腫、悪性のプラズマ血球病)という不治の難病にかかっておられたようです。このような方々は🤧カゼでも容易に肺炎や血液感染症に繋がってしまう。

 

ところでこのパウエル氏のスピーチを私は80年代に直接聴いたことがある。彼は某大学の卒業式の送辞スピーカー(=commencement speaker )だった。

 

その時私は大学の体育館の二階の最先端に陣取っていました。

たしかパウエル氏はその時国家安全保障補佐官だと思います。とにかく彼は時の人だった。理由は米で最初の黒人政府主要高官でしかも共和党政権下だったからです。

1964年の公民権法確立以来20年、黒人スラム街の拡張が社会問題化した半面、やっと黒人ミドルクラスの拡張が見え始め、保守共和党支持が黒人層にも広がっていった時期でもあった。これはアファーマティブ・アクションの成果だと見られている。

 

パウエル氏はスピーチがうまかったというのが拙印象でしたが、しかしとにかく長かった。1時間近く話していた。集中力に問題のある私は持て余し気味。

 

内容で今記憶に残っているのは、パウエル氏がベトナム派遣を終え米国に帰還した際、奥さんの実家のあるアラバマ州へ旅した時も黒人専用のモーテルを使わなければならなかった、と述べたこと。

時は1960年代初頭、ジム・クロー("カラスのジム"法)と蔑称された州法で南部では厳しいアパルトヘイトが実施されていた。

そうなのです。アパルトヘイトは南アフリカだけではなかった。"separate but  equal"(別々だが平等)が米最高裁の修正14条(=法の下の平等)解釈として通っていたからだ。

 

最後にパウエル氏は、

" I envy you"

(=君たちが羨ましい)と卒業生に繰り返し言っていたことが記憶に残っています。

コリン・パウエルはNY育ちなので南部のアパルトヘイトを知らない。しかし彼が南部に旅する時には、"グリーン・ブック"を携帯した、とアンドレア・ミッチェルは動画で述べている。"グリーン・ブック"は黒人用旅行ガイドで、黒人専用のホテル・モーテル・レストランが載っていた。一歩間違えば、命にかかわりますから。

 

動画では、パウエルはクリントンを毛嫌いしていた、と面白い事を言っている。理由はクリントンを徴兵逃れと見ていたからだそうだ。それならトランプの方がもっと酷い。こちらは親子ぐるみの陰謀。しかし、パウエルを国務長官に抜擢したブッシュも徴兵逃れをしているしゴアもお仲間の一人です。

 

パウエル元国務長官は後年オバマ氏を支援。去年はバイデンに投票し反トランプ共和党の一人だった。

 

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https://www.youtube.com/watch?v=M8pOgzRCzJc