chuka's diary

万国の本の虫よ、団結せよ!

公聴会第4回 : この私が大統領のヘイトの標的になった!

今週6月21日(火)の1/6議事堂襲撃事件の公聴会第4回はこれまででもっとも盛り上がったものとなった。今日23日の正午に公聴会は再開される予定だが、調査委員会側は、後2回ほど7月中に開くことを公表した。この公聴会で外部から多くの新情報が寄せられたのも延期の原因の一つと見なされている。

 

この4回目公聴会で召喚に応じ宣誓証言したのは、アリゾナ州の州下院議長バウアーズ氏、ジョージア州務長官ラフェンスパーガー氏と州務長官の下で選挙をしきったスターリング氏。いずれも州共和党側の中心人物で熱心なトランプ支持者だった人達だ、ただし自らがこの事件に巻き込まれるまでは。

 

ラフェンスパーガー氏は1/6議事堂襲撃の数日前にトランプからかかってきた脅迫電話を録音した。それが翌日にはワシントン・ポストが大特ダネとしてリーク。怒り狂ったトランプの怒鳴り声に米市民は驚愕しかつ戦慄した。

 

このテープが原因でジョージア州司法局は悪質な選挙違反事件として捜査を開始。すでに大審院が開かれているところから、トランプ起訴は時間の問題と予想されている。というのは形式としてこの大審院が州検察の調査結果に基ずき容疑者を起訴することになっているからだ。

 

特にスターリング氏は、集計騒ぎの中で複数の記者会見をし、きちんと票の数え直しをするから皆冷静になって欲しい、とTVで必死に説得。またジョージアの集計マシーンを購入した者として、マシーンの不正はあり得ない、ときっぱり主張した。結果としてジョージア州では3回再集計され、初回を含めて4回の集計結果は変わらなかった。

 

アリゾナ下院議長のバウアーズ氏は、不法移民や死亡者達数千人が不正投票している、とトランプから報告を受け、犯罪者のリストや詳細を知らせてくれれば不正選挙として認めるようにするから、と返答したのだが、なしのつぶて。それでも投票結果の認定を非認定に変えるよう、ジュリアーニ弁護士から執拗に要求されたのだが、集計結果を勝手に変えるのは違憲行為に該当するといって断った。

 

上の3人は共和党員で皆トランプに投票していた。しかしその後、全員が家族ぐるみで怖ろしい脅迫や嫌がらせに遭遇した。下は公聴会のニュース動画。

 

www.youtube.com

https://www.youtube.com/watch?v=1etoBn6XpPY

 

この1/6調査委員会でプレゼンされているのは、トランプの陰謀である。

トランプは大統領の地位を維持したいが為にプランAとBを計画。

 

プランAは選挙で再選されること。しかしプランBは、選挙に負けたら彼が勝ったことに作り替えて再選されること。フリンを使って軍掌握も考えたが、まず当時のエスパー国防長官が邪魔をしていて無理だった。

プランAにはホワイトハウスの公式トランプ弁護士達がついていた。調査委員会はこの参謀弁護士達を"チーム・ノーマル"と呼んでいる。しかし、プランBはジュリアーニ元NY市長などの違法を合法と言いくるめる司法の闇に立つ弁護士達を使った。これを調査委員会側は"チーム・トランプ"と皮肉っている。この中にはもちろんあのクラーケン弁護士ことシドニー・パウエル氏も含まれている。

 

そしてこの公聴会の最後はその当時ジョージア州フルトン郡の集計センターで働いていた若い黒人女性、シェイ・モスさんが証言。彼女は普段は投票人登録の仕事をしていた州公務員で選挙の集計に加わっていた。彼女の母親、ルビー・フリーマンさんも臨時パートとして一緒だった。だが偶然というのは本当に怖ろしい。現場監督の勘違いのせいで人影がまばらになった時もこの母娘は一生懸命に大型のスーツケースに見えた投票紙ロックボックスをデスクの下から引っ張り出してはアンロックし中の投票紙を集計マシーンに入れるという作業を続けていた。集計の様子はモニターで監視されていた。しかしこのシーンの映像が外からバイデン票を持ち込んだ証拠となり、母娘は選挙不正の現行犯だとトランプ自らが二人の名をことあるごと連呼。

 

その後この母娘への疑いはとっくの昔に晴れたにもかかわらず、このモニターによるシーンだけは個人名と共にSNSやトランプ・ラリーで繰り返し再生し続けられているのだ。

しかもつい先月、"2000 mules" というプロパガンダ映画が封切りされたのだが、この事件をネタ元にしている。この映画にはドミニオンの名は一切でてこない。

下はこの不正事件の捜査結果を伝えるニュース記事。

https://infact.press/2020/12/post-9900/

[FactCheck] ジョージア州選挙集計で不正の「証拠映像」? 外部から票の持込み確認できず | InFact / インファクト

 

しかし、トランプのターゲットにされたこの母娘の運命は激変。子持ちのモスさんの住居、母の住居に暴徒がおしかけ嫌がらせのし放題。数えきれないほどのピザが配達され代金の請求にあった。また暴徒は祖母の家にも押し駆け勝手に屋内に侵入。彼らはモスさんを"市民による逮捕"する為に来た、と言うのだ。

あのランニング中にトラックで追われ銃殺された同州のアベリー殺害事件と全く同じパターン。しかも、ジョージア州法"市民による逮捕"はアベリー事件直後に廃止されたはず。聴く方も戦慄を感じざるを得ない。

この公聴会で公表されたのが、1/6の一週間前にFBIが身体の危険を警告して母娘は自分の住居から退去していたという事だった。しかし1/6の数日前にトランプ側がモスさんに強制接触、モスさんの要求で警察署内で話し合いが行われたことは公聴会では一切触れられなかった。その話し合いでトランプ側はモスさんの身の安全を保障。ただし、不正行為を認め彼らの安全場所に隔離されることを条件としていた。つまりそうしないと母娘の安全は保障できない、という恫喝でもあった。

 

この公聴会の最後の最後を締めくくったのはモスさんの母、"ミス・ルビー"の言葉。

 

"この私が大統領に(ヘイトの)ターゲットにされた。大統領とは全市民を代表する人のはずなのに。"

 

彼女が自分を"ミス・ルビー"と紹介しているのは、米南部口語の伝統表現に由来している。これは女性に対する尊敬を表しているのだが、文法的には間違っているので最初私もこの習慣にはたじろいだ。しかし、職場で使い始めるとコミュニケーションの効果が抜群に上がったので自分でも驚いた。

 

"ミス・ルビー"と呼ばれることは彼女がこれまでビジネスを営みながら独立し生きてきたプライドと結びついている。心無いトランプ支持者達の怖ろしい脅迫に遭遇し、もう"ミス・ルビー"という名を堂々と口にできなくなった、と悲しげに述べていたのが私には非常に印象に残った。

 

 

 

1/6公聴会第3回:再びのトランプ vs ペンス!?

今日6月16日の1/6議事堂襲撃事件の第3回公聴会をちょうど見終わったところです。

news.yahoo.co.jp

 

選挙後娘のイバンカさんを始め大多数のホワイトハウス公式関係者はトランプが負けたことを認めていた。しかし、トランプだけは頑強にこれを拒否。それどころか、何かお役に、と申し出たトランプ称賛者達を利用し、選挙結果を盗み取り、大統領の地位に留まろうして一貫した陰謀を企んだ、というのがこの1/6公聴会でプレゼンされたシナリオである。

 

公聴会#3での焦点は当日1/6前後のトランプとペンスの憲法解釈をめぐる対立と交渉。この公聴会は前2回のものとは違い法学セミナーのようだ、というのがある弁護士兼キャスターの印象。

 

拙ブログでもトランプとペンスの確執を記事にしている。

 

chuka123.hatenablog.com

 

2020年1月6日は各州の大統領選挙人投票の開票集計日。しかし結果は事前に分かっているので、これはセレモニーとこれまで解釈されてきた。憲法修正条項第12条で副大統領が2院統合議会で集計し、得点が過半数を上回った候補者が次期大統領となる、と規定されている。米史上これまで副大統領がこの集計プロセスで異議を唱えた例は全くない。

 

しかし、トランプはペンスにバイデンが勝利した激戦州7州の内、少なくともジョージアなどの数州の集計結果に不正があったと異議を唱え、集計過程を一旦停止、選挙人投票をそれらの州に差し戻すよう指令した。その後はトランプの下院議員達が対処すると告げた。

 

この期間トランプの代表としてペンス側と交渉したのがイーストマン弁護士。しかし、彼がトーマス最高裁判事の実習生であったこと、特に共和党活動家のトーマスの妻のジニー・トーマス弁護士と連絡を取り合っていたことで、これが今大きな注目を集めている。理由はジニー・トーマスの1/6のe-mailの内容が、反トランプは皆軍事裁判にかけて処刑せよ、という異常に過激であったからだ。

 

今回の公聴会で宣誓証言したのは、イーストマン弁護士と交渉したペンスの顧問弁護士グレッグ・ジェイコブ氏とブッシュ大統領時代に最高裁判事候補として名が上がったマイケル・ルティグ元連邦判事。後者はフェデラリスト・ソサイエティという保守派法曹団体の著名なメンバーである。

まず、早くも大統領選挙後に、1/6の事態を予想し、副大統領の選挙結果介入は憲法違反という論文をフェイスブックに掲載したのでも有名。これはペンス側顧問からの質問に対する回答として書いた、とここで証言している。

 

ペンス側のジェイコブ弁護士によると、修正条項第12条では副大統領による集計過程の介入を全く認めていないので、トランプの要求は違憲行為と判断。トランプの要求を断り説得に当たった。イーストマン氏は弁護士としてペンスの介入は最高裁判事全員から違憲と判断されるという予想を納得。それが1月5日だった。

 

しかし翌6日、つまり当日の朝、親分トランプが直接ペンスに電話し、激しい言い合いとなった。トランプは、あんたの名はパトリオット(=愛国者)として歴史に残るか、プッシー(女の腐ったような男)として残るかのどっちかだ、とペンスに言った。

俺の言ったようにしないとあんたとはもう友達じゃないからな、と戦慄の最後通告。

あなたが、マフィアのゴッドファーザーから、もう友達じゃない、なんて言われたら、震え上がるのは当然!映画でもすっかりお馴染み。

 

このジェイコブ氏はペンス氏と共に暴徒から隠れていた時にポケットから聖書を取り出し、有名なダニエル書の箇所を読んで祈ったと証言。ダニエルは旧約の勇敢な戦士だったが彼が仕えた異国の王より神を選んだ人として聖書には描かれている。

 

その日の午後2時30分頃、トランプは、ペンスが裏切った、というツウィートを発信、暴徒をさらに怒らせ、午後4時半頃に州兵が出動するまで議事堂内は武装したトランプ民兵に占拠されていた。この占拠を決行したプラウドボーイズという武装民兵達はこの時点でペンスとペロシを捕らえて国賊として殺す積りだったと報告されている。

これがクーデタでなかったら一体何だ?

 

驚いた事には、イーストマン氏とジェイコブ氏のメッセージ交換は襲撃中も含めて2日後まで続いた。襲撃中怒ったジェイコブ氏か、違憲行為であることをトランプに伝えたのか、とイーストマン氏に詰問すると、伝えたがトランプは人の言う事を聞くような人ではない、とイーストマン氏。

2日後になっても、不正選挙の為一週間ほど激戦州で再調査するという命令を出せ、と要求してきたので、ジェイコブ氏は呆れ果てた。

 

このイーストマン氏、バイデン就任式の前になってトランプの私的弁護士で元NY市長のジュリアーニ氏に恩赦のお願いをe-mailしていた。

1/6公聴会に召喚されたが、第5(修正条項の証言拒否の権利)を使い質問に答えなかった。第5は証人自身の証言で罪に問われるケースに使われる。つまりイーストマン弁護士は自身が有罪であることを認めたということだ。

 

この公聴会の最後に、ルティグ元連邦判事は、トランプは米国の民主主義に対する

" clear and present danger"(=米口語の言い回しで、目前に迫る危険そのもの)と宣言。彼は24年にまた同じ事を繰り返す。彼の追従者は愛国者ではなく革命主義者。こんなことは米国であってはならない、これは米国憲法と民主主義の崩壊だと聴衆に訴えた。

 

この公聴会の後、ルティグ元判事は、12ページの声明を公聴会宛てに公開している。実はこの人はストロークの後なので、話し方が非常に遅くで聞きずらかった。しかし素晴らしい頭脳は健在であり、この声明の中で、これは過激方向に走った共和党が起こした問題であり、党が責任をもってトランプを排除し再建にあたらなければ共和党はこの先壊滅する、と述べている。

 

最後に余計な一言:この公聴会はペンス・ヨイショが過ぎる、という批判も出ています。

 

1/6議事堂襲撃事件の公聴会がついにスタート!?

先週6月9日(木)に1/6議事堂襲撃事件の公聴会がスタートしました。それに今日6月13日(月)には2回目が開かれ私もちょうどライブを見終わったところです。

news.yahoo.co.jp

 

この公聴会は6回予定されていて、第1回で明らかにされたのは、この下院委員会は喚問権を使ってトランプと1/6議事堂襲撃事件の表からは見えないコネの徹底的捜査を試みたということだ。

親分トランプこそ召喚されなかったものの、彼の側近はほぼ一人残らず召喚された。しかしバノン氏やナヴァロ元貿易製造業局長らほんの数人は本人召喚と証拠物件提出を拒否。

これが理由で2人は司法省により犯罪起訴されている。

 

この公聴会の終了後、遅かれ早かれトランプは起訴されると私は予想している。これほどの犯罪証拠を集めて起訴されないというのは考えられない。

しかし司法省は議会とは独立の組織なので起訴するかどうかの判断についてはガーランド司法長官次第なのだそうだ。

 

この公聴会2回を見た私の印象は、まるでメディアのドキュメンタリーシリーズを見ているようだというもの。それも非常によくできているヤツだ。面白さの原因は普段メディアでお馴染みの有名政界人が顔面蒼白となり顔をひきつらせながら答えているせいかも知れない。下のニュース動画のイヴァンカさんもその一人。以前のアメリカン・プリンセスぶりっ子のパフォーマンスからは程遠い。

 

これは、イヴァンカさんが、バー元司法長官から選挙に不正はなかったと公表した時の反応を尋ねられ、答えているものです。共和党チェイニー副委員長は、彼女もバー氏の宣言で選挙に不正はなかったことに納得した大多数のトランプ側近の一人ですと説明している。

 

イヴァンカ:"司法長官としてのバー氏の言葉をそのまま信じました。"

 

時期はクリスマス前で、イヴァンカさんやホワイトハウス、つまり公式に任命された大統領顧問の弁護士達は全員がこの時点でトランプの不正投票説はデマだということを認識していた、ということです。これはトランプを詐欺罪で起訴する為の重要証拠となるわけです。

 

 

www.youtube.com

 

実の娘にそう言われてトランプはよほど悔しかったようだ。

イヴァンカ・トランプはバーが司法長官だからというので信じたまでだ、と一捻りした解釈を持ち出し、トランプヨイショのSNS、True Social で即反撃。

しかし、"イヴァンカ・トランプ"という本名を持ち出していることから、イヴァンカを叱りつけている。親が子を叱る際にはしっかり本名で呼ぶのが米語のカスタムとなっているからだ。

 

おまけに、最後にわざと(he sucked) とカキコ。he はもちろんバーを指している。つまり、バーは司法長官として全く役立たず!とこの機会を利用してバーをこき下ろしているわけ。

というのは、バー氏は証言で、トランプの不正選挙説を"Bull Shit"(=牡牛の糞)つまりクソのようなトランプの捏造とバカにしきった言い方をしていた。 これも公聴会中にビデオで全米に流された。まずこのライブを見た人は約2000万人。その後もYouTubeで特にバー氏のクソ言及の部分が頻繁に再生されている。

 

最近では内容のあまりの質低下のせいでトランプのスピーチは全く報道されていない。私はリズ・チェイニー叩きのワイオミング・ラリーのトランプのスピーチを聞いていたところ、海賊放送していた当の番組がこんな程度の低い演説を報道するのは時間の無駄、といって、突然途中でプッツン!

 

視聴者数にことさら敏感なトランプの悔しさがいかほどのものか充分察せられるはずだ。

 

 

 

秦郁彦と"戦場の性"

慰安婦問題から消えた日本人慰安婦をリサーチをしています。

 

長年に渡って韓国挺体協(正義記憶連帯)に率いられ、終わりそうもない慰安婦リドレス・ムーブメントに学術的に挑戦したのが国際的に著名な日本人歴史学者の秦郁彦となっている。その彼のシグネチャーブックは"慰安婦と戦場の性"1999である。この本は"Comfort Women and Sex in the Battle Zone" というタイトルで2018年に英訳版が刊行された。

 

 

秦氏はそれまで断片的に出回っていた都市部の大規模な慰安所とわずか数人を抱えていた前線の慰安所等の人種別慰安婦数をていねいに整理総括した結果日本人慰安婦が一番多かったと主張している。

 

また、公娼登録された日本内地の売春従事者、酌婦・娼妓の総数が日中戦争初期1937年から内地ではごっそりと減少しているが、朝鮮半島ではほぼ横ばいのまま。そこから推察されるのは日本人売春婦達は大量に大陸に移動したが、半島では新人やアマチュアをリクルートする傾向があり、それが悪徳業者の跋扈につながったのではないか、とも書いている。この指摘は日本人慰安婦の年齢層が半島出身者より上であり、その中には30歳前後の年増女性が少なからずいた事から的をついているようだ。

 

半島からビルマへは慰安婦達は軍の用意した大船団で同胞業者に率いられてやってきた。しかし、マニラ市周辺では業者は日本人のみが指定されていたとも、米軍による日本軍アメニティ報告書にしるされていた。だから朝鮮人慰安婦も特定の地域に集中する傾向があったと推測される。

 

朝鮮人慰安婦のことは戦後になって一般兵士の苦渋に満ちた前線経験をテーマとした小説や映画によく出てきていることもあり、朝鮮人慰安婦が大多数を占めていたという帰結にジャンプしてしまったのではないか、とも秦氏は推測している。大陸の前線は朝鮮人慰安婦が多数だった。だが数としては、日本人、現地人、朝鮮人、台湾人慰安婦という順だろう、というのが彼の推測である。

 

現地人には占領地出身女性で、ビルマやインドネシアなど複数の人種、それにユーラシアンと呼ばれた白人混血女性も含まれる。これらの人達はアジア女性基金に大挙して申し込んできたことから、人数的には相当なものだったという事も考えられる。中曽根元総理が設置したボルネオの海軍慰安所は現地女性で占められていた。クマラスワミ国連人権委員会特使は中曽根氏のような慰安所設置をした人は戦争犯罪人として起訴されることを日本政府に推薦している。

 

もちろん、確実な人種別人数はわかっていない、と秦氏も断っている。日本人慰安婦の数が韓国側や英語圏の設定よりかなり多めなのは非常に重要なことである。なぜなら日本人慰安婦こそが慰安所設置の動機に直接つながっているからだ。

 

帝国陸軍の慰安所は戦地のレイプ多発を規制する目的で設置された。レイプに走るのはセックス不足の鼻血ブーが原因で兵士にセックスを定期的にさせておけばレイプはなくなるという、何だか女郎屋の宣伝文句のような俗説に従ったからだ。

 

しかし上の説を支える医学的根拠はない。それどころか、今日では戦場のレイプは敵を威嚇し殺傷する武器として非戦闘員女性に使ったと見なされている。だから動機は性欲よりもヘイトなのだ。従って帝国陸軍の唱えた鼻血ブー説の存在は今や怪しげなものとなってしまった。

 

当時陸軍軍医で精神科医だった早尾乕雄氏は、中国の戦地に派遣されレイプも含めてさまざまな犯罪に走る兵士達の動機を精神衛生の視点に立って突き止めようとした。兵達の犯罪行動は流行だとさえ書いている。まず盗み略奪に関しては軍が兵の現地調達を要請するかぎり無くならないと悲観的。また彼らの道徳観の堕落という精神状態の悪化はホームシックが原因ではないかと疑っていた。

 

慰安婦募集は師団ごとに地元に要請され、出身地から従業女性が送られてくるので、地元の方言で故郷の話でもすれば兵隊達の荒ぶった気分も少しは落ち着くのではないか、と日本人慰安婦には大きな期待がかかっていた。

 

中国大陸では日本人慰安婦の値段が一番高く、次は朝鮮人慰安婦、最後は中国人慰安婦となっていたのは、身分社会のカルチュアに起因しているのだろうが、効果という点も考慮されたものだと思われる。

 

ところが、マニラ市では日本人も朝鮮人も値段は同じだったと報告されているところから朝鮮人慰安婦は日本人との近さに関しては同等と見られていたのかも知れない。

テキサス小学校乱射事件は何処へ行く!?

この事件は長く尾を引きそうだと予想した通りになっています。この乱射事件は今や複数の方向へ走りだした。その中には闇の中に葬りたい人達がいることも確かになってきた。

 

先々週金曜日にはテキサス州交通安全局代表が記者会見で地元警察のやり方に落ち度があった、と批判したため、米国内で大騒動を引き起こした。

この事件を銃規制と結びつける人達は、バイデン大統領が先週木曜日に銃規制を米国民に呼びかけたのをチャンスと見て、民主・共和両党による妥協法案を議会に提出することを目指している。その一方、これは偶然だが、NRA(=全米ライフル協会)の総会が先週末にヒューストンで開かれ、土曜の夕方にはトランプがスピーチのトリをつとめ、規制大反対を打ち上げた。

 

NRAは反銃規制で金を集め政治家にバラまいているロビースト団体。だが会長の汚職がばれ一時落ち目になっていた。しかし米の銃規制は各州で立法化されているので、連邦議会の妥協の効果は期待できないのが現実。

このテキサス州は今年の初めに酒、タバコの購買年齢を18歳から21歳に引き合げている。しかし、銃は18歳で無条件で買えるという不思議の国。州議会を牛耳る共和党はこれは自由を愛するテキサスの誇りだそうだ。

 

トランプのスピーチは内容が劣化してしまい内容はまともに取り上げられない。が彼はいまだに人寄せパンダとして根強い人気を維持している。トランプは冒頭で出席をドタキャンしたテキサス州知事アボットを、そんな事までする必要あるのか、と鋭く批判。

しかし翌日の日曜日、バイデン氏の訪問の前を狙ってウバルデに到着したアボット知事は、住民からブーイングを受け、それ以来沈黙撤退。

 

それに呼応するかのように捜査関係者達がピタリと口を閉ざしてしまった。とにかく犠牲者達の葬式が終わるまでは、という口実で事件は全くの闇の中。ただメディアの執拗な追及のみが頼みの綱となっている。

 

まず、警察側の落ち度があった、と指摘したのは、州側だった。ターゲットになったのは現場の指揮を取ったウバルデ市学校警察の監督だったアレドンド氏。そこでメディアは一斉にアレドンドを追跡。しかし、彼は隠れて出てこなかった。今やっと顔は出したが厳重警護下でメディアとは完全遮断である。

また州側は学校の教師の一人がロックされていたドアを開けて犯人を入れた、と批判し、これも大騒ぎとなった。

 

トランプはあのNRAの集会で、こういう乱射を防ぐ為にはもっと金を出して頑丈なドアを装備することだ、と繰り返した。トランプヨイショのクルーズ上院議員は、襲撃事件の原因はこの教師だと大っぴらに非難し、逆に非難を浴びた。

だが、この問題の教師はアノニマスのまま弁護士を通じて弁明した。この教師は自分の車に受け持ちクラスのグッバイパーティの食べ物を取りに行った時に鍵を使ってドアをアンロックした。その時外で犯人のトラックが学校の傍の道で事故を起こし犯人が発砲したのを目撃、一旦中に入ってセルフォンで警察に連絡したというのだ。それで様子を見に再び外に出ると、今度はフェンスを越えていた犯人と目があった、という。それで慌てて中に逆戻り。今度は鍵をはずし、ドアを蹴って閉めたがオートロックのはずなのにドアはロックされなかった、というのだ。

 

ところで学校警察監督のアレドンド氏は部下5人で学校警備を仕切っていたのだが、今年の2月にはこの小学校で学校乱射の実地訓練を受けていた。その警察官向けのマニュアルには、人命にかかわるので覚悟ができていない警察官はこの職につくべきでない、と書かれていたことが報道。マニュアルに沿って速攻攻撃しなかった為に学童が次々と撃たれほったらかしにされ死んだ、というので、アレドンド氏は学校警察監督の資格なし、といって厳しい非難を受けた。

 

最初の説明では学校警官2名が外で犯人と遭遇した、となっていたが、それが次には一人、で今回は警官は最初からいなかった、に変わった。しかし、警官がパトカーで犯人を追い越して小学校に到着した、とも報告されているので何が何だかわからない。

犯人に続いて7人の警官が校内に入って追われた犯人は発砲しながら4年生の教室へ侵入。その時点でアレドンド氏は犯人は教室に立てこもりこれ以上動きはないものと判断し、警官全員待機を命じた。しかしその後も内部で銃声が続き、教室内からは助けを求めるセルフォンが警察や家族にかかってきていた。一説によれば突撃した国境警備隊も待機せよという彼の命令を無視したとも報道されていた。

 

このアレドンド氏はすでにユバルデの市議に当選していて、先週の金曜日の市議会で宣誓をして就任する予定だった。しかしここの白人市長は事件のせいで市議会は開かないと宣言。だが土曜日にこっそりと市長立ち合いで宣誓し市議に就任してしまった。その後の教育委員会の会合でもアレドンド氏に対しては何もなされなかった。普通なら捜査が終わるまで行政的休職となるはずだ。

 

というので、テキサス名物のボス政治を口に出す人がメディアでも続出。

ユバルデのような田舎郡の人口は80%以上がメキシコ系ヒスパニックなのだが、なぜか白人市長が君臨する白人共和党の牙城となっている。テキサス州の人口は、白人が40%未満、ヒスパニック(=メキシコ系)が40%以上、残りは黒人なのだ。だからトランプ王国を維持するにはメキシコ系の支援を取り付けることが絶対不可欠。

 

州にせよ市にせよ一体いつになったら情報を公開するつもりかという懸念の声が高まっている。

 

BTS : 反アジアンヘイトをWHで訴える!?

米では毎年五月はアジア・パシフィックアイランダー・ヘリテージ・マンス (=アジア太平洋諸島系米国人の文化遺産を記念する月)となっている。

 

米には10年に一度センサスと言っている人口調査があって、米の住民一人一人が白人、黒人、アメリカインディアン、アジア太平洋諸島系、の大まかな人種に分類されていた。だが、ヒスパニック系と呼ばれるスペイン語が母国語の中南米系は混血だから"その他"に入るのだそうだ。私のような日系はこの環太平洋系にポチ。実は過去には意味を誤解して"その他"にポチしたことがあった。

この分類の仕方に対しては多くの批判が出て前回センサスではアジア系と太平洋系が見事に分離。だからこの記念月というのは今となってはどこかおかしい。

 

昨日5月31日はこの記念月の最後の日なので、あのBTSがバイデン大統領の招きでWH(=White House)を訪問、WHプレスブリーフィングにも顔を出し、反アジアン・ヘイトを訴えた。

しかし、これも考えてみるとおかしな話だ。BTSは米住民なのかね?

だがこの人気ぶりのせいで私のようなケチなことをいう人は誰もいない!

 

下は米CBSニュース動画です。

 

昨日のWHは大勢のファンが詰めかけ、こんな事はこれまで見たことがない。

WHの玄関口で、よく来た!さぁ、こっちへ!とバイデン大統領自らがお出迎え!

BTSメンバー達はバイデン大統領と会見。その後WH報道官ブリーフィングに出席。

 

バイデン大統領に招待されたのは、非常に名誉な事です、そこで反アジアンヘイト犯罪、米社会でのアジア系の融合と人種の多様性について話すことができた、と述べている。

COVIDの最中にアジアンヘイトの犯罪数はうなぎのぼり。BTSもTwitterでヘイト攻撃を受けた、と報告した。CCをポチすると英字幕がでます。

www.youtube.com

ところで動画のBTSメンバーの英語の発音ですが、きれいで分かり易いです。

日本ではいまだに"英語ペラペラ"とか、なんとか"ネイティブ"並みに話したい、という言葉がよく聞かれますが、まず無理です。これは日本人だけではなく非英語人ならほぼ無理です。ではどうすればいいのか?目的や場所に応じて相手に分かり易く発音することです。それにはBTSのように、耳障りな特有アクセントを出来るだけ消すことも必要です。私の意味分かっていただけたでしょうか?とさりげなくF/U(=follow up、確認する)ことはOKで、むしろ好感を得られる。英語人に受け入れられるということは英語の上達に大きく影響します。

 

www.youtube.com

 

上のはNYの国連本部を背景にしたBTSのMV、" Permission to Dance" です。去年彼らは国連総会に招かれ環境保護支援のスピーチをした。

テキサス小学校襲撃事件:手落ちを認めた警察!?

今日5月27日の朝、テキサス州ユバルデで警察側は犯人が教室にたてこもり学童を次々と撃ち殺した1時間20分の間何もしなかった事を戦略的エラーとして認めるという、驚くべき記者会見を行った。

www3.nhk.or.jp

おかげで今日一日、米メディアは大騒動。しかも午後からは同州ヒューストンで反銃規制の先頭に立つNRA(=全米ライフル協会)の総会が開催され、トランプがスピーチに立った。

トランプは冒頭で、この大会の出席をドタキャンしたアボット知事を弱虫とこき下ろした。

一方アボット知事は、警察からこんな報告はこれまで聞いていない、とショックも露わ。自ら現地に赴いて後始末に当たることを宣言。

 

この出来事、一昨日、アボット州知事を筆頭とするテキサス州共和党のお偉方が雁首揃えて大がかりな記者会見を開き、警察ヨイショを盛り上げた直後に起こった。この日会場に乗り込んだ民主党知事候補のベト・オルロークが、共和党の銃規制なし崩し政策のせいだ、とアボット知事を非難し、これも全米に報道され、テキサス共和党政府の反銃規制が槍玉にあげられたばかり。

 

アボット知事も認めたように、これまでの警察の説明は最初から曖昧な上、二転三転。それと現場の様子とは全く違っていた。現場では、地元警察官と駆け付けてきた父兄の間で小競り合いが起こっていたのだった。父兄達は警備の警官達に、どうか校内に入って子供達を救ってくれ、と強く要求していた。涙ながらに哀願したある母親は執行妨害で手錠までかけられたが、郡保安官に引き渡された際に頼んで手錠を外させて貰い、自ら校舎に入って彼女の子を連れだした。またある父親は校舎に向かおうとしたため警察官にテーザーガンで地面に引き倒された。

それらのシーンはSNSでバイラル化。

 

今回、事件のタイムラインが警察側から改めて発表された。

昼前11時30分、犯人はユバルデの小学校構内でAR-15戦闘ライフルを発砲しながら徒歩で内部に侵入。この犯人は免許証もなく車の運転を知らない、と祖父がインタビューで述べていた。犯人は祖母を撃ったあと、次は小学校だ、と言って家のトラックで出ていった。しかし小学校に沿った一本道でトラックは道路をはずれて落下転落。手を貸そうと葬儀屋から出てきた人たちに犯人は発砲し、その足で小学校に向かった。だが、小学校からは学校駐在の警察官がパトカーで事故現場に向かい、徒歩の犯人とすれ違っていた!

 

犯人は校舎へ発砲しながら半開き?の横のドアから侵入。誰がこのドアをアンロックしたのか、警察側はそこの教師だと指摘?

 

今日の学校は乱射事件に備えて授業中は入口に警官や警備員が待機しているか用件を伝えてアンロックされるようになっているのが通常だ。この小学校でも警察官に指導された非難訓練までしていた。それに警官が常駐していたが、その時は不在だったと言い流していた。

これも事件当初の説明、常駐警官二人が犯人と接触したが、犯人を中に入らせた、というのとは全く違ったものだ。

 

犯人侵入直後には7人の警官が犯人の後を追って校舎内に入っている。一時間後に国境警備隊が現場に到着した時には内部にはすでに19人の警察官が詰めていた。全員が犯人が立てこもった教室の廊下で待機していたというのだ。理由は犯人のAR-15ライフルで警察官に死傷者が出るという想定によった。

犯人は校舎に侵入する前から発砲を続け、侵入後も発砲し続けた。だから被害者の命を救う為には即急な救命措置が必要だが、警察側は内部の発砲は散発的なので大丈夫だと判断したなどと、驚くべき弱虫発言。待機中、児童たちからはセルフォンで助けを求める声が続いていたのも無視だ。

さらに怖ろしいことには、午後1時45分頃国境警備隊が教室内部へ突撃する前に、ヘルプがいるか?と外から生き残った子供達に呼びかけ、一人が、ヘルプ!と叫び返したため、犯人に撃ち殺された。犯人は射殺されたのか自殺なのか、警察の言う事はこの時点では信用できない、という声すら出ていた。

 

10日前にはNY州バッファローのスーパーで非白人ヘイトの乱射事件が発生し、元警察官の警備員がピストルで応戦したが、AR-15と同種のライフルには太刀打ちできずに犯人により射殺。これに怖気ずいて警官すら身動きできないのなら、この手の戦闘用ライフルの個人所有は禁止すべきだ。圧倒的多数の米市民は憲法第2条の銃保持を支持しているが、もうたくさんだという声が高まっている。